想いを胸に…

二人が入籍をした翌日、ユウの事務所を通して二人の結婚がマスコミに発表された。


かつてアヤが仕掛けた一連の騒動で世間を賑わせた二人の結婚は、スポーツ新聞やワイドショー、週刊誌などでも大きく報じられた。


ブライダルファッションショーの出演以来、レナが再びテレビカメラや多くの人の前に出ることはなかった。


レナはまたカメラマンの仕事に専念し、充実した毎日を送っていた。



`ALISON´の新しいアルバムの発売日が4月5日に決まった。


制作会社が、ちょうど4月の上旬あたりには発売できそうだと言っていたこともあり、新婚の二人へのお祝いの意味も込めて、二人の誕生日を発売日にしたいと、メンバーが事務所を通して制作会社に掛け合ったらしい。


アルバム発売後に始まるツアーは、4月下旬、ゴールデンウィークにスタートすることになった。


そのツアーもまた、マユが編集長をしている

雑誌で密着取材することが決まり、レナもカメラマンとして同行することになった。




入籍の翌日から、ユウはメディア出演の機会が増えた。


アルバムの発売に先駆けて、2月14日に先行発売された`ALISON´のシングル曲を、テレビの歌番組などで演奏したり、トーク番組やバラエティ番組、ラジオ番組などで、シングルとアルバムの宣伝をするためだ。


照れ屋で人前で話すのがあまり得意でないユウは、テレビの歌番組でのトークや、トーク番組、ラジオ番組のゲスト出演などが苦手で、話すのはもっぱら他のメンバーだったが、今回は結婚したユウに話題を振られることが多く、その度にユウが照れてしどろもどろになるので、それを更にメンバーたちから冷やかされ、顔を真っ赤にしているユウの姿が、たびたびテレビ画面に映し出された。


ファンや一般の視聴者は、ユウの意外な一面に驚き“ユウって意外と照れ屋さん?”“あの照れた顔がカワイイ!!”と巷で噂され、女性のファンが増えたと言う。


お互いの仕事が忙しくなり、なかなか二人でゆっくり過ごすことはできなくなったが、それでも二人は、他の夫婦とは少し違うかも知れないけれど、これが自分たち夫婦の日常として、自然な形だと思えた。


夫婦になったことで、以前とは違う安心感のような物が、二人の間にあるような気がした。




その日レナは、一人で晩御飯を食べながら、珍しくテレビを見ていた。


今日はテレビの生放送の歌番組に`ALISON´が出演するのだ。


(そう言えば…今までユウが出てる番組って、見たことなかったかも…。)


幼い頃から一緒にいるのが当たり前過ぎたせいか、二人でいる時は特に、今のユウが芸能人だと言うことを忘れてしまう。



大物司会者と出演者の軽快なトークを交えつつ、その歌番組は進行していく。


今話題のミュージシャンや人気のアイドルなどが出演していて、とても華やかだ。


(なんて言うか…私の知らない世界…?)


ユウたちも雛壇の端の方で出番を待っている。


雛壇の中段あたりに座っているユウたちを、以前グラビア撮影したことのある人気アイドルグループの女の子たちが、最上段から眺めては、ひそひそと内緒話をしている。


そんな場面をテレビ画面越しに見つけたレナは、どことなくモヤッとした気分で小さくため息をついた。


(あの子…めちゃくちゃユウのこと見てるよね…。ただのファンならいいけど…若い女の子って怖いからなぁ…。)


自分のいない場所で、自分の夫が、若くてかわいいアイドルの女の子たちに、うっとりと見つめられている場面を見ている。


(複雑な気分…。)


女性シンガーの曲の後、いよいよ`ALISON´の

出番がやってきた。


「続いては`ALISON´です。」


「お願いしまーす。」


タクミがニコニコ笑って愛想を振りまくと、客席からキャーッと黄色い声が上がる。


(女の子に人気があるんだ。タクミくんってかわいい顔してるし、人懐っこいし憎めないキャラだもんね。)


大物司会者が新しいシングルの話や、アルバムのレコーディング中のこぼれ話の話題を、メンバーたちに振る。


トークの上手いメンバーたちは、ちょっとしたネタも面白く話して笑いを誘う。


人前で話すのがあまり得意でないユウは、黙ってうなずいたり、笑ったりしている。


(だよね…。ユウ、照れ屋さんだもんね。)


