第2話
第2話
「おいおい、どこだよここ...」
俺がさっきまでいたのって孤島じゃなかったか?
しかも小さいからすぐに海を見渡せるほどの小さな島だった気がするんだが、どう考えてもここは-----
「森、だよなぁ」
ほんの一瞬、眩しいと思って目を瞑ったらいきなり森になっていた。
「考えても仕方ない。取り敢えずマップを開いて現在位置を確認するか」
「メニュー世界マップ」
別に言わなくてもいいのだが普段この言葉を言うと、世界地図を載せたマップが目の前に現れるはずだが...
「マップ!」
いくら待っても出てこない。
いや、出ては来たが周囲の部分しか確認できず、マップを縮小して確認しようとしたらプレイヤーを示すマークしかなく後は黒く塗られた部分--
つまり、マッピングしてないという意味を指している部分を俺がいる近辺を除いて、全部が黒く塗られていた。
「はぁ、システムバグか?何か最近多いな」
システムバグと思うのも普通である。
なにせこの四年で大概の部分を四年かけて回った俺は確かにまわっていない部分があったとしても、ここまでマッピングしていない覚えは無いからだ。
これを機に辞めることにしよう。
そう思い、俺はログアウトをしようとするが...
「は?ログアウト画面が無い...」
「おいおい嘘だろ何で今日に限って...今日は4時から大事な仕事なのに....」
まぁブラックさんのお手伝い程度だけどな!と訳もなく喚いてしまった。
次に俺は運営会社に連絡を取ってみたが
「繋がらない...か」
はっきり言って仕舞えばクソゲーだ。
そう思っていた俺だがある記憶がふと蘇る。
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「モンスター名がイセカイって...しかもLv1だし」
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「いやいや、まさかな」
異世界とかそんなはずが無い、でもそう結論付けてしまった方が納得もできた。
「じゃあ取り敢えずだ、今はここが異世界だと仮定してこれからどうする?まず、ここはどこだ?」
取り敢えず状況の確認をしよう。
1、今は、森の中にいる。
2、取り敢えず、今日の寝床を探すか寝床を作る。
3、食料調達をしなければならない。
4、もしここがFWOの世界だとしたらゲーム通りの強さなのかを調べないといけない。
5、他に巻き込まれたプレイヤーがいないかを調べる必要がある。
6、現地人と接触した場合言葉が通じるか
1は置いておくとして2は、雨宿りが出来るところなら何でもいい。出来れば町を見つけたい。3、4、5は、これは絶対に調べる必要があるだろう。
6に至っては、すぐにでも分かるだろうから保留だ。
まず俺はメニューを開いたステータス、ショップ、オプション、マップと大まかに別れていたがオプション画面は最初からなかったかの様に消えていた。
それはもう仕方がないと割り切った俺は取り敢えずショップを開いた。
「ショップは...よかったぁ使える」
これで、食料はショップで買えばいいから安心だ。
そうなればこっちのもんだ!
ショップのメニューには武器、建物、乗り物、能力、食事、日用品、服、アクセサリー、漫画やゲームなどの娯楽品まである。
現状を見るうちにふと気づく、"弱くなっている"と----
「ステータス画面を見てもやっぱり変わらないか...」
今俺のレベルは悲しきかなLv1である。
そんな訳で、今装備ができるのは、コンバットナイフとベレッタM92だけだ。
詳細に言えば所持品の中での話だが。
元々部隊のギルドホームに所持品を置いてあったのだ。誰もこんな事を予想できるはずがない。
装備内容を説明するとまずコンバットナイフは、名前に書いてあるように軍がよく使うようなナイフである。
特にこのナイフは優れた機能性と何よりも高いデザイン性が売りで、何よりも俺のナイフの刀身は黒いのだ。それにしては、目立った感じはなく逆に洗練された色と言ってもいいほど美しさを感じられるものであり-----
おっと、次はベレッタM92の説明だ。
ベレッタM92は軍や警察などが主に使う銃であり、弾丸15+1発を込めることが出来る。作動方式はダブルアクションである。以上!
この装備はレベル制限がなく、Lv100ぐらいのモンスターならば、1〜2撃程でモンスターを軽くあしらうことが出来る。
実際は俺のエンチャントで強化させたからなのだが...
その二つの武器をショップでカスタマイズしコンバットナイフをベレッタの銃剣になる様に加工する。
心許ないのでM18スモークグレネードを二つ買う。
因みにM67破片手榴弾やth3焼夷手榴弾などの殺傷を目的とするグレネードはLV5からなので買えない。
もう一つ銃を買おうかとも思ったが元々あった武器はエンチャントで強くしてあるので強さにバランスが取れないため断念した。
思えば1番威力の低い銃をよく、そこそこの強さまで持って行ったな俺。
次に服装だ。
ここに来るまでに着ていた、ちょっとかっこいい軍服が黒のパーカーに中は迷彩柄のTシャツ下は灰色のスウェットパンツと、山の中でいる服装ではない。
なので俺の部隊K.O.T.S.が着る制服に着替え一応部隊の中でも上の奴しか付けてないガスマスクをつけた。
ガスマスクは暗殺部隊のマスクと同じスキルをつけている。強いて言うならば『威圧』のスキルが付与されているぐらいだ。
「まぁ、装備はここら辺の強さを確認しないとどれだけ強いかわからんしなぁ」
そして最後の確認が
「俺の部下ちゃんといるのかなぁ、はぁ」
そう、このゲームで培った四年分の結晶と言ってもいいほどである配下だ。
NPCである彼等の位置の確認の仕方は簡単で、マップ画面の中にある所在地確認ボタンをポチッと押せばいいだけである。
目を閉じて祈る。
「お願い!いてくれ〜!」
勇気を振り絞ってポチッとボタンを押してみる。
「はぁ、いないのかぁ」
そこには緑色に点滅する自分の所有NPCを表すマークがあるはずだった。しかし現実はそう甘くなかった。
「うーんこれからどうするかなぁ」
取り敢えず、ショップを開く。
「取り敢えず偵察機飛ばすかぁ」
偵察機はショップで決して安くない、というか一番安いので中級者がフル装備を買った時にかかるお金と同じくらいなのだ。
まぁ俺にはそんな金額端た金程度だけどな!
と、誰もいない森で虚しく言いつつも
クローク、NVモード、CCDカメラ、対人ライフル搭載。
付属にHMD、タッチパッド型コントローラーが付いているドローンを買った。
「はぁ、手塩をかけて育てた部下がいないってのは辛いよなぁ。取り敢えず、近くに町があるか見てみようかな」
そんなことを言いつつも早速、ガスマスクを外しHMDを頭につけ、ドローンを迷彩モードにし飛ばした。
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