第2章:檻

?日目

「百舌鳥……百舌鳥……」


暗闇に誰かの声が聞こえるも、ほとんどが雨音に紛れてしまい、正しく聞き取ることが出来ない。


男なのか女なのかも不明瞭な声は、誰かに対して話しているものなのか、はたまた独り言なのか。


影すらも雨に紛れてしまい、1つなのか複数なのかもはっきりさせようとしない。


ふと、わずかに弱くなってきた雨音に紛れて聞こえてきたものは、ひどく悲しみに満ちていたように聞こえたが、程なくしてまた降り始めた雨によって何もかもが流されてしまった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る