そろそろ曲の演奏に行くのかな?とレナが思った時、大物司会者が突然話題をユウに振る。


「ところで、この新しいシングルの発売日に、ユウが入籍したんだってね。おめでとう!」


「えっ?!あっ…ありがとうございます…。」


「結婚して、なんか変わった?」


「あ…いや…。なんて言うか…。」


司会者に尋ねられると、ユウは照れてしどろもどろになりながら、顔を真っ赤にしている。


「なんだよー、ハッキリ言えよー、ユウ。」


トモがユウを肘でつつく。


「そうだよ、ユウ。かわいい奥さんもらって幸せだってハッキリ言えばいいじゃん!!」


タクミがユウの背中を叩いてそう言うと、ユウは慌てた様子でオロオロしている。


ユウのそんな様子を見て、メンバーたちはニヤニヤ笑い、客席からは「キャーッ!!」「ユウ、カワイイーっ!!」と声が上がる。


「どうなの?」


「そうですね…。早く…帰りたいです…。」


照れながら小さな声でユウが答えると、司会者は満足そうに微笑んだ。


「早く帰りたいって思えるってことは、結婚して幸せってことだね。だけど、番組終わるまでは帰らないでね!」


「ハ、ハイ…。」


司会者の一言で、スタジオは温かい笑いに包まれ、ユウはまた照れて顔を真っ赤にした。


そこで女性アシスタントが、助け船のように、メンバーに演奏の準備を促した。



`ALISON´はステージに移動し、演奏の準備をすると、新曲を演奏し始めた。


レナも初めて聴く曲。


よく考えたら、ユウが家でギターを弾いているのは見ているけど、ステージでギターを弾くユウを観るのは久し振りだった。


レナは昔から、ステージで楽しそうにギターを弾くユウはキラキラしている、と思っていた。


今もそれは変わらないけど、あの頃と今では、ユウを想う自分の気持ちが違っている。


昔もユウを好きだったけど、今みたいに、ユウを見てドキドキしたりはしなかった。


(ギター弾いてるユウ…カッコいいな…。)



気が付くと、いつの間にかレナは、テレビの中のユウに釘付けになっていた。


(わっ…。いつの間にか夢中になってた…。)


`ALISON´の演奏が終わり、CMに入る前に、カメラを向けられ照れるユウのアップが画面に映ると、レナは急にドキッとしてしまう。


(何これカワイイ…。って言うかこの人、私の夫だから!!毎日一緒に暮らしてる人だから!!)


テレビに映るユウは、いつも一緒にいるユウとは違う気もする。


だけど「早く帰りたい」と言ったテレビの中のユウも間違いなく、レナの誰よりも大好きなユウだ。


(最近忙しくて、二人でゆっくりする暇もあまりなかったな…早く帰って来るといいな…。)



歌番組が終わると、レナは一人分の夕食の後片付けを済ませてお風呂に入った。


レナはお風呂に浸かりながら、なんとなくさっきの歌番組で、若いアイドルの女の子が、ユウをじっと見つめていたことを思い出す。


(いやいや、まさかね…。)


前にグラビア撮影の仕事でアヤに言われた“色気ゼロ”と言う言葉が、不意に脳裏をよぎる。


“ユウを満足させてあげられなさそう”とも言われたが、結局、色気ってなんだろう?


胸の大きさではグラドルに勝てる訳もないが、それ以外に、どうすれば色気が出るのだろう?


(時々ユウが、私のことを色っぽいとか言うけど…一体どこが?って感じだし…。やっぱりもう少し色っぽくなるように努力した方がいいのかな?それで結局、ユウを満足させるって…どういうこと?)


ユウとは一緒にいて幸せだし、本当に大事にしてくれていると思う。


(私は、ユウといてすごく満たされてるし、結婚までできて…満足してると思う…。)


アヤの言った言葉は、そう言う意味だろうか?


(ユウは…?ユウは、私で満足してる?)



