去りし日
墓前に手を合わせ瞑目礼拝。
直ったルキノは、持参した花を手向けようとする。 が、手を止め立ち上がり、花束を持ったままその場を離れる。
墓石の間を進んでくるのは加藤だった。加藤は事件で殺された、リツコ、ミサキ達の墓をめぐっていた。
先日、実験は成功し、日本の研究は世界に対し確実に一歩リードした。しかし、加藤の心は歓喜は訪れなかった。
その喜びを共に分かち合う者達を失い過ぎたからだ。友と信じた男。研究開発で苦楽を分かち合った女性たち、、、、。
ルキノの遺体は工場から発見されなかった。犯人達が何処へ連れ去ったのか?容疑者が全て死んだ今となっては知るすべも無い。
墓前に立った時、今まで誰かココに居たような残り香を感じた。
ルキノさん、、、、
香りが記憶と結びつく。とっさに周囲を見回す加藤。だが墓地に自分以外の者は居なかった。
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