この作品にオチは無い。主人公は一生枯れない『華』を見続けるから…。それは虚構…鏡に「この世で一番美しい人を…」と問いかけ続ける。写るのは自分だと解っているから。今が狂っているのか…それとも現実の自分を看て狂いだすのか…。この作品にオチは無い。
という短編です。これは多分に読者によって見方、味わいの変わる短編なのだと思いました。ただし雰囲気、語り口がとても完成された雰囲気の作品です。それなのに、これが何の物語なのかはっきりさせることができない。ずばりこれがモヤモヤの正体だ!と言えればいいのですが、そうともはっきり言えない…という得体のしれないモヤモヤがさらに付きまとってきます。ミステリー?サイコもの?ホラー?それとも現代文学?それが読み手にゆだねられるような感覚です。ということでちよっと読んでみませんか?
淡々としながらも起伏のある筆致で描かており、女性の想いが伝わってきたように思います!