第2話 終局のはじまり


俺は不幸な人間だった

誰も相手にしてくれず誰もが俺を避けていた

だが全ての人間が不幸になった今

俺は不幸でなくなっていた 



 第二話 『終局のはじまり』



 ズガアァ……ン……

まばゆい閃光とともに稲妻が空を割り、漆黒の空には光の軌跡を走る。

空を切り裂くような轟音が噴き荒、大地がゴトゴトと小刻みにビートを奏でる。


「オボロギ! こりゃ何かヤバそうだ、急がねぇと!」

「ああ……フツーじゃねぇな、これは!」

タケル達は、萌をさらった虫をて全速力で追った。

「それにしてもカブレ、よくビビらずについてきたな」

「ばっ、バカヤロウ! 俺様だって正直恐いさ……けどよ、飛鳥さんを助けたいんだ!

……このどうしようもない事態にジッとしてられねぇんだよ!」

カブレの神妙な顔を見詰めるタケル。

「ハン! ちったあ度胸あるじゃねぇか! それだけは認めてやるぜ!」

「ヘヘ、嬉しいねぇと言いたいところだが、恐さをとっくに通り越して感覚が麻痺してるようだ」

「それは俺も同じだ……ん?虫が降りてきた……あれは学校か!」


 タケル達は学校の校舎に近づいた。

皮肉にも、そこはタケルの通うはずの高校であった。そして驚きのあまり足を止めてしまった。

なんと、校舎の遥か上空に、ブラックホールのようなとてつもなく大きな黒い穴が開いていたのだった。


「でけぇ・・なんてでかい穴なんだ?」

「オボロギ!何か出てくるぜぞ!」

カブレの叫び声とともに、その穴の奥から巨大な戦艦が、ズズズと顔を覗かせていた。

それはひと目見て、邪悪でまがまがしいものだと直感できる異色さを放っていた。

穴の周辺からは、バチバチと電磁波のような光が、龍のように荒れ狂っていた。

その影響か、校舎の屋上付近の空間が捻じれ曲がっているように見えた。

そして、半壊した校舎の瓦礫が中を舞ってその穴に吸い込まれていった。


「なんだ!? なんなんだありゃ!?」

生まれて見る驚愕の映像。特撮やCGが陳腐に見えるほどのリアル感。

それらをタケル達は肌で感じていた。

「オボロギ! 飛鳥さんがあそこに降りたぞ!」

カブレの指差す方向、校舎の上には大きなタマゴのような物体があり、萌はそにに降ろされていた。

「なんだあれは……他にも人がいる……いや、集められているのか!」

タケルは校舎の入り口に入ると、あたりを見回して驚愕した。

「うげ、こりゃひどい……」

玄関や廊下に倒れ込んでいる生徒は、皆、口や鼻から大量の血を流して死んでいた。

中には目玉や内蔵が飛び出している者もいる。

タケルは思わず目をそむけ、頭を大きく左右にブンブンと振った。

「萌ーッ! 待ってろよーッ!」

「飛鳥さーんっ! 無事でいてください!」

ふたりは階段を全速力で駆け上がった。しかし、触手のようなコードが伸びて邪魔をする。

「なんだよ、コイツは! そうだ!」

「どうすんだよ、オボロギ!」

タケルは一度、玄関をを出ると駐輪所へと向かった。

「そうか、バイクか!」

タケルは慣れた手つきでバイクのエンジンを始動させた。

「乗れー! カブレ!」

カブレを後ろに乗せると、バイクは階段を駆け上がっていった。

階段の途中には、たくさんの生徒の死体が転がっている。

「萌! 無事でいてくれッ!……

いつも口うるさくて子供みたく泣くわ怒るわ、胸はぺッタンコで多飯喰らいでいびきがうるさいヤツ…・・・」

タケルは、萌の事を走馬灯のように思い返していた。

「それでも無事でいてくれーッ!」


バン!

屋上のドアを蹴り破ると、そこには異様な光景が展開されていた。

巨大なタマゴから生える太いパイプ。そのパイプの先から全裸の人間が何人も吸い込まれていた。

「キャーっ!!」

甲高い女の悲鳴が聞こえた。それは萌だった。

細いパイプの先から液が飛び出し、萌の服を溶かす。どうやら、萌も吸い込もうとしているのだろう。

「いた! 萌だ! させるかーッ!」

タケルはタマゴから生えているパイプを掴むと、それを思いっきり引き千切った。

「す……すげぇ……」

その人間ばなれした力に、カブレは驚いた。

「萌! 大丈夫か!?」

「タケル……恐かったよぉ……」

「ちっ……またそうやってすぐに泣きやがる。もう大丈夫だから泣くんじゃねぇっつーの」

タケルは顔を背けて、萌の頭をポンと撫でた。


 飛鳥萌・・・・

小柄で清楚なイメージの少女。つぶらな瞳が特徴的で、髪をふたつに束ね肩にたらしている。

なるほど。タケルが口うるさいと言いながらも気にしているのも頷ける。

この少女は、どこか守ってあげたくなるような魅力的な少女であった。


「まったく……それにしてもよぉ」

タケルは、萌の溶けた服の隙間から見える肌に目をやった。

萌を抱え込んだ腕からは、肌の感触が伝わり、タケルは思わず鼻の下をニッと伸ばした。

「あ、エッチ!」

萌は頬を赤く染め、照れてタケルのダンゴっ鼻を思いっきりつねった。

「イテェっ! 何すんだよ!」

「今、えっちなこと考えてたでしょ? もうっ!」

「オボロギ! 飛鳥さんにくっつくな! 離れやがれ!」

それを横で見ていたカブレは悔しくて2人を引き離そうとした。


「うるせぇな……とにかく……」

タケルは学生服を脱いで萌に被せてやり、そして、目の前の巨大なタマゴを睨んだ。

「こいつをどうしてくれようか、ぶっ潰してやるか」

「まって、この中には人が吸い込まれているのよ? そんなことして大丈夫?」

「俺に聞いてもしるかよ。吸い込まれた人間は食べられて消化されてるかもしれねぇ」

「お、おい、オボロギ。人を食べるタマゴなんて聞いたことがないぜ? ふつう逆だろ」

「もう常識なんか通じないんだよ……夢じゃねぇ、全てが現実なんだよ……」

救いようのない現実に、萌もカブレも押し黙ってしまった。


ブォウ…ヴォウンヴォウンヴオゥ!


「な、なんの音だ?!」

タケル達は空を見上げると、東と北の空からも2つの穴が新たに現れた。

「黒い穴がまた増えやがった! これじゃ三方ふさがりで逃げる場所がねぇじゃねぇか!」

そこに、上空から正体不明の大きな物体がこちらに向かって来た。

そして、こちらに近づき、巨大なタマゴを回収しようとしているようだ。

「タマゴを持っていくのか!」

「まるで、人間を吸い取って栄養にしているみたい……」

「何かが生まれるのかよ? 冗談じゃないぜ!」


ビュオオッ!

そこに、あの撫子という女の乗る輸送船が飛んで来て、タマゴを回収するのを阻止した。

タケル達は風圧で吹き飛ばされそうになった。

「みつけたぞっ! あの野郎!」

タケルはニヤリと笑い、鼻の頭を人差し指で横にこすった。

「まさかオボロギ……」

「ああ、そのまさかさ。こんなチャンスは二度とねぇ!」

「やめて、タケル!」

「カブレ、萌を連れて逃げるんだ。今なら下に降りられる」

タマゴから伸びている触手は引っ込んでいた。

「あの飛行機には撫子って女はいねぇ……だから今がチャンスなんだ」

タケルが小声でつぶやく。

「なんだとオボロギ? なぜわかるんだ?」

「なんとなくそう感じるんだ」

タケルは、何故そんな事がわかるのか自分でも不思議だった。

「カブレ!頼む!」

タケルは力強くカブレに向かって手を差し出した。

しばしの沈黙。

「オボロギ、俺はてめぇのことは大ッ嫌いだ。てめぇに殴られた恨みは忘れちゃいねぇ、

それに俺のことをカブレだと名前すらまともに覚えやしねぇ……」

「……」

タケルは黙ってカブレの顔を見詰める。

「だが! てめぇならこのどうしようもない状況を突破してくれそうな気がするぜ!」

カブレはタケルの差し出した腕をガシッと強く掴んだ。

そしてお互い顔を見合わせ、掴んだ手をさらに強く握り合った。



「タケル、約束して。ぜったいに無事でいてくれるって」

「俺が一度でも約束やぶったことあるか?」

「今日さっそく入学式サボった。あれほど言ったのに」

萌はぷぅと顔をふくらませタケルを睨んだ。

「ははっ、そうだっけ? あれは遅刻してから行こうと思ったんだ、サボりじゃねーんだよ」

タケルは頭の後ろに手をまわし視線を外してごまかした。

「絶対だよ!約束して!」

萌は不安そうな顔で哀願した。

「まかせろって! たのむぜ、カブレ!」

タケルはニッと笑い自信満々に答えた。

それを見て、カブレは何かモノ欲しそうに萌の方をチラッチラッと見た。

「あ、えと……カブレさんも頑張って下さい」

「う、うわっはーいッ! よーっしゃぁ! やったるでぇっー!」

カブレは驚くほど高くジャンプして喜んだ。

「あいつは気にすんな。頭おかしいんだよ」

タケルは萌にボソっとつぶやいた。

「飛鳥さん!ボクにしっかりつかまっていて下さい!ボクは白馬の王子になってみせます!」

「ち、まったく調子に乗りやがって!」

タケルは、調子に乗っているカブレを横目に、萌の方を振り向きポンと頭を撫でた。

「た、タケル……」

「このおまじないは、悪霊も退散しちまうぐらい良く効くからな。じゃな、萌!」

「もう! タケルったら、私は子供じゃないんだよ!」

怒った顔をしながらも、萌はタケルの後ろ姿を見守っていた。

(絶対無事で帰ってくるさ……萌……)


