勇者物語 - 勇者物語（赤_青黄）

勇者物語

赤_青黄

　むかしむかし、この大陸（たいりく）にとてもとても悪（わる）い魔王（まおう）が現（あらわ）れました。悪（わる）い魔王（まおう）は、魔族（まぞく）を率（ひき）いて人間（にんげん）の物（もの）を奪（うば）い、そして殺（ころ）しました。人間（にんげん）は魔族（まぞく）に比（くら）べて弱（よわ）いので、逃（に）げたり、家（いえ）でガクガク震（ふる）えるしかありませんでした。このまま、人間（にんげん）は滅（ほろ）びてしまのでしょうか。

　そんなとき、太陽（たいよう）はさらにギラギラ光（ひか）り、太陽（たいよう）の向（む）こうから、それはそれは美（うつく）しい声（こえ）が聞（き）こえてきました。

「人間（にんげん）の皆（みな）さん・・・聞（き）こえますか？　私（わたし）は＜ディオ＞という一柱（いっちゅう）の神（かみ）です。」

　いきなり聞（き）こえてきた声（こえ）に人間（にんげん）はビックリしましたが、神様（かみさま）は気（き）にせずに、そのまま話（はなし）を続（つづ）けました。

「単刀直入（たんとうちょくにゅう）に言（い）いますと、このままだと人間（にんげん）は魔王（まおう）によって滅（ほろ）んでしまうでしょう。でも大丈夫（だいじょうぶ）です。6人（にん）の勇者（ゆうしゃ）が居（い）れば・・・　探（さが）しなさい6人（にん）の勇者（ゆうしゃ）を。その6人（にん）の勇者（ゆうしゃ）は６つの魔法属性（まほうぞくせい）、聖（せい）、闇（やみ）、火（ひ）、水（みず）、風（かぜ）、土（つち）の内（うち）の１つしか使（つか）えませんが、使（つか）える魔法（まほう）の力（ちから）は他（ほか）の人間（にんげん）に勝（か）てる者（もの）はい無（な）いでしょう・・・・・・　さあ、探（さが）して、全（すべ）ての元凶（げんきょう）である魔王（まおう）を倒（たお）すのです！！」

　言（い）い終（お）わると、太陽（たいよう）の光（ひか）りは元（もと）に戻（もど）りました。そして人間達（にんげんたち）は神様（かみさま）の言（い）ったお告（つ）げを思（おも）い出（だ）し、こう思（おも）いました。

　ーー勇者（ゆうしゃ）を探（さが）さなければ！！！

　その結果、半年（けっか　　はんとし）で6人（にん）の勇者（ゆうしゃ）を見（み）つけ出（だ）しました。

　－－聖（せい）の勇者（ゆうしゃ）サルニ

　きらびやかな、銀色（ぎんいろ）の長髪（ちょうはつ）をした、どんな者（もの）も見捨（みす）てない少女（しょうじょ）でした。

　－－闇（やみ）の勇者（ゆうしゃ）ブイヨ

　何色（なにいろ）にも染（そ）まらない黒（くろ）い髪（かみ）の無口（むくち）な少年（しょうねん）でした。

　－－火（ひ）の勇者（ゆうしゃ）ファロ

　今（いま）にも着（き）ている服（ふく）が燃（も）えそうな赤々（あかあか）しい髪（かみ）の勇敢（ゆうかん）な青年（せいねん）でした。

　－－水（みず）の勇者（ゆうしゃ）アクア

　長（なが）い青色（あおいろ）の髪（かみ）は、流（なが）れる水（みず）の様（よう）な、クールな女性（じょせい）でした。

　－－風（かぜ）の勇者（ゆうしゃ）ヴェン

　短（みじか）く切（き）りそろえた緑色（みどりいろ）の髪（かみ）は風（かぜ）でなびく草（くさ）の様（よう）と言（い）われた元気（げんき）な幼女（ようじょ）でした。

　－－土（つち）の勇者（ゆうしゃ）テレノ

　　禿（は）げていた、温厚（おんこう）な老人（ろうじん）でした。

　集（あつ）まった6人（にん）の勇者（ゆうしゃ）は魔王（まおう）を倒（たお）すため、雪山（ゆきやま）にある魔王城（まおうじょう）に向（む）かいました。

　向（む）かう途中（とちゅう）、魔王（まおう）によって様々（さまざま）な妨害（ぼうがい）を受（う）けました。

　ある時（とき）は、魔族（まぞく）の襲撃（しゅうげき）にあい、

　またある時（とき）は、橋（はし）を壊（こわ）され、

　またまたある時（とき）は、寝（ね）ているときテントごと爆破（ばくは）されました。

　しかし、勇者（ゆうしゃ）には妨害（ぼうがい）にはなりませんでした。

　魔族（まぞく）なんて勇者（ゆうしゃ）にとっては虫（むし）のように弱（よわ）いですし、橋（はし）がなくても土（つち）の勇者（ゆうしゃ）テレノが新（あたら）しく土（つち）で橋（はし）を作（つく）りましたし、寝（ね）ているテントには聖（せい）の勇者（ゆうしゃ）サルニによる、聖結界（ホーリ＝ゾーン）が唱（とな）えられていたため、無傷（むきず）でした。

　3年（ねん）かけて、無事（ぶじ）に魔王城（まおうじょう）にたどりつきました。

　魔王城（まおうじょう）には、魔王（まおう）ただ一人（ひとり）しかいませんでした。様々（さまざま）な妨害（ぼうがい）を行（おかな）っても無駄（むだ）だったので、勇者（ゆうしゃ）を止（と）められるのは自分（じぶん）しかいないと魔王（まおう）は考（かんが）えたからでした。

　そして、魔王城（まおうじょう）で、6人（にん）の勇者（ゆうしゃ）と悪（わる）い魔王（まおう）との闘（たたか）いが始（はじ）まりました。

　魔王（まおう）の力（ちから）はとても強大（きょうだい）でした。右腕（みぎうで）を振（ふ）るえば、目（め）の前（まえ）の地面（じめん）は火山（かざん）が噴火（ふんか）したように火柱（ひばしら）が現（あらわ）れ、左腕（ひだりうで）を振（ふ）るえば目（め）の前（まえ）の地面（じめん）は魔王（まおう）の冷酷（れいこく）さを表（あらわ）してるように冷（つめ）たい、氷（こおり）の塊（かたまり）が現（あらわ）れました。

　しかし、6人（にん）の勇者（ゆうしゃ）も負けていませんでした。

　聖（せい）の勇者（ゆうしゃ）サルニは、他（ほか）の勇者（ゆうしゃ）が強（つよ）くなる魔法（まほう）を唱え、闇（やみ）の勇者（ゆうしゃ）ブイヨは、魔王（まおう）が弱（よわ）くなる魔法（まほう）を唱（とな）え、火（ひ）の勇者（ゆうしゃ）ファロが、得意（とくい）の剣術（けんじゅつ）で魔王（まおう）に攻撃（こうげき）し、水（みず）の勇者（ゆうしゃ）アクアが水（みず）を操（あやつ）り魔王（まおう）の攻撃（こうげき）を抑えて、風（かぜ）の勇者（ゆうしゃ）ヴェンが風（かぜ）の魔法（まほう）で魔王（まおう）に攻撃（こうげき）して、土（つち）の勇者（ゆうしゃ）テレノは、土（つち）を操（あやつ）り魔王（まおう）の攻撃（こうげき）を抑えました。