レナがお風呂から上がり、今日撮影した写真のデータをパソコンで確認していると、ユウが帰って来た。


レナはユウの帰りが嬉しくて、玄関まで走って行ってユウを出迎える。


「おかえりなさい。」


レナがユウに抱きつくと、ユウが嬉しそうに笑ってレナを抱きしめる。


「ただいま。」


玄関先で二人は軽いキスを交わした。


「今日の晩御飯、何?」


「クリームシチュー。すぐに用意するね。」


「うん。」


レナはキッチンでシチューを温め、フランスパンを切って焼く。


熱々のシチューとフランスパンをお皿に盛り付け、冷蔵庫で冷やしておいたサラダと一緒にテーブルに並べた。


「ハイ、どうぞ。」


「いただきます。」


ユウが美味しそうにシチューを食べている様子を、レナはユウの向かいに座って眺めている。


「おいしい?」


「うん、うまいよ。」


「良かった。」


何気ないユウの一言が嬉しくて、レナは満面の笑みを浮かべる。


「どうかした?」


「ん?」


「さっきから、じっと見てるから。」


「うん…。ユウが帰って来て嬉しいなって。」


「えっ?!」


「さっきの歌番組、見てたよ。」


「…見てたんだ…。」


ユウは急に照れ臭そうにしている。


「カッコ良かったよ。」


「…ありがと。」


「でも、あんなカワイイ顔してたら、また他の女の子に狙われちゃうぞ。」


「えぇっ?!」


ユウはレナの言葉に驚いて声を上げる。


「…ユウの照れた顔、かわいかったし。」


「…なんだそれ…。」


照れながらユウは、じっと見つめるレナから視線をそらして、シチューを口に運ぶ。


「ユウたちの後ろにいたアイドルの女の子たちが、ユウのこと、うっとりして見てたよ。」


レナの思いもよらぬ言葉に、ユウはむせそうになる。


「何それ…ヤキモチ?」


「どうだろうねぇ…。」


レナが目をそらすと、ユウは残りのシチューをかきこんで、お皿をレナに渡す。


「おかわり。」


「ハイ。」


レナがお皿を受け取ってキッチンに行くと、ユウはサラダをつつきながら呟く。


「誰に何言われても、オレにはレナしかいないよ?」


「うん…。」


さっきまで少しモヤッとしていたレナの心が、途端に温かい物で満たされる。


レナはユウにシチューのおかわりを手渡しながら、嬉しそうに笑った。


「ユウがそう言ってくれたら、安心した。」


「そう…?不安になることなんてないよ。レナ以上にかわいい子なんて、オレには誰一人いないから。」


「ホント?」


「ホント。昔から、レナ以上にかわいい子も、好きになった子もいないから。」


「これからも?」


「うん、これからもずっと。」



ユウが夕食と入浴を済ませると、二人でこたつに入ってゆっくりビールを飲んだ。


「こうして二人でゆっくりするの、久し振りかも。」


「そうだな。」


レナはユウの肩にもたれて、ユウを見上げる。


「ユウは…私といて満足してる?」


「え?」


レナの言葉に、ユウは首をかしげる。


「前に言われたの、思い出したの。私ではユウを満足させてあげられなさそうって。それってどういう意味だと思う?」


「うーん…。」


ユウは、以前レナから聞いた話を思い出して、ああ、と小さく呟く。


「多分それ、オレがレナの体に満足かってことだと思う。」


「えぇっ?!」


ユウの言葉を聞いたレナは、途端に恥ずかしくなり、ユウから目をそらした。


(そ、そうなの…?!)


そんなレナの様子を見てユウは小さく笑った。


「満足ですよ?」


ユウはレナを抱きしめ、優しく囁いた。


「すべてにおいて、満足してます。」


「う、うん…。」


「かわいいレナも、色っぽいレナも、オレだけのレナだから。これから、もっと満足させてもらってもいいですか?」


「ハイ…。」


ユウは立ち上がってレナの手を引き、ベッドへ導くと、優しくレナを寝かせて口付けた。


「こんなにいい奥さん、他にいないよ?」


「ユウ…。」


「レナは、オレといて満足?」


「うん…。私もユウ以外は考えられない…。」


「良くできました。これから、もっと満足させてあげる。」


久し振りに二人でゆっくり過ごす夜は、熱くて甘い夜になった。





そしてとうとう、ユウとレナの挙式の日がやって来た。


パーティーの打ち合わせの途中からは、内容を幹事を引き受けてくれた4人と担当者に任せていたため、二人にとってはまるでサプライズパーティーのようだった。


「とうとう今日だね…。」


「うん…緊張するな…。」


緊張の面持ちで式場へ足を運ぶと、ユウとレナは、別々の控え室へ案内された。


(レナのウエディングドレス姿、楽しみだな…。)



ユウはリサの作ってくれたタキシードに身を包み、これから始まる二人の結婚式に思いを巡らせる。


ユウが控え室でソワソワしながら待っているとドアをノックして入ってくる人影が見えた。


(誰だ…?)


それは、品の良いスーツを着た落ち着いた感じの男性だった。


ユウより明らかに歳上の、丹精な顔立ちの男性は、ユウを見て優しく微笑んだ。


「はじめまして、須藤透です。」


「あっ……。」


突然の須藤との対面にユウは驚く。


須藤はカメラを肩に提げ、ユウに握手を求めた。


「結婚おめでとう。今日は、リサさんにご招待していただきました。」


「ありがとうございます…。はじめまして、片桐悠です。」


ユウは緊張しながら握手に応じた。


「いろいろ、大変だったようだね。」


「まぁ…そうですね…。」


(何言われるんだ?!)


