手堅く人類をリセットする方法
いちてる
前編 天使と悪魔の最低な企み
「天使ー、人類滅ぼそうぜー」
「えー、やだよ悪魔くん。そんなことしたら神様に怒られちゃう」
「いいじゃん、暇なんだし」
「嫌だよー。神の
「大丈夫だって。こっちだって何も考え無しに言ってるわけじゃないんだ」
「じゃあその考えを言ってみてよ」
「分かった。これ何だと思う?」
「ストップウォッチみたいななにか?」
「ぶぶー。答えは魔王の爺からかすめ取ってきた。リセット装置」
「リセット装置?」
「好きなだけ使えて、好きな時間まで巻き戻せて、好きなだけループを覚えられる人を決められる」
「そっか。僕と悪魔くんだけ記憶を残しておけば婆にも爺にもばれないんだ」
「そそ。どうだ。楽しそうだろ?」
「何だよー。そんなのがあるなら先に言ってよ」
「わりいわりい。でさ、どうする?」
「もちろんやるに決まっているじゃないか!」
「さっすが天使。話が分かるなあ」
「じゃあ何しよか……って決まってたね。人類を滅ぼすんだけど、どうやって滅ぼそうか」
「あんまり大きすぎることやったら爺にばれちゃうからなあ」
「リセットで何とかならないの?」
「多分リセットするよりこっちが殲滅される方が早い」
「ファッキン。老害は死ね」
「でもだからこそ、そのスリルは楽しいって思わないか」
「思わない。僕は安全圏からぬくぬくと遊びたいんだ。モン○ンしたいとは思うけど実際に狩りをしたいとは思わないだろ」
「意気地なし」
「いいもーん。僕としては悪魔がドMにみえて気持ち悪いからどっちもどっち」
「そうだな。でさ、早速どうしようか。リセットするんだから時間はそれこそ無限にある。好きなように遊ぼうぜ」
「じゃあ、まずは簡単な所から。宇宙人にでも攻めてきて貰おうか」
「いいね。でもそれだと簡単に滅ぼせそうだな」
「少しずつ難易度を下げればいいんだよ」
「了解。じゃあどっちが宇宙人作る?」
「発案者がやろう。ええい」
「おお、これは強そう」
**********
「「えええ」」
「なんで人類が勝つんだよぉ」
「おかしい。こんなことはありえない」
「弱ったなあ。まさか外敵が出てきたことで、国と国が協力することになるとは」
「結束力強まったら勝てるわけないだろうが! こっちはなんのために言語を統一しなかったと思っている!!」
「天使落ち着け。外敵が駄目なら自然災害を起こせばいい」
「そだね。まだチャレンジ1回目だし」
「じゃ今度はオレっちの番か。火山の噴火と地震と津波とハリケーンを同時に起こしてやる。何より温暖化で平均気温を5度あげてやる」
「うわっ、えっぐい」
「流石にこれは滅びるだろ」
「そうだね。っとまずはリセット。おお、本当に綺麗さっぱり戻っている」
「だろ? やっぱ爺って魔王だわ」
「疑ってたわけじゃないけど、実際に見るのとでは大きく違うね。悪魔くんどうぞ」
「お言葉に甘えて、悪魔いっきまーす」
**********
「「なんでだよ!!」」
「いや、理由は見てて分かってんだけど」
「成長したんだ!」
「自然災害に適応できる生物に!!」
「こんなの絶対おかしいよ」
「なんかこっちが想定しているより人間強え」
「こうなったら人類にだけ効果がある病原体をつくってばら撒こう」
「いいなそれ。もちろん今までの特効薬は全てきかない奴な」
「当然さ」
**********
「「あああああああああ」」
「くそっ! なんで天才が覚醒して新しい薬創るんだ」
「その所為で別の病原菌も死滅したじゃないか!!」
「人間甘く見てた。こうなったら多少の無理を押してでも…………」
「駄目だって。糞爺にばれたらまずい」
「くそっ、なんで暇つぶしをしたのにこんな思いをしなきゃいけないんだ」
「まるでボクらが無能みたいじゃないか」
「どうする? 腹の虫が治まらねえが良い案が無いと間抜けになるだけだぞ」
「……! 閃いた!!」
「マジか天使。どんなのか?」
「”ピー”で”ピー”を”ピー”して・・・・・・・・・・・・」
「……悪魔のオレがいうのもあれだけどよ。おまえ悪魔だろ」
「いやー褒められても。顔が赤くなっちゃう」
「自信を持って言える。天使のその案は絶対に成功する。それは完璧だ。今までやった案のどれよりも現世に影響を与えず、かつ人間だけを殺すことが出来る」
「ボクもそう思う」
「とはいえオレらの勘違いってこともある。やってみようか」
「そうだね。えっと…………はい。準備できたよ」
「ではやるか」
「「ぽちっとな」」
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