しかし。

皮肉にも、これが萌とのしばしの別れであることを知らずに、タケルは走り出したのだった。


タケルはバイクのセルをまわしエンジンをかけた。

目の前では、敵と交戦している輸送機が横切ろうとしていた。

「いまだああぁーッ!」

バイクは校舎の屋上から飛び上がり、丁度、輸送機の上に着地できた。

ドスン!

その衝撃でバイクは弾き飛ばされて地面に落下した。

「うおお!」

輸送機にしがみつくことができたタケル。ものすごい風圧で、今にも飛ばされそうだった。

そして、なんとか輸送機の入り口らしいハッチパネルを開け中に侵入した。


ガタン…

「ん? 今何か音がしたかな?☆ まぁいいや、気のせい気のせい」

輸送機を操縦するのは少女ひとりだけだった。しかもどうやら鈍感そうだ。

船内に少女ひとりしかいない……タケルは、何故かそれを感じ取っていたようだ。

こっそりと進入するタケル。どうやら泥棒の真似事は上手いようだ。

タケル達が侵入した場所は格納庫らしく、あの女が乗っていたようなロボットがニ機格納されていた。

「あの女のロボットはないな……」

撫子の乗っていたロボットとはちがう機体がそこにあった。

それは、厳重にロックが施されていて、他の機体とは何か違う雰囲気が漂っていた。


白いボディーに赤黒い漆塗りのような鮮やかな光沢。

鎧には装飾品が施され、両肩や膝には水晶玉がちりばめられていた。

それは煌びやかな豪華さと言うよりは、未知なる力を秘めた雰囲気を放っていた。


「……こいつは、ちがうな……フフン♪」

タケルもその機体に、何かを感じ取ったようだ。

ジッとそれを見上げているタケルは、鼻の頭をこすり何かひらめいたようだ。

「目には目を、ロボットにはロボットだ! あの女をとっちめるには、これっきゃねェぜ!」

タケルの目がメラメラと復讐の炎に燃える!


(それにしても、どうしちまったんだ俺は……

ここの入り口も、ロボットがある場所も手に取るようにわかった……妙に勘が働くぜ)

タケルは自分の中で、何かが目覚めるのを沸々と感じていた。


「ここ……」

タケルは、ロボットの胸に貼られている赤い御札に触れた。

ボオッ!バチン!ガキンッ!

