異世界に来たので配下作って軍隊でも作ろうと思う
@Sakusika
第1話
第1話
FWOの世界に転生した俺
××××年、日本がVRシステムを軍事目的から民間にも手をつけるようになった時代
世界のゲーム機はTVゲームではなくVRシステムを導入した体感型ゲームが主流となりつつあった。
勿論そんな大層なものをゲーム好きが見逃すはずはなく、発売当日でどこの店にも体感型ゲームを可能にする『reitioncarnan』はすぐに売り切れてしまった。
レイションカーナンという変な名前のゲーム機ではあったが、当時ゲーム機と同時に発売された全年齢対象のアニメゲームソフトは絶大な人気を獲得した。
その後、注目を集めたのは『Free the World Online 』通称 FWOフォー
は、その名の通り圧倒的な自由度を誇るゲームソフトで、建国し、国王になる事も、NPCを超える鍛冶職人にもなれた。
その圧倒的な自由度が売りで、ゲームファンはまだ売られていなかった頃にもかかわらずネット上で何をするかなどの今となってはどうでもいいことがよく掲示板などに載っていた。
話は変わるが、俺 市ヶ谷和人いちがやかずと
は真っ先にFWOを買った人物の内の1人である。
詳しく言わなかったが、レイションカーナンを発売当日に買ったのは、FWOのβテスト開始日でもあったからだ。
俺は運良くFWOのβテストの抽選に当たった為、真っ先にFWOの魅力に浸かっていた。
βテストの期間は半年で、期間が終わった半年後に発売する予定だった。
FWOは期待を裏切らずβテスト終了を迎えた後の半年間はゲームを買ったら最初は何をするかで頭がいっぱいだった。
その半年も何をするかと仕事の時間以外では、朝昼晩問わず暇さえあれば考えていたので意外と時間が経つのも早かった。
そんな中俺が選んだのは軍を持つことだ。βテストの時に100〜200人のどっかの国の正規軍を従わせた時があった。
最初は思い通りに動いてくれなかったものの三ヶ月もすれば、慣れてくるものである。半年の内の大半の時間を指揮官として過ごしたが、自分の軍を持っていない事に寂しさを感じる程楽しかった。
そんな思いもあった為正規のゲーム配信開始にはキャラクターメイキングをさっさと終わらし、スキルはその分時間を掛けて選んだ。
まずは、『人物創造』のスキルだけだったが時も経つうちに俺は、FWOの中でもトップを誇るレベルと、スキル保持量を取得していた。
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「.....ふぅ、後は結果を待つだけだな」
俺は、自分の軍の作戦行動を見ているのに夢中だった。
普段はAuto Mission Complete Mode 通称 AMCMアムカムモードにさせてFWOの世界の金であるセロンを自分の配下を使って稼いでいた。
しかし、先日一通のメールが俺に届けられてきた。
何かの広告メールだと思ってもついつい開けてしまったメールにはこう書かれてあった。
カズト様へ
貴殿は、特別なミッションを行う事ができる資格を得ました。
このミッションは受けるも受けないも自由ですが、受けてミッションに成功した暁には貴方にとって素晴らしい褒美が待っています。
では、御機嫌よう。
@#gl4々2+→*「〆より
正直に言うと、気味が悪かった。
このFWOの世界において凄いと評価を下されていたのはバグがなかったことである。
これは、FWOが発売された後に発売されたゲームにも頻繁というレベルではないがあったのだ。
だがFWOは違った。
配信開始から4年経った今もバグを俺は見ていない。少なくともこの手紙が届くまでは。
話を変えよう。俺の軍は軍と呼べるものでは無い。
軍といえば国がある事は当たり前なのだが俺は国など持っていない。
この世界FWOにも自由度はあるが全てできるというわけでは無い。
例えば、NPCとの会話だ。
NPCは、プログラムに書かれたことしか話さず当時開発途中だったAIの導入は無理だった為、後々発売されたAIを導入したゲームに人気を掻っ攫われた程だ。
一応奴隷NPCに指示することは出来たが、これはコマンドを選択してから指示を出すものだったので色々と不便だった。