妻のかつての婚約者の登場に、ユウは驚きを隠せない。


「彼女との婚約は、オレなりに彼女の将来を考えてのことだったが、結果的に君たちを煩わせてしまって、申し訳なかった。」


「いえ…。」


「でもオレは、あの時レナを日本に帰らせて良かったと思ってる。幼い頃から、レナがずっと君を大切に想っていたことを、知っていたからね。君がレナを幸せにしてくれるなら、それ以上のことはないよ。」


「ハイ…。」


ユウは、ずっと気にかかっていたことを、勇気を出して須藤に聞いてみることにした。


「須藤さん…レナは、須藤さんのことを保護者のような人だと言ってますけど…。」


「うん、そうだろうね。」


「須藤さんは、レナのことをどう思ってたんですか?」


須藤は驚いた顔でユウを見て、苦笑いを浮かべる。


「どうって?」


ユウは思いきって、言葉を絞り出す。


「レナを…身内のようにではなく、一人の女性として、愛してましたか?」


ユウの真剣な眼差しを避けるように、須藤は軽く笑みを浮かべて目をそらした。


「まいったね…。」


須藤は小さく息をつくと、静かに呟く。


「子供の頃から、ずっと見てきたんだ…。最初は本当に身内のように思ってたよ。でも、君がレナを置いていなくなってしまって…それからレナは、いつもどこか寂しそうで…。だんだん大人になって行くレナを、いつしか一人の女性として、愛していた…。」


「……。」


「結婚しても無理してオレを好きにならなくてもいいとは言ったけど、ずっとそばにいればいつかはオレを男として愛してくれるかと思ったりもした…。それなのにレナの心は、ニューヨークのオレの元へ来ても、オレを見ていなかった…。そんな時に、レナが君といて幸せそうに笑っている写真を見て、やっぱりレナの心には、ずっとそばにいたオレではなく、ずっと待ち続けた君しかいないんだと思った…。ずっと感情を表に出さなかったレナが、君を想って泣いていたのを見て、レナがいるべき場所は、オレのそばではなく、君のそばだと思ったんだ…。だから、レナが君と幸せになってくれたら、レナには一度も伝えられなかったオレの想いも報われるって、そう思ってるよ。」


「幸せにします、必ず。人生最期の時に、オレと一緒になって本当に幸せだったとレナに思ってもらえるように、全力で彼女を愛して、守って、幸せにします。」


ユウの力強い言葉に、須藤は少し寂しげに、それでいて嬉しそうに笑った。


「レナのことを、よろしく頼んだよ。」


「ハイ。須藤さんよりオレを選んでくれたこと、絶対に後悔はさせません。」


「言うねぇ…。まぁ、それ聞いて安心した。今日は二人の幸せな顔を撮らせてもらうから。」


「ハイ。よろしくお願いします。」


ユウは須藤に深々と頭を下げた。


須藤が控え室を出ようとした時、ユウはもう一度深く頭を下げて、大きな声で言った。


「須藤さん、オレとレナを繋いでくれて、ありがとうございました!!」


ユウの言葉を背に、須藤は満足そうに微笑んで、控え室を後にした。




レナは、控え室でリサの作ってくれたウエディングドレスに身を包み、鏡に映る自分の姿を見つめていた。


(自分じゃないみたい…。)


ショーの時にもウエディングドレスは着たはずなのに、今日は愛するユウのためにこのドレスを着たのだと思うと、それだけで感慨深い。


「素敵ですね…。長いことこの仕事させてもらってますけど、こんなに素敵な花嫁さんは、今まで見たことありませんよ。」


花嫁の着付け係の年配の女性が、まるで娘を見るような優しい眼差しでレナを見つめる。


「ありがとうございます…。」


レナは少し照れながらお礼を言う。


「お式までもう少しお時間がありますから、あまり緊張なさらずリラックスして下さいね。」


「ハイ…。」


(リラックスしてと言われても…。やっぱり緊張するなぁ…。)



人生で最初で最後の結婚式。


1年前は、ユウとはもう2度と会えないと思っていた。


それから須藤に背中を押され、ニューヨークから日本へ戻り、ユウとお互いの気持ちを確かめ合うことができた。


ユウには言ったことがなかったけど、一緒に暮らし始めて少し経った頃から、ユウとの結婚を淡く夢見ていた。


世間であらぬ噂を立てられ、一度はユウの気持ちがわからなくなり離れてしまったけど、もう一度ユウの元へ戻り、二人でいられるなら結婚はできなくてもいいと、あきらめてもいた。


(ユウと離ればなれになったり、再会してからもいろいろあったけど、私はユウと結婚して…今日、ユウのためにこのドレスを着て…ユウと生涯添い遂げるって…幸せになるって、神様の前で誓うんだ…。)


まだユウを好きだと気付いていなかった遠い日のできごとも、ユウの帰りを待ち続けた長い日々も、ユウと再会してからの苦くて切なかった時間も、すべてが今に繋がっている。


(ユウに会えて、本当に良かった…。)




それから二人は、大切な人たちに見守られながら、リサの作ってくれた衣装を身に纏い、ステンドグラスから射し込む柔らかな日差しの中で、これから一生愛し合い、助け合い、添い遂げることを神様に誓った。