すると御札は勢い良く燃え、全身に施されていたロックが音を立てて外れ、胸のハッチが開いた。

「開いた……ゲッ! なんじゃこりゃ!?」


タケルの両腕には、竜のようなアザが絡まるようにクッキリと写っていた。

しかし、いくらゴシゴシと擦っても消えなかった。

「さっきの御札をはがしたからなのか?……ええぃ! なんだか知らんがまぁいいや!」


タケルコックピットへ乗り込んだ。

コックピット内は、金色と銅色の中間のような色をしていた。

計器パネルらしきところには、青く透き通った水晶玉が埋め込まれていた。

そして、見たこともない彫刻が施されて妖しい雰囲気を醸しだしていた。


「よし、動け!」

タケルは、スイッチを適当にいじくりまわしたが、どこを押しても引いてもウンともスンともいわない。

「くっそ! どうなってんだこのオンボロが!」

ドスッ!シュィン。

タケルがシートの両脇の部分を思いっきり叩くと、その両側から金色のリングが2つ、

ジャイロのように重なって出てきた。

そのリングから淡いグリーンの光の球がポゥッと浮かび上がり、タケルの顔を照らした。

「なんだこりゃ? ひょっとしてこれが…」

タケルは右と左に浮かぶ2つの球に、それぞれの腕を突っ込んだ。

するとタケルの体に見たことのない模様が現れ、パネル類にも同じく光る模様が現れた。

「両手が熱い!……だが、か、感じる……感じるぞ! こいつのことが!」

タケルは、そのロボットと一体化する感覚を覚えたようだ。


「あーっ☆それにのっちゃだめだよぉ!☆」

船内のスピーカーから、子供のような声が聞こえた。

「その武神機、大和零式(やまと ぜろしき)は特別なんだよぉ☆!」

その声は、輸送機を操縦している少女のものらしい。

「ブシンキ?……ヤマトゼロシキだと?……ヤマト、大和か、気に入ったぜ!」

タケルは両腕を大きく広げ、それに呼応するかのように、ヤマトタケルは起き上がった。

ギシ、ギシ、ギシ……

ヤマトタケルの間接は、油の切れたような軋んだ音を立てた。

「しばらく寝かされていたって感じだな。よし、準備運動といこうぜ」

タケルは大きく息を吸って深呼吸した。そして、輸送機の発進用のハッチを開けた。

格納庫のハッチがゆっくり開くと、空には黒い大穴が顔をのぞかせた。

「あれが全てをメチャクチャにした黒い穴か。近くで見るとスゲェ迫力だぜ」

タケルの乗った大和零式はハッチへとゆっくり歩を進めた。

「だが、まずは、撫子って女を先にとっちめてやるぜ!」

(いける、いけそうな気がする……俺の思いどおりに動かせそうな気がするぜ!)

「行けーーーーーっ! 大和零式!!」

大和零式の背中の羽のような部分から青白い光が噴出し、空に向かって飛び上がった。

ガシャァン!

しかし、勢い余ってハッチの側面に激突したが、強引にそれを突き破るかのように加速した。

「こんの、野郎ーーーーーォ!」

バキバキメリッ!

ハッチを半壊させて外に飛び出した大和零式。輸送機が斜めに揺れる。

「きゃあ☆ ダメだって言っているのにぃ!☆」


ヴァシュオーーーーーッ!!


「うぐオォォォォォォッ!」

強烈な加速をしながら上昇する大和零式。タケルの体に負担が掛かる。

「……ぐぶ……ウゲェッ!」

タケルの内臓は悲鳴を上げ、胃の中の物が逆流し口から噴き出してきた。

そして、眼球の毛細血管が沸騰したように熱くなり、意識を失いそうになった。

ゲロゲロと口元を垂れる吐射物を手でぬぐいながらタケルはニヤリと薄ら笑いを浮かべる。

「え~っと、今朝の朝ご飯は何だっけ?……まぁいいや」

震える手で、自慢の大きな鼻の頭をこするタケル。

「これが……これが大和零式か! ウフ! フフフ!……フハハハァッ!!」

タケルは気が狂ったように大声で笑った。

そして、大和零式は、青白い光の尾をなびかせながら急降下していった。

キィ……イイイイィ……ン!

「ぐぶオォォォッ! たまんないぜ! この加速はッ!」

タケルの意識は後ろにすっ飛び、上下の区別がつかないような、まるで無重力に似た感覚に陥った。

(あれ?俺は今なにを……?)

そのあまりにも未体験な感覚に、タケルは一瞬、自分が何をしているのか解らなくなった。

モニター越しにまわりの背景が一瞬で移り変わり、みるみるとものすごい速さで地面が迫って来る!

視界が全て地面に変わり、あわや地面に激突する寸前!

大和零式は一回転して逆噴射し、その場にビタリと止まった。

「ふぃ~、あぶねェあぶねェ……だがよ、わかってきたぜ! コイツを操るコツがな! ハハハッ!」


その時、敵と交戦している撫子は、モニターに映る大和零式に気がついたようだ。

「あの武神機は……零式か?まさか……!」

撫子はその機体が動いていることに驚いている様子だった。


キイィン!

タケルは大和零式で、萌とカブレの前に現れた。

「きゃああ!」

「驚くなよ、萌。おれだ、タケルだよ」

「タケル……が乗っているの?ホントに」

「ああ、本当さ。それよりコイツはすげぇぞ!とんでもねぇスピードだ!ワハハ!」

「おい、オボロギ!まさかそいつであの女とやるってのか」

「カブレ、心配すんなって。俺は今、このとんでもないバケモノと一体化したんだ」

「一体化だと? どういう意味だ?」

「まぁ見てろ!」

ドシュオーーッ!

タケルの大和零式は青白いオーラを扇状に噴射し、急上昇していった。

砂煙に視界を奪われる萌とカブレ。

「あの野郎、すげぇもの手にいれたな。これならいけるかも」

「でも、何かちがう……いつものタケルじゃなかったような気がするわ……」

萌の不安は、少なからず的中していたようだ。


 タケルの乗った大和零式は、撫子の武神機の前でビタリと止まった。

撫子と交戦していた敵も、突如現れたタケルの機体に気がついて停止した。


「や、やはり、大和零式……なぜそれが動いているのだ? 搭乗者は誰だ!」

撫子は驚きのあまり動揺している。

大和零式とは、それほどまでに恐ろしいものなのだろうか?

