俺の素晴らしい高校ライフ
ごうでぃ
第1話俺の高校生活
「お前さ、また遅刻かよ」
隣の席から嘲笑うかの如く言ってきた。
「まだ今月始まって一ポイント目だからいいんだよ」
と机に顔をつけたまま寝ぼけた声で言い返す
が、心の中ではかなり焦っている。というのも先月は三ポイント溜めたせいで早くても一時間はかかるであろう文章の写し書きをさせられたのだ。
「まだ高校始まって一ヶ月しか経ってないのに遅刻しすぎだろ」
と笑いながら言ってくるこいつは俺のクラスメイトで、入学式にも関わらず筆記用具を忘れて、遅刻してきた俺にペンと消しゴムを貸してくれと頼んできた蔵下晄だ。
黒の短髪で背は俺と同じくらいの一六五センチといったところだろうか、体型もよく似ている。目が少したれ目ですごくアホっぽい顔をしている。
俺は話しかけられないと話せない人見知りで、話せるのは蔵下ぐらいだろう。
「ところでさあ、ここ年増が多くて困るわ」
いつものことだがこいつは突然話を変えてきやがる。
「何いってんだお前」
こいつは中学生以上を年増と言い張る変態だ。
「つかここ年増の女多過ぎだよな」
「年増は関係ないが確かに女子は多い。 男子が少なすぎるからかもしれんが」
そう、この私立加拉須美高等学校では一年生女子二一七名に対し、男子七名。二年生は女子一七六名に対し、男子七名。三年生も女子二〇二名に対し、男子七名という男女比を完全に間違えているであろう全寮制の高校だ。
なぜ俺がこんな学校にいるのかというと、名門高校の受験に失敗し、受験に面倒になった俺は適当に受かりそうな学校を探しているところ、この学校から推薦がきたのだ。
「てゆーかよ、噂なんだけど、この学校に推薦で入学した平民がいるらしいんだよ!」
「へ?」
突然の蔵下の言葉に戸惑う俺。
「なんでも平民を捕まえたらその平民はこの学校を退学になって社会から抹殺されるらしい。 そんで捕まえた生徒は遊んで一生暮らせるらしい」
「……まじか」
俺は震えた声で言った。
「だけどもしその平民が誰かの婿にいくことになれば平民の勝ちなんだって。 まこんな年増誰も好きにならねえし、平民を好きになるやつもいないよな」
笑いながら蔵下は俺を見て、
「もしかして光希が平民だったりして~……なんてね!」
笑いながら言ってくるこいつに対し俺は愛想笑いでしか返せなかった。
「キーンコーンカーンコーン」
授業終了のチャイムと同時に、俺の中で何かが鳴り響いた。
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