忍の道

@tennteikuura

第1話:天上小学校

天上小学校、ここは自らが上位であることを誇示するような名前であり

事実、その通りである。


「おい、忍、学校へ行く準備はできたか?」


心配症な父(影野 千(かげの せん))はうろうろしながら僕に聞く。

「父さん、それ昨日も聞いたよ・・・

大丈夫、今日は単なる入学式だけだし必要なのは鞄と筆記用具ぐらいだよ」


「いかん、いかんぞ忍何事も始めが大事だ

こう、相手からのアクションを待って行動を起こすより先手を取ったほうが何事もうまく進むもんだ・・・」


「父さん、いったい僕がどんな人と会うと思っているの?

今日僕が会うのはこれから一緒になる同級生で、交渉する相手でもましてや戦う相手でもないんだよ?

必要なのはさっき言ったのと、しいて言うならば身だしなみと愛嬌ぐらいだよ

ほかは、臨機応変に対応するって」


「いや、まぁそうなんだが・・・

お前が行くのは普通の小学校ではなく、あの”天上小学校”だからなぁ

父さん、やっぱり心配で・・・」


「えーと、全国の天才たちが集まる隠された小学校・・・だっけ?

まぁ、僕もどんな人が来るのか不安だけど、天才なら逆に理解できないような子供じみた行動もきっと少ないって

そこまで父さんが心配するようなこともないと思うんだけど」


「いや、違うぞ千

天才といっても、何も頭脳面での天才ばかりというわけではないんだ

肉体面での天才も呼ばれている、しかも五才までの間に頭角を現したような子だぞ?

大体とんでもない肉体を持ってるもんだ、喧嘩になったりしたらいくらお前でも・・・」


「父さん、僕がなんの才能で天上小学校に呼ばれたか忘れたの?」


「いやまぁ、そうだが・・・」


「そういうわけだから、もしそんなことになっても大丈夫だよ

じゃ、そろそろ時間だから行くね?行ってきまーす」


「う、うむ、いってらっしゃい」


僕の名前は、影野 忍(かげの しのぶ)”頭脳”と”肉体”の両方で天上小学校に呼ばれた5才児だ。






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