「たしか撫子とか言ったな。てめぇ、忘れたとは言わせねぇ! さっきの仮を返してやるッ!」

「その声はさっきの……バカな、キサマは死んだはずだ」

「名乗らせてもらうぜ!俺はオボロギタケル!どっこい生きてんだよ!」

「それにそのインガウェーブ……大和零式を操るほどのインガを、貴様は持っていると言うのか!?」

「インガだと? 知るかよンなもん。だがよ、こいつと俺が一体化してる実感はあるぜ」

「一体化だと? まさか本当に貴様はメンタルコネクトしたというのか!?」

「何だか知らねぇがよ、お互いがお互いを求め合ったって感じかな、ヘヘ……」



撫子は思った。

(バカな……この私でもどうにもならなかったあの武神機を操るとは……

それに実際に動いているということは、メンタルコネクトしたという証拠……

私の攻撃で死ななかった所を見ると、奴の『インガ』を認めざるを得ないか…)


撫子は、未だ信じられない表情をしていたが、ハッと気づき辺りを見回した。

いつの間にかタケル達は、羽の生えた虫のような敵に取り囲まれてしまっていた。数にして十機。

「ん~、何だよコイツらは?」

「しまった! 零式に気を取られ過ぎていたか!」

ピシッ!ニョバッ!

突然、その敵の腹部から手足が生え、鋭く尖った手首が槍のような武器になっていた。

「撫子、どうやらてめぇとやる前に邪魔物が入ったようだな」

タケルの口元が嬉しそうにニヤリと吊り上った。

「キシキシキシ……キシュアーッ!」

そいつらは手足を小刻みにフルフルと動かし、不気味な声を出して鳴いていた。

それはまるで、タケル達をどう料理しようかと、笑いながら狙いすましているようだった。

「ハンッ!十対一のケンカなんて慣れっこだぜ!」


「まて! こいつらを侮るな! 貴様では相手にするのは無理だ!」

「うるっせぇぞ」

「それに、その武神機は、私の秋桜一式(こすもす いちしき)とは根本的に違うのだ!」

「ちがう? だと……」

「そうだ!その武神機は貴様ごときが乗りこなせる機体ではない!」

「ハン!言ってくれるねぇ。じゃあ、今、俺がこうして乗りこなしているのはどう説明するんだ?」

「くっ、それは……」

「ヘヘ、まぁてめぇは黙ってみてろや! こいつらは俺と……この大和零式がやる!」


タケルは絶対的自信ありげに言い放った。撫子はあまりの威厳に押し黙ってしまった。

(くっ・・・!なんだ、コイツの自信は?

大和零式に搭乗しているこの事実。それが奴のインガをここまで果敢にさせているのか?)

大和零式は、腰の部分にある刀の鞘に手を添えた。

その体からは青い色の光が発せられあたりの空間が捻れて見えた。

(凄まじいインガプレッヤーだ……まちがいない、奴はインガを使えるッ!)

撫子は、タケルの強大なインガを感じ取った。


羽根の生えた敵は、大和零式を中心に円になって取り囲んでいた。

そして手足を震わせる動作が段々と大きくなり、いまにもタケルに飛び掛ってきそうだった。

シン……あたりに静寂が起こる。

シャァッ!!

その瞬間、敵のひとつが飛びかかり、続けざまに一斉に襲い掛かってきた。

「ンッ!」

大和零式は、鞘から刀を抜こうとした

「あれ?」

しかし、刀は鞘から抜けずにビクともしなかった。

「わぁ! ちょっとタンマ!」

間一髪、敵の攻撃をかわしたタケルの大和零式。

「なんだよこれ? 刀が抜けねぇじゃねぇか! ただの飾りか?」

続けざまに敵の攻撃がタケルを襲う。

「わっと! だから待てっていってるじゃねぇか!……このォ!」

ドギャ!

大和零式の繰り出した拳が、敵の羽を貫いた。

「なんだよ、けっこうモロイじゃねぇか!」


撫子はタケルの攻撃を見て驚いた。

(今の攻撃、ケタ外れのパワーだった……この秋桜壱式以上だというのか?)


「おい、撫子! この刀はどうやったら抜けるんだよ?」

「気安く私の名前を呼ぶな……その刀はただの刀ではない。インガの力を収束し、

それを攻撃力に変える力を持っているのだ」

「何の力だって?…もう少しわかりやすく説明してくれよ」

「貴様のような無能な頭では理解できん。いや、インガとは理解するより体で感じるものだ」

「余計わからねぇよ! あ~クソ! なんだか知らねぇがやってみっか、

力で引っこ抜くんじゃなくて、そのインガって力で抜けばいいんだろ!?」

「バカが。そんなに簡単に出来れば苦労はしない。私でもその刀を抜けるかどうか……」

「ふ~ん、ならこの刀を抜いたら、俺はてめぇよりもインガってのが上ってことになるな?」

タケルはニヤリと笑った。

「安心しろ、キサマには絶対に抜けん」

「そうかよ……よし……」

タケルは目をつぶって集中した。すると、タケルの体が青白く光りはじめた。

(うっ!このインガプレッシャー……まさか!)

