☆テーヌ川 白いドレスの女性と妖精



       ☆テーヌ川 白いドレスの女性と妖精☆



ニーモ 「うわあ、これがソーラーのみている景色なのねえ。」


体から光を発しながらすいすいと宙をとびまわる。


あたりは太陽にまぶしく照らされており


うっすらと朝霧がただよっている。


その朝霧の中に広大なテーヌ川が浮びあがっているのがみえる。


蒸気船がゆっくりと川をのぼってくる。


うねる風に身をのせて


ものすごい勢いで蒸気船を


ひらりとかわすニーモ


ニーモ 「ひゃっほー。 気持ちいいー」


羽をぱたぱたさせる。


ニーモ 「ふふふ 、またたのしい遊び場がひとつ増えちゃった。


ここはいいところね。」


にこにこしながら味をしめる妖精。


ニーモ 「さてっと。ソーラーはどこにいるかな。」


あたりをゆっくり見渡す妖精。


ニーモ 「う~ん、こっちのほうかな~。」


風に気持ちよさそうに流されながら


テーヌ川の川岸へとちかづく。


川岸から土手まではきれいな緑の芝生が植えられているのがみえる。


その土手に白い人影が歩いているのがみえる。


ニーモ 「あら、誰かしら?」


興味をもった妖精がついっと引き寄せられる。


川土手の上空まで飛んでくると、


むこうから白いドレスをきた女の人が


白い日傘をくるくる手でまわしながら


こちらにむかって歩いてきている。


その姿からは楽しそうな雰囲気がつたわってくる。


ニーモ 「たのしそうね。なんか気になっちゃうな。


うふふふふ」


興味をもった妖精がすっとそちらへとんでいく。


女性の居る土手まで勢いよくおりるとややはなれた位置に


正面にきれいな女性の姿を捉えることができる。


白い日傘をさしたゆるやかに流れる金髪の青い瞳の女性。


妖精はその姿をみとめると嬉しくなり


その女性にむかって一直線に一気に間合いをつめる。


ニーモ 「ん?」


その女性と不意に目が合う。


しっかりとみつめあう二人。


ニーモ 「あ、あわわわわ。」


白いドレスの女性   「 わわっ。」


ニーモ 「あわわわ。」


白いドレスの女性に気をとられて


勢いがつきすぎていたニーモはブレーキがかかるのがおくれる。



ぽふっ


白いドレスの女性におもわずぶつかってしまう。


白いドレスの女性 「わわっ」


次の瞬間には、


白いドレスの女性の手のひらのなかには妖精がおさまっていた。




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