空蝉の涙

尾弔波〆

プロローグ

 天才が世にもたらした天災は過去の歴史を大きく上回ったものだった。


 軽重傷者:0人……死者:3582人


 これがたった1人の個人で行われた犯行だという事、被害者は全くの無差別ではなく殺害される1時間前以内にに死にたいと口にした者のみである事、そして殺害方法はバラバラであったが最初の1度目から犯人の目撃情報が絶えない事、そしてそれだけの目撃情報がありながらこの1年間捕まえる事は愚か現場以外で彼を目撃すら出来なかった事。

 以上のことを踏まえ人々は彼、朔月 響夜を「死神」と呼んだ。

 そして今日、死神は死んだ。


 死神と呼ばれた彼の最後の言葉は

「ありがとう」だったそうだ ────




(やっと…これでやっと……終われる)

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空蝉の涙 尾弔波〆 @Re-9snju109

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