青空ときどき彼

山神美智

第1話 日常の変化

満開の桜が咲き乱れる入学式になった。

【私立美空学園】幅広い分野の名門高校であるこの学校が木霊真の新しい場所になった。

「…今回も、普通の高校の生活だろうな。」

何も期待なんてしないと言う顔をしながら真は独り言を呟き校門を潜る。

潜った次の瞬間ドンッと誰かにぶつかった。

「ご、ごめんなさい…大丈夫?」

「僕の方こそごめんね。怪我ない?」

派手にぶつかったので少し取り乱しながら真が聞くと男の子が微笑んで謝ってきた。

「よかった。君に怪我ないみたいだね。」

「……?」

男の子は真に怪我がないのに気づくとホッとした様子だった。しかし真はどうしで自分が怪我がないのをよかったと言うのか分からなく少し首をかしげた。安心した所で2人は校舎の中へ別々に入っていった。




***



下駄箱の前に張り出されているクラス表を真は確認し‘’1年A組”になっていた。回りがクラス表を見てはしゃいでいる中冷静で1人行動を好む真は確認し終わるとすぐに教室へ向かった。教室のドアを開け自分の席に座ると…

「初めまして木霊さん!私寺田友宜しくね」

「うん…私木霊真、宜しく」

明るい声で真に自己紹介をする友。

それに対し真は少し素っ気ない風に友に言う。そしてドアの方を向いているとドアが開きさっきぶつかった男の子が入ってきた。

男の子は真に気づくと駆け寄ってきて

「さっきぶりだね。僕は小川青、宜しく」

「あ…うん。私木霊真、こちらこそ」

青は真の目を見ながら言うと真は青の目を見られなくなり顔を反らしてしまった。

何故か青の目を…瞳を見ていると何もかも見透かされそうになったから。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る