復讐 ─ G ─
時川 隼人
0 プロローグ
舞台は・・・・・とある学校。この学校を紹介したいと思うのだが、『あの事件』があったからには実名を出すわけにはいかない。だからここではN高校と称したい。
そう、『あの事件』こそ、今から語られる物語である。
事件の火種は小さかった。目につけるほどではなかった。しかし、そこに噂と言われるものであったような風が通り、可燃物という人間関係によって事件の火種はやがて大きくなり、見るもの全ての瞳を紅に染まらせるようになる。
人間関係というのは、燃えやすい。そして、火を噴き上げるだけの質量をもちあわせている。
火種は確かN高校の陸上部で見つかった。
元々、N高校はちょっとした進学校である。なので、集まる生徒もそれなりの学力と知性や理性をもっている。真面目な生徒が多いという訳でもないが、これといった問題児はいなかった。所謂、ちょっとした進学校である。つまるところ、ちょっとした進学校である。これだけ分かってくれたらそれでいい。
さて、この陸上部は何かと真面目な部員が多かった。総部員数は9人で、短距離と長距離に分かれていつも練習に励んで・・・・おっと、これはあまり事件とか関係ない話になりそうだからここでは控えておこう。
え?それにしても部員が少ないなぁだって?
しまった、伝え忘れていた。N高校は地方の田舎に建てられた学校であるがゆえに、全校生徒が少ないのだ。それを部活動ごとに数えるのならば、それはもう手の指に収まってしまうのである。
こんなことを言ってしまっては学校の先生方に怒られてしまいそうだ。だからもうここらへんにしておこう。僕はこの学校の卒業者だっていう設定にしてていいよ。僕はこの事件については全く触れていないからさ。
または、プロローグのときだけでてくる人でもいいさ。
さて、無駄話はここらへんにしておこう。
僕もこの物語、早く読んでみたいからさ。
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