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そのあと、事務所に行ってみたが凛はとっくに戻ったと言われた


(……何処行ったんだ?)


もしかしたら放送の届かない場所に行ったのではと広場も探してみるが姿は見えない

それ以外でも此処には広場の側に協会があるのでそこにいるのではと思ったが、何処にもいなかった


(他に凛が行きそうな所……何処だ……食堂?

でもそこなら確実に放送が聞こえるし、シロ達も通っているからわかるはず……)


まだこの場所を完全に把握していない凛が

行ける場所は限られてくる……それ以外だとなると……


(……………医務室か?)


ここの仕事上、怪我人がどうしたって出るので専属の医師がそれぞれの支部に振り分けられている


そして……ここの医師は腕は物凄くいいが、

過去に闇医者をしていたことのある人間だ。その闇医者時代に働いていたのが凛のいた

施設だった


(あそこなら勝手にスピーカーいじって放送が聞こえなくしてるし……凛もなついてる)


施設にいたときに誰よりも消耗の激しかった凛はよく先生の治療を受けていた。

そのため、よく医務室に呼ばれて仕事の手伝いなどをしている事がある


「束縛されるのが嫌だ」とか言って勝手にスピーカーいじったせいで直接、医務室に向かう羽目になった


(行ってみるか……)











「みーつーけーたー」


医務室に行くと、案の定凛がいた。……しかも何故か白衣を着ている


「……クロ。怪我したの?」


何故此処にいる的な目をしながら寄ってきた凛の頭を軽く掴む


「あのなぁ……凛さんよ、資料を取りに行ったはずじゃあなかったですかねぇ」


グーラグーラ揺さぶってやりながら聞くと、「あっ」と絶対忘れていたのが明確に分かる声が聞こえてきた


頭を揺さぶりながら先生の方を見ると、我関せずと言わんばかりに完全無視を決め込んでいる………ように見える


「ごめんなさい……忘れてた」


「とりあえず、呼び出しかかってるから隊長室行くぞー」


先生の事など知ったことかとそのまま部屋を出ようとしたが「待て」と静止がかかった


「まだ俺の仕事終わってないんだが……」


「緊急任務が入ってるのに一時間近く凛を待たせられて、あげくまだ拘束しようってんなら減給は覚悟した方がいいかと」


嫌みたっぷりにそう言ってやれば、「わかった」と不機嫌な声が返ってきた


「んじゃ、行くぞ凛」


「………わかった」












………これを出しにしてスピーカー元に戻させられないだろうか










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