誤用されがちな『敷居が高い』
単語の誤用、誤変換、読み間違いはなくしたいと思っても消えてくれません。
気をつけたら防げるものではありますが、ほかの人のミスを目にしてモヤッとしてしまう瞬間もあります。
TVでよく耳にする誤用は『敷居が高い』です。自分と不均衡な高級なお店に入店することになった場合などに使う人を見かけました。
共演者も指摘していませんし、間違って使用したことも気にならないほどになっているのかもしれません。事実、敷居が高いを辞書で調べると『現在ではこんな意味で使われることもある』と載っていることもあります。
ほかの単語でも『現在ではこんな意味で使われることもある』という表記をたまに見かけます。『こんな誤用をされることが多い』という説明なら、ミスを防ぐ目的かと思えるのですが。『現在ではこんな意味で使われることもある』という表記だと、その意味で使うことを黙認しているようなニュアンスに感じてしまいます。
本来は間違っている意味のほうが浸透してしまうのはさみしいです。『言葉は生き物』とは言いますが、誤用で意味が変わってしまうのは個人的には納得できません。正しい意味を理解して、正しい意味として利用したいです。
とはいえ、自分が正しく意味を理解して使えている単語はわずかでしょう。名前すら知らない単語が数多にあることと思います。自分が知っている単語は、すべての日本語の単語のうちの1%にも満たないのかもしれません。
辞書などで正しい意味を知るたびに、自分は日本語ができると言っていいのだろうかとよぎってしまいます。
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