結婚指輪をお互いの指にはめると、神父に促され、そっと誓いのキスを交わした。


(私たち、本当の夫婦になれたんだ…。)



その後、仲の良い友人や、日頃お世話になっている人たちを招いたパーティーが開かれた。


招待客の中には、サトシとその家族の姿もあった。


「アリシアちゃん、前のテレビの時より、今日の方がもっとキレイ。」


ユイが興奮気味にレナに花束を渡す。


「本当?嬉しいな。」


「うん。今日はユウお兄ちゃんもカッコいいね。アリシアちゃんが幸せそうなのは、やっぱりお兄ちゃんが一緒だから?」


ユイの言葉に、レナは幸せそうに微笑んだ。


「うん、そうだよ。お姉ちゃんね、ユウお兄ちゃんのお嫁さんになったの。」


「ユウお兄ちゃんに、結婚式に呼んでねってお願いしておいて良かった!!」


ユイは満面の笑みで、母親の元へ戻る。


「そんなことお願いされてたの?」


レナがユウの方を見て微笑む。


「夢見る小さなお友達との約束は、ちゃんと守ろうと思って。」


ユウは小さく笑って、席から手を振るユイに手を振り返した。


(あの子との約束も、オレを後押ししてくれたんだから、感謝しないとな…。)



高校時代のバンド仲間が、ステージからユウを呼ぶ。


「あの曲、やろうよ。」


「あの曲?」


ユウがどの曲かと首をかしげる。


「あれだよ、オレたち、練習してきたんだ。文化祭の時の…ユウの渾身のラブソング!!ユウ、覚えてんだろ?」


「えぇっ?!」


(1年前のライブでも歌詞変えて歌ったし、覚えてるけど…。)


レナに想いを伝えることができなかった遠い日の、その想いを込めて作ったラブソング。


「オレたち、この曲、ユウの高梨への告白だって気付いてたし。」


「えっ?!そうなのか?!」


ユウは真っ赤な顔でうつむく。


「さぁ、久し振りにやるか!!」


仲間がユウの背中を押してステージに連れ出すと、サトシがマイクを持って話し始める。


「ユウ、高梨、結婚おめでとう!!二人は昔からずっと仲が良くて、端から見たらラブラブのカップルにしか見えないのに、頑なに幼なじみだと言い張るので、高校時代の同級生だったオレたちは、いつになったら二人はくっつくのかと、ヤキモキして見てました。」


サトシの言葉に、会場がどっと沸いた。


「サトシ、余計なこと言うな!!」


ユウが照れて真っ赤になりながら、サトシをたしなめる。


「この曲は高校2年の文化祭の日に演奏した、ユウの高梨への渾身のラブソングです。」


「サトシ、勘弁してくれ…。」


恥ずかしさのあまり泣きそうなユウの呟きに、また会場がどっと沸く。


「“そして今日も、君を想う”」




『そして今日も、君を想う』


気が付けば いつも 僕の隣には 君がいた


なにげない会話 穏やかな時間(とき)


安心しきった 君の笑顔


飾らない君 ただ 愛しくて




ずっとこのまま いられるのなら


二人 一緒に いられるのなら


僕の瞳に映る君が


ずっと笑っていてくれるなら




いつも君のそばにいるよ


僕だけが知る 君の素顔


ずっと守っていたいから



いつも君のそばにいるよ


僕だけが知る君の笑顔


ずっと守っていたいから




気が付けば いつも 僕の心には 君がいた


君を想うと ただ 切なくて


君が笑うと ただ 嬉しくて


いつも 心は 君で溢れる




僕の想いを伝えられたら


ずっと隣に いられるのかな


君の心に 映る僕は


うまく 笑えているだろうか?




ずっと 君を見つめていた


素直な気持ち 伝えられず


君を 失くすのが怖くて



ずっと 僕のそばにいてよ


素顔の僕を 君にだけは


もっと わかってほしいから



そして今日も、君を想う


切ない想い 胸に抱いて


無邪気に笑う 君を想う



僕は今日も、君を想う


伝えられない 想い抱いて


そして今日も、君を想う





「ユウ、ずっと大事にしてきた想いが伝わって良かったな!!二人で幸せになれよ!!」


サトシがユウに向かって親指を立てる。


「ありがとう…。」


「大好きだった幼なじみを嫁さんにできて幸せだな!!大事にしろよ!!」


「うん…。」


「高梨のあんな幸せそうな顔、初めて見たぞ!!泣かせるなよ!!」


「うん。絶対に。」


仲間から声をかけられ、ユウは照れながらも嬉しそうにうなずいた。


「ユウ、レナちゃん、結婚おめでとう。これからいろいろあると思うけど、一方的に相手を想うばっかりじゃなくて、苦しい時ほど、お互いちゃんと気持ちを伝えて、二人で乗り越えて行けよ、夫婦なんだから。」


