第4話 絶対に実らない恋

高校生の女は、バス通学で毎日見かける男に恋をしていた。


毎日の通学、学校、平和な家庭。


あまりにも平凡な生活が続く中、女の想いは募っていく。


ある日、恋する男を街中で偶然見かけた女は、思い切って声をかけた。


しかし、男は女の方を見向きもせずに無視をした。


小さな声だったので聞こえていなかったのだろうか?


女は、もう一度、男の正面にまわり大きな声で呼びかけた。


しかし、男は、女の目の前から反転し、去っていこうとする。


確かに男は女の存在に気付いている。なのに全くの無視。


あまりにも酷い態度に、女は叫んだ。


「あのっ! あなたのことが好きなんですっ!」


男は驚く。すると、男は胸のポケットからある物を取り出した。


そして、なにやら小声でつぶやき出した。


女は、男の不信な行動に困惑した。だが、それもすぐに納得することが出来た。


しばらくして、女はその場からいなくなった。


男は言った。


「キミはここにいてはいけない。成仏するんだよ」、と。


女は、バスの事故で死んだ幽霊だった。


男は、霊感が強いので、こういった事は珍しくないようだった。

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