第12話 無限

サラリーマンの男2人が、居酒屋で語り合っていた。


「俺はどうにもこのごろ、世の中の仕組みというものがわかってきた。社会は歯車であり、俺達をどこかで操作しているような存在を感じずにはいられない。」


もうひとりの男は、「それは当たり前のことで、別にだれかが俺達を操作しているわけではない」と否定。


「いや、絶対そんなことはない、俺達は!……」


ピーーーーーーーーーッ!


その時、何かの電子音のような音が鳴り、すべての時間が止まった。


突如、居酒屋の天井から巨大な黒い腕が伸び、サラリーマンの2人を掴んだ。


「感ずいてしまったのか、俺達がこいつらの世界を操作していた事を」


「まぁ、今回のシュミレーションはもうデータを取ったからこいつらは不要だ」


科学者のような白い白衣を着た2人の男はそう言った。


「しかしなぁ、こいつらが言うように、データ集めの仕事も同じ事の繰り返しで飽きたな」


「確かに、そろそろもっと自由な研究に打ち込みたいよ。たとえば!……」


ピーーーーーーーーーッ!


その時、何かの電子音のような音が鳴り、すべての時間が止まった。


突如、研究所の天井から巨大な黒い腕が伸び、科学者の2人を掴んだ。


「こいつらの人生を操作するのはもう飽きたなぁ」


「そうだな。ここは無限の時間が存在する世界だから、我々のような神には退屈だ」


「そうだ! もっと刺激的な事をしよう。例えば星と星をぶつけて爆発させる!……」


ピーーーーーーーーーッ!


その時、何かの電子音のような音が鳴り、すべての時間が止まった。

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