シンヤの言葉は、ユウの心にずっしりと重く響いた。


「うん…シンちゃん…ありがとな…。」


遠い日にユウの作ったレナへのラブソングは、会場を温かく包んだ。


「1年前のライブでも聞いたね。あの時は片桐の後悔とか、レナを傷付けたけど、やっぱり好きで仕方ないから離したくないって歌だったけど。」


「うん、あの時はね…なんだかわからないけど切なくて哀しくて…本当はずっとそばにいたいって思ったの…。」


マユがレナのグラスにシャンパンを注ぐ。


「でも元々は、自分の想いが伝えられなくてもずっとそばでレナを想い続けるって歌だったんだ。昔から片桐は隣でずっとレナを優しい目で見てたもんね。」


「高校の文化祭で聞いた時は、これがユウの作った曲だなんて知らなかったし、気付かなかったけど…この曲、温かくて優しい何かに包まれるみたいで、好きだと思ったの。何かに似てるって…。」


「それって…。」


「うん、今わかった。ユウに似てたんだ。」


「似てるって言うか片桐そのものだったね。」


「うん…。だから、好きだと思ったのかも。」


「レナは昔から鈍過ぎ。片桐の気持ちに気付いてなかったのなんてレナだけだよ。ついでにレナ自身の気持ちにもね。」


「えっ…そうなの?」


その後、二人がお色直しを終え再び会場に戻ると、パーティーの第二部が幕を開けた。


深い赤のドレスを着たレナを見て、ユウは愛しげに目を細める。


「レナ、キレイだな。ウエディングドレスも、すごくキレイだった。やっぱりリサさんにお願いして良かったな。」


「うん。ユウもカッコいいね。」


「ありがと…。」


「ねぇユウ、さっきの歌…。」


「あー、もうその話は…。」


ユウは恥ずかしそうに首を横に振る。


そんなユウを見て、レナはふふっと笑った。


「嬉しかったよ…すごく。」


「…うん。」


二人は顔を見合わせて小さく笑った。



そんな二人を少し離れた席から、リサと須藤が見つめていた。


「レナ、幸せそうね。」


「そうですね…。本当に良かった。」


「須藤さん、ごめんなさいね。」


「謝らなきゃいけないのはオレの方です。結婚しようなんて言っておいて、結局はレナを幸せにできずに一人で日本へ帰らせたんですから。本当に申し訳なかった。」


「そんなことないわ。あの子を長い間見守ってくれた上に、ちゃんと巣立たせて自分の足で歩かせてくれて…そのおかげであの子は初めて、自分から手を伸ばして、欲しいものを手に入れた…。本当にありがとう。」


「オレは何もしてませんよ?レナの力で掴んだ幸せです。さっき、式が始まる前に彼にも会いに行ってきました。」


「いい子でしょ?」


「そうですね…。まっすぐにオレの目を見て、レナを一生愛して、守って、幸せにするって言い切りましたよ。レナに、オレより彼を選んだことを絶対に後悔させないって。大したヤツです。レナが小さい頃から想い続けただけはあると思いました。これで安心してレナを任せられる…。」


どこか寂しげに、それでいてとても愛しそうにレナを見つめる須藤に、リサは微笑んだ。


「次はあなたにも、一生愛してくれる人が見つかるといいわね。それとも、もうそんな人がいるのかしら。」


「まさか。リサさんこそ、レナも嫁いだことだし、そろそろ新しい人生のパートナーでも見つけたらどうです?」


須藤の言葉に、リサはおかしそうに笑った。


「私には、亡くなった夫以上の人はいないの。これからも彼を愛し続ける。いつか天寿を全うしたら、また手を取り合って次の人生でも一緒に過ごせるようにね。」


リサは写真立ての中のケンの写真をそっと撫でて、柔らかく微笑んだ。


「ケンもきっと、レナとユウくんの姿を見て、喜んでるわね…。」




「よーし、じゃあそろそろやるか!!」


ヒロがグラスのシャンパンを煽って勢いよく立ち上がる。


「行くぜ、オレのかわいい息子たち!!」


「どこまでもついていきます、オヤジ!!」


タクミの言葉に、ヒロが顔をしかめる。


「いや、オヤジはないな。まだそんな歳でもねぇ。」


「なんすか、それ。今オレたちのこと息子って言ったじゃないすか。」


「それはそれ、これはこれだ。」



ヒロが`ALISON´のメンバーを引き連れてステージに上がると、会場は一気に沸き上がる。


「えっ?!ヒロさん?!」


いつもは自分のいるポジションにいるヒロを見て、ユウは慌てて立ち上がる。


「ユウ、今日は特別にオマエのためにオレがギター弾いてやるから、よく聴いてろよ!!」


「ハ、ハイ…。」


(ヒロさんがオレのためにだなんて…!!恐れ多過ぎて後が怖いんだけど!!)