「いくぜ! かかってきやがれッ!」

その声と同時に、敵が一斉にタケルの大和零式に向かって襲い掛かる!

「えやぁッ!」

大和零式の鞘が光り、そこから刀の刃が見えてきた。

スラリ!

完全に刀を抜ききったタケルは、大和零式の腕を真っ直ぐ伸ばし、前に突き出した。

ザクリ!

突き出した刀が、突進してきた敵の中心部へ深々と突き刺さる。

その切れ味は、切るというよりも吸い込んだというほうが正しい。

まるで、吸い込むようにして敵を貫く。そしてそのまま刀を上に持ち上げ、敵を引き裂いた。

ブシュウ!!

「ギュギャーッ!」

絶叫を吐きながら、その敵は緑色の液体をピューピューと噴出しながら落下していった。


「まさか! 本当にあの刀を抜くとはッ!」

撫子は戦慄を感じた。


お次は三匹同時。

大和零式の真横一閃が、敵の体を上下に綺麗に真っ二つにした。

続けざま敵は背後から襲い掛かる。

タケルは後ろに目でもあるかのように、そのまま刀だけを背面へと突き出して敵を貫く。


(あ、あれは私の技!)

撫子は、またも背筋が凍るような感触を覚えた。


蹴り!突き!左腕と右足が一瞬消え、敵が吹っ飛び爆発していく。

大和零式が一振りするごとに、数体の敵はバタバタと緑の血しぶきを上げながら落下していった。

パチン……

そして、ふたたびタケルが刀を鞘にもどすまで約5秒。左手にはもぎ取られた敵の頭が握られていた。


「お、お見事っ!」

撫子は思わず口から出た言葉に、ハッとして口に手をあてた。

「認めるかい? 俺をサムライだってな! わははははっ!」

そう言いながらタケルは、手にしていた体液まみれの敵の頭部を、秋桜一式に向かって放り投げた。

ザシュ!

それを刀で斬り飛ばす秋桜一式。

「貴様っ! その腕は認めるが、無礼な態度ッ! そんな愚者をサムライとは認めんっ!」

「ヘン! これで邪魔者はいなくなった。今度はテメェにだって負けないぜっ!」

「何だと!?」

バシュオッ!

大和零式は、撫子の秋桜一式に向かって突進した。

そして、スピードの乗った突きが撫子を襲う!

(くっ!このスピード!かわしきれないッ!)撫子は思わず目をつぶった。

「く!……?」

確実に喰らったと思った一撃だが、撫子の秋桜一式に衝撃は届いていなかった。

撫子はゆっくり目をあけると、大和零式は目前で止まっていた。

「くうぅ、なんだ?……体の力が入らねぇ……」

静止した大和零式は、ゆっくりとそのまま落下していった。このままでは地面に激突してしまう。

「く、ううっ! 俺の体はどうなっちまったんだ! 全く動かねぇ……!」

「どうしたというのだ?まったく世話のやける!」

ガシン!

地面に激突する寸前の所で、秋桜一式が大和零式を受け止めて地面に降ろした。

撫子は秋桜一式からすぐさま降り、大の字になって横たわる大和零式のハッチを開けようとした。

ジュッ!

「あ、熱ッ!」

コクピット付近を触った撫子は、思わず手を引っ込めた。

「これは!……インガスワップを起こしている!…このままではまずい!」

ドジュゥッ!

撫子はブスブスと焼け付く痛みを必死にこらえ、なんとかコクピットハッチをこじ開けた。

「キサマっ!無事か……」

中の様子を見て、撫子は言葉を失ってしまった。一体、タケルはどうなってしまったのだろうか?


「おーい!オボロギー!」

「タケルー!」

そこに、萌とカブラが走り寄ってきた。

カブラは撫子の姿を見て一瞬ギョッとしたが、目も合わせず大和零式のコクピットに駆け寄った。

「やりやがったなオボロギ! あれだけの数の敵を倒しちまうなんてスゲー……え?」

カブレはタケルを見て唖然とした。

タケルの体からは煙がシュウシュウと立ち昇っていた。

そして、体中がシワだらけになり、まるで生命力をすべて絞り尽くした老人のようであった。

「ひ、ひでぇ……お、おいオボロギ! 一体どうしちまったんだっ! しっかりしろーーーーーッ!」

「いやあぁ!タケルっ!」

タケルの体を抱え、ガクガクと揺さぶるカブレ。だが、タケルは目を開けない。

「無駄だ、奴は息絶える寸前だ」

撫子は冷酷に言い放った。

「そ、そんな……」

「なんだとォーっ! てめぇか? てめぇがオボロギをやりやがったんだな! チクショォ!!!」

「そいつはインガの力によって自滅した……よくある話だ」

撫子は刀を抜いてタケルに向けた。

「よせ! オボロギに何をするんだ!」

「この状態が苦しいのはよくわかる……だからせめて楽にしてやる、武士の情けだ」

「ふっざけんなぁーッ!」

涙を流し激怒するカブレは撫子の腕を掴む。

バキッ!

