第15話 無限来夢に逝った彼女、無限地獄を目指した僕

 かおるとの間には、こんなことがあった。

 十代最後の年、僕はそのころ、落ち込んでいた。それには理由がいくつかあったが、今となってはすべて覚えているわけではない。

 大変だったとおもうことや、たいしたことではないと思えることなどいろいろなことがあった。その中でも僕が落ち込む理由の一番はこれだった。

 自分は何者なのか?

 若いころは誰でも一度はそんなことを考えるものだ。これから何をすればいいのか、何をすべきなのか、自分の役割をちゃんと果たしているのか、存在している価値はあるのかなどである。具体的にはそう思っていなくても、そのようなことで悩むことはあるものだ。

 そんなある日、かおるが何を落ち込んでいるのかずくんと僕に聞いてきた。

 かずくんどうしたの? 元気なさそうだね?

 自分の名前が嫌い、平凡だから!!

 僕はなぜかそう答えていた。父の家は、田中、母は星野、父が子供のころに養子にいった僕は、牛嶋、家の和光「かずみつ」だ。かおるの問いに対する僕の答えには、自分の価値について悩んでいる、という意味が含まれていたのだ。

 かおるが真剣に答える。

 田んぼの中に星が下りてくる野でそこには牛がいて鳥がいる島で、、、

 えっ、、、何のことだよ?

 山がある、九州のことだよ、、、

 九州?何言ってるの?

 そして星は平和な光で輝くのよ。いい、かずくん!!!かずくんは、その星なのよ。平和の光を出す星!

 星?僕が光と平和?、、、、、和の光か!

 そう。和光「かずみつ」っていい名前だよ。嫌いとか言わないで、かずくん、平和のために働いてね!!

 かおるは全力を込めた真顔で僕を見つめていた。その顔つきを見たら、平和のためだなんてハードルが高い。それはちょっと無理、などとは言い出せないほどだったから、僕は覚悟した。

 それにしても自分は何者なのか!

 それは、平和な光を放ちながら、平和のために働く男。

 わかった、力いっぱい頑張るね!

 僕は答え、それでいいのだと、なぜか思えた!

 かおるは不思議な女性だった。けして変わっているタイプではなく普通なのだが、それでも時々不思議に思うことがあった。今のような場合にその不思議さが表れる。ふざけているのではないのだが、いつもかおるは真剣なので、痛いほどのまじめさや気遣いが伝わってくる。ただ、どこかふわっとしていて、その感じが僕にはここちよかったのだ。

 悩んでいたことが解消したわけではなかったが、気持ちはいつしか軽くなっていた。そうやって支えてくれる、かおるに、僕はほかの女性とは違うものを感じていたのだ。

 その日から僕は平和について、経済や格差、生活の在り方や災害等を、考えるようになっていた。数年後、僕はこのことをまじまじと思い出すことになる。

 今思えば、この時にもう始まっていたのだから、やっぱり、かおるはすごいや、と僕は思う。

 今から二十数年前の五月、僕のアパートの固定電話が鳴った。

 その昔電話といえば、固定電話のことだった。その持ち歩けない電話が深夜、突然鳴った。

 かおるが交通事故で死んだという報せだった


僕は「自殺」無限地獄へ行くことばかり考えていた。閻魔大王を数億匹従えようと!


今現在、虚無にいる僕を「響」こえと「陰」が、頑張ってと応援していてくれる。


忠告です!!


2025年末、カウントダウンが始まって数年、虚無全体が陰に警告していた。

私の授けられた力を与えた5大陸、500000人には自分自身の「響」を力を使い方次第では、陰に伝えればもっと「響」が聞こえる人間がどんどん増えていく!!


ただし無限来夢、無限地獄と同じように「響」が聞こえるようになれるのは、2分の1、50%の確率。忘れないでください。「響」と幻聴は全く別物、心の「響」と陰。

もう1000000人くらいの人が「響」が聞こえています、陰から聞きました。力のコントロールができない人もいます。この人たちはおびえています。どこから聞こえてくるかに。陰に注意しておきましょう!


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