恐縮するユウを見て笑いながら、ヒロはマイクを手に話し始める。


「ユウ、レナちゃん、結婚おめでとう。かわいい二人の門出を祝って、特別な曲をプレゼントするよ。」




『Over the Rainbow』




“あの虹を越えて行こうよ”


君が信じてやまない 夢を追いかけ


手を繋いで 二人 走り出そうか




君と二人なら どこまでも行ける


たとえつまずいて くじけそうな時も


君と二人なら どこまでも行ける


君を守るため 僕は強くなる




果てしなく広がる 空の彼方へ


どこまでも行けるよ 風をまとって


君が笑っていてくれるなら


僕はもう 何も怖れない




“この空も 高く飛べるよ”


僕が愛してやまない 君を抱きしめ


どんな時も 君を守ってゆくよ




空の果て 大きな虹を越えれば


どこまでも行けるよ 風をまとって


ずっと一緒にいられるのなら


僕はもう 何も怖くない




“この空も高く飛べるよ”


僕が愛してやまない君を抱きしめ


どんな時も 君を離さない




“どこまでも 高く…!”




“あの虹を越えて行こうよ”


君が信じてやまない夢を追いかけ




“あの虹を越えて行こうよ”


夢の翼を広げて 飛び立つのさ


明日の光 目指して Over the Rainbow





(初めて聴く曲だ…。)


ユウはレナと並んで、ヒロと`ALISON´のメンバーの演奏に耳を傾けていた。


ヒロの曲にしてはかなり明るすぎるし、`ALISON´の曲にしては随分と前向きだ。


(まぁ、こんな席だし気を遣ってくれたのかも…。ところでこれ、誰の曲だ?)


演奏が終わると会場は大きな拍手に包まれた。


ユウが、ステージを降りてきたタクミに小声で尋ねる。


「今の、誰の曲?」


「オレだよ。」


「えっ?!」


背後で突然聞こえた返事に振り返ると、そこにはヒロがユウを見下ろして立っていた。


「ヒっ、ヒロさん…!!」


「いつもユウには上から見下ろされてるからな…。たまにはデカイ男を見下ろすのもいいもんだ…。」


「上から見下ろすなんて滅相もない…!!」


(こえぇよ、ヒロさん!!)


「今の曲、ヒロさんが二人のために特別に作ってくれたんだ。今日のためにみんなで内緒で練習したんだぞー。」


「知らなかった…。」


「当たり前だろ。知ってたらサプライズになんねぇじゃねぇか。」


「おっしゃる通りです…。」


ユウとヒロのやり取りを聞きながら、レナはクスクス笑っている。


「キレイな花嫁さんだな、ユウ。」


「ハイ。オレの世界一の嫁さんです。」


「いいねぇ。そういうストレートな愛情表現、好きだぜオレは。今日のオマエ、いつもより男前だな。」


「ヒロさん、ありがとうございます!!」


「おう。幸せになれよ!!」


ヒロはユウの肩をポンと叩くと、レナに微笑みかけた。


「おめでとう。うちの末っ子、幸せにしてやって。コイツも君を一生幸せにするはずだから。」


「もちろんです。」


「頼もしいね。二人の今後が楽しみだ。な!?」


レナの返事に満足そうに笑うと、ヒロはメンバーたちに意地悪そうに笑みを向ける。


「オマエらも早くいい嫁さんもらえ。まさか末っ子が一番先に結婚するとはなぁ…。」


ヒロの言葉に最年長のハヤテが耳を塞ぐ。


「何も聞こえませーん!!」


「オレも聞こえなーい。」


「あーあーあー、オレもー。」


トモとリュウも一緒になって耳を塞ぐ。


「`ALISON´のみんなって、いくつ?」


レナがユウに尋ねる。


「ハヤテ33だろ?トモとリュウが32で、タクミが30?」


ユウが隣にいたタクミに話しかける。


「そう。ユウと同じ年の1月生まれ。学年で言えばひとつ上。シンヤくんと同じ。」


「ホントだ。ユウ、末っ子だね。」


「ユウ、もっとお兄ちゃんたちに甘えてもいいんだよ?」


「なんだそれ…。」


ユウはそう言いつつも、少し嬉しそうだった。



美味しい食事とシャンパンをいただきながら、友人たちやお互いの職場の人たちからのお祝いの言葉、デコレーションしたウェディングケーキにみんなで果物やチョコなどのトッピングをして完成させて写真撮影をした後のケーキ入刀、カラオケでのお祝いの歌など、パーティーは和やかに進んだ。


