黒闇の王と神霊族の竜刀
ルーヴィアリーナ
第1話【‐転生‐】
20XX年、地球の日本。トーキョーシティ。
都内の私立高校に通う高校生、
アスファルトの硬い道には、彼の他にも多くの人々の足音が響く。
(…………………………………………)
彼が、T字岐路を横切ろうとしたとき、やけに大きく目立つ音が耳に届く。それは、
車のエンジン音。
それがふらふらとまるで定まってない軌道で、しかも猛スピードで迫ってくる?
刹那の思考がアタマを過ぎり、回避する暇すら与えられずに……
大きすぎる衝突音。全身を貫く激しい痛み。
薄れゆく意識の中で、彼がかろうじて感知できたものは、アスファルトに流れ出る夥しい量の自分の血、駆け寄ってくる人の声や野次馬のざわめき、遠くから微かに聞こえてくる、救急車のサイレン音だけだった。
後日、メディアはこの1件をこう報じた。【トーキョーシティ都内で男子高校生と普通乗用車の衝突事故が発生。男子高校生は死亡、警察は乗用車の運転手を、酒酔い運転、スピード違反、殺人の多重罪で現行犯逮捕しました】と。
* ♰ *
【マルチユニヴァース】の中の1つ、【オーヴァーズレイド】。
世界一の魔法使いと呼ばれるルーヴァ・エルメラード。彼の魔法工房に存在する、秘密の
灰色の薄暗さが満ちる部屋には、多数の用途不明——否、たった1つの目的のためにある機械が置かれ、床を色とりどりのチューブやコードが這う。
大きな部屋の中央には、薄青く発光している円筒形の機械付き容器。
中には、透明な液と、眠るように目を閉じたまま液体の中を浮かぶ10代後半ぐらいの少年。輝かんばかりの銀髪が見る者の目を引く。
傍らの机に置かれたデータ文書には、こうタイトルされてあった。
【ホムンクルス:ルーナ-オールドゼウス
個体名:レイ-ラーヴァンテイン】
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