しかし現実とは違い順序を踏まえなくてもできる事がある。それが俺のような、国も立てずに擬似的な軍隊を持っている事だ。
やり方は簡単でゲーム開始の時、始めのキャラクターメイキングで何でも良いからスキルを1つ獲得出来るシステムがあった。
その時に俺は『人物創造』スキルを手に入れ、100人程創造し、召喚した。
しかしやる事は簡単なのだが人物設定をする時に1〜2時間かかり、しかもその後は召喚中という事でゲームを起動した状態で何もしないという事を30分ほど待ち続けなければならなかった。その為大変時間がかかり、プレイヤーにはとても不人気だった。
それでも俺は、早く軍隊を作りたかった為『人物創造』スキルを手に入れたが、100人程召喚すると作業ゲー化となり、110人になった所で『人物創造』スキルは一切使っていない。
しかしこの『人物創造』スキルにもメリットはあった。
この世界の職業---ジョブを自分で選ぶことが出来る事、性別、名前、顔立ち、性格、種族などを好きに作る事ができた事だ。
『人物創造』スキルは新しいNPCを作る事ともはや同じ事だった。
そして、俺が110人に共通して組み込ませたのが『絶対忠誠』と、『隠蔽』スキルだ。
『絶対忠誠』はその名の通り創造主に対して絶対の忠誠を誓うスキルだ。
強制しているようで心苦しいが戦略ゲーをやった事がある人なら分かるだろう。
僅かな数の兵士が作戦通りにいかなかったら、多大な犠牲が出る事もあるのだ。その為に俺は入れた。
次に『隠蔽』スキルだ。
『隠蔽』スキルは簡単に言ってしまえば、今は俺が作った軍の関係上といっておこう。
俺にはスキル以外にも共通させたものはある。
それは、武器だ。
別に、鉄の剣を揃えたというわけでは無い。種類を変えたのだ。
FWOの世界は中世レベルの文化という設定だった。
そこは剣と魔法の世界で、俺が欲しかった『銃』という種類は無かった。
その為俺はプレイヤーショップの中から銃を買い、配下たちに渡した。
銃は決して安くなく、安いものは15,000セロン高いものは剣の中で1番値段の高いミスリルの剣を2つか3つ程買えるレベルだった。
※ミスリルの剣は、だいたい1つ5,000,00セロン程である。
そして、時間はかかったがある程度のレベルまでの銃を配下全員に行き渡るレベルに達し、俺の夢は近づいてきた。
もう分かるかもしれないが、軍の中でも精鋭だけを集める特殊部隊を創ろうと考えているのだ。
始めの目的は軍創設だったのだが、俺がお世話になっていたブラックさんが何処かの特殊部隊だったという影響もあるだろう。
まぁそんなこんなもあって、特殊部隊を創設しようと頑張っていくうちに巨万の富と、Lv300というレベルまで達してしまった、しかもこれを俺1人で。
おっと、ぼっちとか言わないでくれよ?
仕事と言えどブラックさんのお手伝い程度だがその割には月の給料は贅沢しても大丈夫なくらいの給料だった。
それに家に引きこもっても出来た仕事だしそもそも事務所的な場所自体ない。
まぁそんなこんなで特殊部隊を創設した俺の元にメールが届くのは、満足のいく結果を出しそこそこ飽きてきたところだった。
メールを見て気味が悪かったこれはさっきも言った通りだ。
しかし、面白そうと思ったのも事実である。
現実の俺は22で、正直これに飽きたらどのゲームを買おうか、それとも他の趣味にでも没頭しようかと迷ってもいた。
まぁ、実際受けたのだがこのミッションが中々おかしい内容だった。
ミッションの内容が とある孤島にいるモンスターをプレイヤーと、そのプレイヤーが所持しているNPC全てと一緒に狩るというミッションだった。
そんな訳で俺は今孤島の端の丘に小さな拠点を置いて110人が武装完了するのを待つ。
俺の部隊にはランク付けをしている訳ではないが通常の精鋭100人と精鋭中の精鋭である10人を分けている。
分け方は仮面にあり
まず普通の兵50人には、それぞれのステータスにあった武器を配った。
仮面は真っ黒で、目の様な形をしている部分はあったけど肝心の目元部分の穴、そして鼻の様な形をしている部分はあったけどこれも空気を吸う鼻の部分の穴がなかった。
言うならばヴェネチアマスクの穴が空いてないものに派手じゃなくなって、それを顔全体で覆い隠すものといえば分かるだろうか?
