異世界に転生した俺がどうやって生き残ればいいのかわからないけど頑張るしかないから悲しくても寂しくてもとにかく前を向いて生きていくの

さささ 洋介

国道で朝食を

 NEAT《ニート》の俺が目的もなく国道六号線沿いの歩道を東京方面に向かって歩いていると、目の前を一匹の猫が横切った。

 ほとんど無意識だった。猫を追って道路に飛び出す。けたたましいクラクション。俺は猫を捕まえるのに必死だった。抱きかかえたと思ったその瞬間、10tトラックが俺の体に真横からぶつかった。


 トラックの運転席はつぶれて跡形もなくっていた。血だらけの窓ガラス。もちろん俺は平気だったし、捕まえた猫にも怪我はなし。健康そうだ。みゃーみゃー鳴いている。俺は両手でしっかりと猫の胴体を持つと、ほとんど二口でその猫を食べた。腹ペコだった。昨日から何も食べていないことを考えるとこれじゃあちっとも足りないので、近くにいた野次馬を一人捕まえて食べる。ガシガシ。

 Neo Enormous Ancient Titanは鋼鉄の肉体を持つ巨人だ。身長は4メートル。元いた世界で死んだ俺はこの異世界に転生してきてそろそろ2か月になる。どうしてこの世界にいるのかはわからない。最初は仲間もなくて惨めだったが、今はもう慣れた。好きな時に食って好きな時に寝て、好きな時に色んなものをぶっ壊すのは大変いい気分だ。ここには人間をはじめとした動物という弱い生物が多くいて、食い物には困らない。

『 ば、化け物だ!!助けてくれ!!だだだだ誰か、警察を !!!』ニンゲンが何か言っている。こいつらは中程度の社会性があるし、コミュニケーション能力が発達している。だから人間を食うと少し面倒くさい。

 

 とにかく俺はこの世界で何とかやっていこうと思う。この世界には本当に多種多様な生物が生存している。当面の目標としてはそのすべてをすることだ。

俺はこれから東京に向かう。東京はこの国で一番の大都市らしい。今から楽しみだ。

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