撫子の裏拳が、カブレの顔面を直撃する。その反動でふっ飛ぶカブレ。

「人間風情が口をだすな」

撫子の刀は、タケルの首元に宛てられる。

ガシッ!

何者かの手が撫子の腕をつかむ。それはカブレの手であった。

バシュゥゥッ!

カブレの体からは青白いオーラが勢い良く発せられていた。

「む……貴様もインガを使えるというのか? それで私の攻撃を防いだというのか?」

「なんだか知らねぇがよ、俺様の体が熱いんだよ! そりゃ!」

カブレは、撫子に向かって拳を振るった。

バギャ!

それをかわした撫子の蹴りがカブレに炸裂。またも吹き飛ぶカブレ。

撫子は、吹き飛んだカブレを追って追撃の膝落としを喰らわせる。

「ぐおっ!……まだだ!」

「ふん、インガが働くのは防御の時だけか……しかしこれで、インガを使えるサムライがふたり、

いや、ひとりは死ぬんだったな」


ピカッ!


その時、タケルを照らす青白い光り。それは、萌の手から放たれていた。

「タケル……あなたを死なせない……」

その光がタケルに当たると、不思議なことに、タケルの肌にツヤが少しずつ戻ってきたのだった。



「なんだと?貴様もインガを使えるのか……なるほど、奴を治療したのはそのインガらしいな」

しかし萌は、撫子の言葉に動じずに、タケルに光を送った。


「ま、まだだ……ごちゃごちゃ言ってねぇで勝負しろや! このアマッ!」

カブレは、今にも撫子に飛び掛ろうとしていた。

撫子の強さを見せ付けられても、タケルのために立ち向かうとは、

カブレという男、どうやらただの腑抜けではないようだ。


「良く聞け、ブサイク面」

「んだとォー!? てめぇ、人の気にしていることをっ!」

「黙って聞け、ブサイク面。いいか? ひょっとしたら、その女のインガで奴を助けることが

出来るかもしれん。奴はそこの武神機に乗ったおかげでかなりのインガを消耗した」

「タケルがこのロボットに乗ったせいだってのか?」

「そうだ。しかも我々でさえ乗りこなせなった特別な機体をな。当然、使ったインガは並ならぬ量。

だから全てのインガを吸い尽くされたのだ」

撫子は台本を棒読みするかのごとく無感情に喋った。

「ちょ、ちょっと待てや! さっきから陰毛だかインガだか知らねぇが、一体何だよそれは!」

「……下品な男め」

撫子は顔を赤らめて、一瞬カブレを蹴り殺そうとしたが、なんとか思い留まった。

「良く聞け。インガとは因果と書く。すなわち原因と結果。

原因があるから結果があり、結果の前には原因があるのも真なり」

「は?……それ何語?」

「ち、間抜けが。とにかく、原因と結果の関係を応用し、自らの意思で奇跡を起こす事をインガと呼ぶ」


「タケルがパワーを発揮できたのは、そのインガを発動したからなのね」

萌がそう言った。


「そこの女はものわかりがよさそうだな」

「よくわかんねぇが、オボロギがあのロボットで敵を倒せたのも、そのインガの力って訳か……」

「そうだ。話を元にもどすぞ。そのインガの力をキサマも持っていて、どうやら治癒力に長けた力らしい。

それを使えば奴を治療することが出来るかもしれん。だが……」

撫子はそこまで話すと口を閉じてしまった。


「お、教えてくれ! どうしたらいいんだ! 俺はこいつが大っ嫌いだった……

だが、今はどんなことをしても助けてぇんだっ! 頼むっ!」

カブレは、ギッと撫子の目を見つめたまま、拳を強く握り締めた。

「……フッ、わかった。義理人情というやつか。この時代にもサムライ魂が残っていたか」

撫子がはじめて少し笑った。

「さっきも言ったように、インガとは原因と結果で成立している。

だから自分の生気を少し分け与えるという原因をつくり、その結果として奴の生気が戻るという訳だ」

「もともとある力を分け与えるってことか?」

「それに近い。いわば相手が得をしたぶん、その代償として己に損が来る。

当然多くの生気を放出すれば、損をするのは己だ」

「そうか……でも、あれ?うむむ」

カブレはフムフムとうなずいてはいるが、すでに頭がパンクしはじめているようだった。

「よ、よし! なんとか仕組みはわかったが、その生気ってのは使いすぎると死んじまうんじゃねぇか?

