その4「ええっ!?底辺作家の俺が心理学を活用した創作論で全てのコツを徹底考察したらラノベの手順書が出来ちゃった!?」
タイトルの話です。ええ、はい、分かってます。↑コレが気になるんですよね?ですが毎度の如く中盤から触れますので気長に読み進めてください。さて、タイトルとは皆さんが嫌と言うほど悩まされてきたいつものアレです。ラノベを商品とするならばこれはその外包装とも言うべき品、作品の顔となる部分です。極端な話ね、中身が如何にゴミのような品質であってもタイトルさえ良けりゃあ見て貰えるんですよ。料理下手キャラが作る「見た目はすごい綺麗だけど、食べると吐くレベルの味だった」みたいな、ね?あぁ、前座が過ぎましたね。では早速始めていきましょう。とりあえず先ず言えるのは読者は基本的にガキかサルとでも思って書きましょう。毎度の読者煽りですが、読み手のレベルの低さは毎年の語力調査でも酷く露呈しています。これは書き手として決して過ぎて通れない道なのです。昨今の売れるラノベは文学的美しさや考察のし甲斐などこれっぽっちもありません。そりゃあそうです、読み手がそんなもの気にしないからとにかく面白いものを寄越せってスタンスですからね。この現状は特にタイトルに対して顕著に現れています。では例を挙げて詳しく解説しましょう。
「Knight」「Ritter」「cavaliere」こちら三種類の単語、それぞれ読めますか?何を意味するのか、また何語なのか。きっと解らないものが一つはあるでしょう?それぞれ日本語で「騎士」を「英独伊」語で訳したのがその3つなのですが、もしかしてこんな風に「かっこいいタイトルを付けたい」と思って適当な言語に翻訳してそれをカタカナ表記したりしていませんか?残念ながらそれによって確かに中二病的カッコよさは上がるでしょうが、これらを読めない人間からすれば、それは真っ先に読む対象から外されてしまいます。同時に難解な日本語や考察を必要とするタイトルも対象から外れます。如何に良くても手に取って貰えないのなら同じ事でしょう。
ではどうすべきか?まず1つはタイトルで「あれ?」という感情を刺激させる事です。矛盾や非常識、又はカオスあたりですかね。具体例とすれば「俺が市営バスを食べたら爆発した」とか「雨後の糸鋸」「解けない氷」のように不思議でこれが何を指しているのか知りたいという好奇心を高める物ほどより見て貰える事でしょう。残念ながら純文学のような洗練された単語タイトルは此処では全くの無力です。これらの考え方は今までの文学の在り方を一転させるような事態なのですが、これも時代の流れと割り切って進めていきましょう。ではもう一つのパターンが皆さんお待ちかねの非常に長いタイトルです。私から見れば目障りな事この上ないですが、書面の限られた情報スペースを最大限有効に活用するという意味では決して間違っては居ないでしょう。本に於いてアピールの機会となるのは「タイトル」「キャッチコピー」そして場合によりますが「あらすじ」の3つです。本来このような長い文章はキャッチコピーかあらすじに分類されるはずですが、近年の次々発表される作品の中で手に取って貰う、即ち目立つには是が非でも他とは違う何かが必要でした。それがこれ。さらにこのようなタイトルではもう中身があらかたこんな感じですよというのを説明してしまっていますね。まだまだ作家という職が確立されるほどの時代では、そもそも出版数が少なかったですから、1つ1つ手に取って、少し読んで、あらすじを見て買うという事が常識でした。しかし増えすぎた作品群はもはや個人のキャパシティーをはるかに超えています、ですからこのように内容を説明してしまう事で、読者が探しているジャンルの本だと言う事をアピールし真っ先に手に取らせます。そしてそれが意外にも面白かったら読者はそれを購入し、満足するでしょう。他の良作には出会う機会も無いままで。ここでタイトルの優劣が決まってきます、またこのようなわかりやすいパターンは思考力のない読者にとって最良の興味を惹きます。極端な話ですが、読者はそこまで考えて作品を選んでは居ないのです。ただ目立つもの、ただ解りやすいもの。面白いタイトルとは言いますが、それはつまりこういうことを指すのです。
まとめ:タイトルは難解にしても意味がない。また、矛盾やカオスといった知的好奇心を刺激するような物を設定することによって、手に取ってもらえる可能性は飛躍的に高まる。ほかにも長いタイトルで中身を説明しきってしまうなど、他よりも一歩目立つ事を優先して付けていこう。もはやタイトルは本来の表紙の意味を失っている。
次回:広報力を鍛えよう
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