村が襲われて「力が欲しいか」する話
甘枝寒月
本編
むかしむかし。ずうっとむかし。あるところに、一つの村がありました。その村の人たちはとても優しく、穏やかで、人柄なる性格の持ち主でした。
村の人たちは、畑をたがやし。動物を育て。隣人を愛し。神を敬い。なごやかに生きていました。
そんなある日。村が盗賊に襲われました。彼らは、村に火をつけ、人や物を奪ったり殺したりしました。
そんな地獄の中で、ある少年は神様にすがりました。少年が神様を
その時、祠から声が聞こえました。
「——力が欲しいか?」
欲しい、と少年が答えると。その瞬間、彼は青年になりました。
青年は溢れ出る力に任せて、盗賊たちの前に行きました。
盗賊は、青年に向かって剣を振り下ろしました。ですが、青年に当たった瞬間その剣はぽっきりと折れてしまいました。
青年は、その盗賊を殴りました。そうしたら、盗賊は空高く飛び上がり、そのまま落ちてはきませんでした。
青年は、逃げる盗賊たちを全員星や染みへと変えました。
そうしてから、青年は村の人たちを捜しました。ですが、見つかったのはみんなだった人形だけでした。
彼は、泣きわめきました。
その青年は、その体が少しずつ若返っていることにも気付かず、泣き続けます。
すると、涙を吸った場所に双葉が芽生えました。
気付かず、少年は泣き続けます。
芽は、若木になりました。
幼児は、泣き続けます。
木は、立派な大木となりました。
赤ん坊は、泣き続けます。
そこには、おおきなおおきな木がそびえ立っていました。
次の瞬間、ぽんと音がするとそこには誰もいなくなってしまいました。
ですが。木に果実がつき、それが地面に落ちると。
そこから人が出てきました。
その人たちは、村の人たちが生まれ変わった姿でした。
彼らは、その子供に、その木に感謝すると。村をまた作り始めました。
彼のために。
国中どこからでも見える、大きな木。それを守る、エルフたち。
これは、彼らの物語。
村が襲われて「力が欲しいか」する話 甘枝寒月 @AmaeRuna
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