オボロギのように?」

「生気は無限ではないが、個人の器の大きさで決まる。それに一晩寝れば生気は回復する。

そういうものだ。だから、使い道を誤れば、それが己に降りかかり、最悪死ぬ場合もある。

それがインガを使う上でのルールなのだ」

「しっぺ返しみたいなもんか? まぁ、だいたいわかったぜ……

使い道を誤ると自分に悪い事が起きるってわけだな」

「怖気づいたか?」

「ケッ! だ、誰が!」

「よし、簡潔に言うぞ。インガに目覚めた貴様らは、あの敵に狙われる。

インガを持った貴様らの力を吸収することだ」

「な、なんだって?」

「敵が貴様らを吸収しようとする間、時間を稼げば、あの女のインガで奴は助かるだろう」

「うう……どれだけ時間を稼げばいいんだよ」

「五分だ。そうすれば、私の乗ってきた輸送機でこの時空からチューブインして逃げる。

だが、最後に敵の追撃を払うためには、タケルにもう一度あの力を使ってもらうしかない」

「オボロギにもう一度戦えってのか? 無茶だぜ」

「そうしなければ意味がない。この取り囲まれた状況では、今逃げても同じことだ」

「くそっ、とにかく時間を稼げばいいんだ? でも、どうやって……」

「そこで貴様のインガが必要になる。貴様のインガは防御に特化した性質らしいからな」

「ふ~ん、そっか、俺のインガって力でね……って、ちょっと待て! すると、まさか!」

「そうだ、貴様にも武神機に乗ってもらう。丁度良い機体があるんでな」

「とほほ、やっぱそうか……」

「怖気づいたか?」

「くっ!オボロギみたいなこと言いやがって! しかたねぇ、やってやる!」


カブレは額から流れる脂汗をぬぐい、ひとつ深呼吸すると、タケルを治療している萌に叫んだ。

「飛鳥さん! ここはボクが守ります! 飛鳥さんはオボロギを治してやってください!」

萌は、タケルの治療に集中したまま、コクンとうなずいた。

「飛鳥さんのストカーじゃなくて護衛生活の中で、あんなに真剣な飛鳥さんははじめてだぜ……

ちっ、まったく、テメェがにくいぜ、オボロギ……」


撫子は考えていた。

(これでわかったよ。タケルが私の攻撃で死ななかったのは、こいつの防御のインガか、

それとも、この女の治療のインガが無意識に働いていたのだな……

こんなに一度にインガに目覚めるとは、あの黒い大穴のせいなのか……?)


「銀杏、通信で聞こえていたな?」

「あいあーい☆ チューブイン用のエクスポーターに充電かけときます☆」

「たのむぞ」

「でも隊長、あのひとたち、本当に大丈夫なんですか☆」

「見かけは頼りないが、私の見てきた中ではまともな方だ」

「う~ん☆ そうは見えないかも☆」

「なぁに、使えなかったら切り捨てればいいだけだ。今までのように、な」

「そうですね☆ わっかりました~☆」


それからすぐに、空中に浮かぶ大きな戦武艦からは、敵が無数にやってきた。

どうやら、インガを使えるものを捕獲するという撫子の言葉も、嘘ではないようだ。

撫子とカブレは武神機にのって待ち構える。

萌は、ただひたすらタケルを治療することに専念している。

輸送機がこの空間から離脱するための充電は、あと五分ほど。

そして、タケルが復活さえすれば、この場から生き延びることが出来るのだ。

皆は、それぞれの役割を実行するために、敵を倒さねばならない。

それは、すでに因果に取り込まれている証なのかもしれない。


「来たぜ!」

カブレの指差す方向には、無数の敵が押し寄せてきた。

「へへっ、俺様だってケンカに明け暮れていたんだ。腕の見せ所だぜ、見て驚くなよ~」

カブレはインガを放出して苦しいにもかかわらず、余裕を見せるため撫子に話掛けた。

「喋る暇があったらインガの放出に集中しろ。

インガを覚えたての貴様では相当体に負担がかかっているはずだ」

「や、やさしいんだな、アンタ」

「ふっ、そうではない。私のサムライの血が、少しでも楽しく戦闘を味わいたいだけだ」

「けっ、やっぱ恐ろしい女だな。でもよ、そいうとこ少し気に入ったぜ」

「よせ、ブサイクに興味はない」

「ち!本当にムカツク女だぜ!」

カブレも撫子もニヤリと笑った。


(私はこの戦いの真意を見定めるまで死ねない……

ヤマトの危機を救うまでは、絶対に死ねないのだ……

この絶体絶命の状態、嘘でも望みがあると言わなければ、皆は戦意喪失しただろう……

だが、私は生きる!生きてヤマトの世界へ戻ってみせる!)

撫子は固い決意を誓ったようだ。


インガの力に目覚めたタケルたち三人。

だがしかし、その力によって自滅してしまったタケル。

はたして、インガとは己を助ける力なのか?それとも破滅へと導く力なのか?

そして、撫子の言うヤマトの世界とは?

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