他に特徴といえば口の形が違うというところだ。これは後で話そう。
何故、ものを見る目の部分、そして空気を吸う鼻の部分の穴を開けなかったのか。
想像してみよう目が開いている様子はない。そして空気を吸っている様な様子はない。
そんな奴が目の前に立っている姿を。そう恐怖を生み出すことだ。勿論、そのマスクを被っている奴が本当に見えない訳ではないし吸っていない訳ではない。
スキルの一つである『エンチャント(スキル)』、まぁ要するにエンチャント魔法でマスクに『透視』、『夜目』そして蒸れない様に通気性100パーセントにする『ブリザビリティ』。
そして、マスクをつけたもの同士で話が出来る...まぁそのスキル自体を持っている人自体はマスクを持ってなくても話せるが『コレスポンデンス』といったスキルを付与した。
勿論、『夜目』と『コレスポンデンス』のスキルは任意でオンオフできる様にしてある。
そして、口の形が違うのは仮面をつける奴のそれぞれの特性...というよりは所属させている部隊を見分けるためだ。
例えば、突撃や強襲に向いてるものならば口の形は怒った口で、斥候に向いてるならば笑っているような口の形などだ。
次に服は、黒をベースとした軍服で、全員がフード付きだ。
そして服には、耐熱性や耐寒性、衝撃耐性、貫通耐性、毒ガス除去などの効果があるスキルを付与した。
最後の50人は主に暗殺や狙撃などの隠密を主とする部隊でこちらは先ほどのマスクに全員が無表情を指す口の仮面をつけ服装は通常兵よりも軽装の制服だが、先ほどの制服についているスキルに静音性、環境に合わせられるように、あるいは姿を見られないように服の色を変えたり、自分自身が見えなくなることが出来る『クローク』を付与した。勿論フード付きだ。
最後の10人は近衛部隊で、俺はK.O.T.S.まぁ俺の近衛部隊全員が同じ服装をしているわけではなく
特にステータスが高いやつらを選んで、それにあった服装を着けさせた。
勿論仮面も全然違う、というよりは全員がガスマスクだ。
言うまでもなくプレイヤーショップで買ったのだが馬鹿にならない金が飛んだ。
言って仕舞えば只の趣味、それでもここでしか特殊部隊っぽい雰囲気を間近で味わう事が出来なかったので買えてよかったと思っている。
まぁ説明はここら辺でいいだろう。そんな訳で俺たちは今孤島にいる。
ミッション内容がふざけていると思っても抜かりなく最強装備で行った。
「何だかなぁ、モンスターまでふざけた物だとは思わなかった」
ハンティング対象であるモンスターの名前が、今までに聞いた事が無い上に物凄く弱そう---いや、ステータス的にも弱いモンスターだった。
「モンスター名がイセカイって...しかもLv1だし」
しかし俺の部隊は、これでも負けなしの部隊でもある為Lv1のモンスターに負けました----何て事になっても嫌な為、全力でかかることにした。
強襲班、あのモンスターを囲め!狙撃班は航空部隊と共にヘリに乗り上空待機!諜報班は弱点を探せ!----
と言っても通じないのがリアル感にかけると思いつつも一応コマンドには戦えというのがある為------
「はぁ、リアル感が全く無いよなこういう時が...全員"戦え"」
瞬間、ドドドッ!という音が満遍なく聞こえ---
「グオォォォォオオアア!」
という声が聞こえたと思ったら、
「ん?メールがきてるな-----えーっとミッションクリアおめでとうございます。貴方は、今日からこの世界をリアルとして生きていく事ができます。------何だそりゃ、どこのラノベだよ」
一瞬空全体が光った気がした。
「ん?一瞬光ったか?」
只の、システムバグそんな事を思ったのもつかの間
光が俺を包む。
「な、何だ!」
光に包まれたのは、ほんの数十秒だった。
光が消え、目を開けると
「....どこだよここ」
俺が今いるのは、先程いたはずの孤島ではなく
森の中だった。
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