そこには二人を心から祝福してくれるみんなの温かな笑顔があって、ユウとレナは、とても幸せな気持ちでいっぱいになった。



パーティーもお開きに近付いてきた頃。



「そろそろ真打ち登場かな!世界一幸せな新郎さん、前にどうぞ。」


マイクを持ったタクミが呼び掛けると、ユウは緊張の面持ちで立ち上がる。


「ユウ?」


レナが不思議そうにユウを見る。


「うん…ちょっと、行ってくる…。」


「いってらっしゃい…?」


レナは訳もわからずユウを送り出した。


「照れ屋なユウの愛の誓いです。最後まで見届けてやって。」


「タクミ…!」


「いいじゃん、ホントのことでしょ?」


ユウはギターを手にマイクの前に立つと静かに話し始める。


「皆さん、今日は僕たち二人のために、ありがとうございます。こんなに温かく祝福してもらえて、本当に嬉しく思ってます…。」


ユウは言葉を選びながら、出席してくれたみんなにお礼を述べる。


「先月14日、子供の頃からずっと好きだったレナと入籍しました。今日、ここで彼女のお母さんの作ってくれた衣装を着させてもらって…大切な家族や、いつも支えてくれた人たちの前で結婚式を挙げて…皆さんに祝福されて、オレは本当に幸せ者だと、思ってます…。」


ポツリポツリと話すユウの言葉に、会場のみんなは静かに聞き入っている。


「レナにはこれまで、いろいろと寂しい思いもつらい思いもさせてしまったけど…これからは一生全力で彼女を守って、必ず幸せにします。いつもまっすぐに想ってくれて、どんなことも二人なら乗り越えられると教えてくれた彼女にこの曲を贈ります…“君と僕を繋ぐもの”」



『君と僕を繋ぐもの』



幼い頃は 僕たち二人


何をするのも 一緒だったね


君に笑って欲しくて僕は


いつも必死で 君を守った




甘く 切なく 苦い 君への


想いを 伝えられないままに


君を傷付け 逃げ出した僕を


君は変わらず 待っていてくれた




君と離れて過ごした時間


君を想った切ない日々が


また僕たちを繋いでくれた


もう離さない 愛しい君を




たくさんの愛に 包まれながら


僕たち ここまで 歩いてきたんだ


これからは僕の命をかけて


君を愛して 守り続ける




夢の中でもいいから君に


会いたいと願った長い夜


もう会えないと思った君と


再び出会えた 奇跡のような日




いくつもの涙 乗り越えてきた


君と一緒に歩いて行こう


これからも僕は命の限り


君を愛して 守り続ける




僕はこの手を もう離さない


ずっと二人で歩いて行こう


君と僕を繋ぐものすべて


僕のこの手で守り続ける




笑った君も 怒った君も


君のすべてを 愛しく思う


君の願い 叶えたいから


約束するよ もう離さない






優しいユウのギターの音色に乗せて、ユウの甘く掠れた声が、レナへの想いを紡ぐ。


(ユウ…ありがとう…。)


レナの瞳に涙が浮かぶ。


「レナ、幸せになろうな。」


演奏を終えたユウがレナに向かって呟いた。


「ハイ…。」


レナは涙を流しながら幸せそうに微笑んだ。


ステージを降りて戻ってきたユウの手を、レナはそっと握った。


「ユウ…ありがとう…。私、幸せだよ…。」


ユウは優しく笑うとレナの手を握り返した。


「オレも幸せ。これから二人でもっと幸せになろうな。」


「うん…。ずっと、一緒だね。」


「うん、もう絶対に離さない。」


二人は微笑み合って、繋いだ指を絡めた。


二人の左手の薬指には、結婚指輪が光る。


「あーっ、二人の世界だ!!」


タクミが大声で叫んだ。


「えぇっ?!」


ユウとレナは手を繋いだまま慌てて立ち上がる。


「ホント仲良しだなぁ。みんなの前で誓いのキス、行ってみよう!!」


「えぇっ?!」


「いや、それは…。」


会場からキスコールがかかると、ユウは観念したようにため息をついた。


「そういうことらしい…レナ、いい?」


「えぇっ…。」


ユウはレナの肩に手を置いて自分に向かい合わせると、指でそっとレナの顎を持ち上げた。


レナが真っ赤になってドキドキしながら目を閉じると、レナの柔らかい唇に、ユウの唇がそっと触れた。


その瞬間会場から、ワッと大歓声が上がる。


「おめでとう!!」


「幸せにな!」



みんなからの祝福を受け、二人は恥ずかしそうにうつむいて、またそっと手を繋いだ。


二人で歩く未来に思いを馳せながら、ユウとレナは見つめ合って幸せそうに微笑んだ。



二人の日々は、まだ始まったばかり。


どんなことも二人ならきっと乗り越えられる。


これから繋がるすべてを、二人で受け入れて行こうと思ったのだった。



ずっと、一緒に。







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