美少女ハンティングとか悪ふざけにも程があるだろ

夏星

第0話

 入学式、私たち新入生を歓迎するように桜が咲き誇っていた。別にこの学校に入りたい訳ではなかった。親の勧め、というやつだ。公立で青春したかったけど、英語の勉強のためだ。指定校で有名大学に入ることだけを目標にすれば、その後の人生は自由で安定したものになるはずだ。その間、恋はおあずけだ。女子校だから。でも、今日のうちに友達を作っておかないと、入学前オリエンテーション、風邪で行けなかったし。式も無事に終わり、いよいよ帰りとなる。グループが、出来上がっていた。わたしこのままひとりぼっちなのかな。

「この駅、同級生いないなー」

 入学式の日に誰とも話せなかった私は、ひとりぼっちのまま、今日は最初の授業の日。まだオリエンテーションだけだ。別に、このまま6年間過ごしてしまうなんてことはさすがにありえないだろう。同性しかいないのだから、大したいじめもないから安心だな、などと、駅のホームで思考を巡らせていた。抜けるような青空に、少し期待を乗せる。すると、どこからか、同じ制服の女の人が現れた。

「おはよう、新入生だよね?」

 同じ駅から乗車する先輩がいるようだ。

「おはようございます。初めまして、和高はるかと申します。」

 先輩を無視する訳にはいかないと思い、挨拶をかえしたものの、たどたどしくなってしまった。

「まあ、そうかたくならずに。私、富川ゆいな、中学3年生、よろしくね」

 この時は、思ってもみなかった。あんな不思議な人と出会うことになるなんて

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