本当×罠×自分=
@n-shota
第1話 私が生まれた日
私は今日、この場に「生」を貰い受けた。
この「生」は私自身から貰い受けた「生」。
正確には貰い受けたのではなく、私から私が生まれた。
そんなニュアンスが一番しっくりくる。
2016年8月6日。中国。
私の心は混沌としていた。
自分の心を未だに掴めないでいたのだ。
色んなことが重なり、私は一種の離人症のような状態になっていた。
離人症とは自分が自分ではないような感覚に陥ることで、これは流石に説明のしずらいものであるが、自分の思考が勝手に進んでしまったり、誰かに操られているような気がする状態だ。
ある人は視界に薄いベールがかかったようだなど、体にも捉え方の変化が起きるようだ。
私にも似たような感覚はあったようだが、このとおり「ようだ、みたいだ」と、はっきりしていない。
少し鬱っ気もあったようだ。
今までの経緯はまるで他人の事を見ていたかのような形で覚えている。
一本のドラマか映画を見ていたような感覚だ。
今こうしてタイピングしている感覚が本格的で少し嬉しい。
私がこんな症状に陥ったのは、約4年前。
23歳頃からだ。
私は猛烈に仕事に打ち込んでいたし、何か目指していた。
その何かの為に、自分の心を置き去りにして突っ走っていた。
客観的にも、周りの事もよく見えていなかった。
まさに盲目に生きながら、方向を見失って行った。
関連小説
「私」の話/mil
★4 エッセイ・ノンフィクション 連載中 650話
「生きる」が分かったから/古 散太
★0 エッセイ・ノンフィクション 連載中 135話
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます