『書く』と『描く』と『かふぇおれ』と

雨樹月

第1話 白と黒

鳥がピヨピヨ〜♫と鳴いている朝。

鳥の声を目覚ましに起きる。

どうやら、机の上で寝ていたらしい。

体の節々が痛くて仕方がない。

昨日、夜遅くまで『書いて』いたせいだ。

と、昨日の自分を叱咤する。

「朝ごはん、食べるでしょ〜?」

「今行く。」

下からは母の声。

制服にパパッと着替え、洗面所へGO…最近話題のゲームみたいだ。

なんて、自分でツッコミを入れる。

「あ…お兄ぃ…はよ」

まだ眠そうな妹は今日も可愛い。

一階に下りると、いつも通りの父。

ジャージを着て話題の腹筋◯ンダーコアをプレイ中。


これが、僕の日常。


学校へはバスで通う。

キャピキャピ騒ぐ女子高生の横をすり抜け、定位置に着く。

すぐさまスマホを取り出し、メモ欄を開く。

思い付いた単語を打ち込んでいく。

それが終わったら音楽を聴く。…それが普通。

なんだけど…あれ?

隣に、誰かいる?

バッ‼︎と横を振り向く。

その人は、罫線のついたノートに線なんて気にせず、バスが揺れるのも気にせず、絵を描いていた。

「く…黒さん?」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る