蜜柑と誠司(プロット)

なつみ@中二病

蜜柑と誠司

【あらすじ】

 ①蜜柑が大好きな少年、誠司は小学3年生の時に女子にいじめにあっていた。そこから女性恐怖症に陥り、登校拒否になってしまう。誠司にとって“大丈夫”な女は、母親と妹の日名子、そして幼なじみの葵の三人だけだった。誠司は学校には行かなくなったが、自宅で勉強をしていた。ときどき、幼なじみの忍(男)と葵(女)の三人で遊んだ。時は経ち、誠司と忍は男子校の私立中学へ進学、葵は公立の中学へと進学した。誠司の女性恐怖症は相変わらずだったが、学校自体は嫌いではなかったので、男子校での中学生活は楽しいものだった。しかしいくら男子校とはいえ、全く女性と顔を合わせずに現代社会を生きていくことは不可能だった。世の中には意外と異性で溢れている。そんな中学一年生のとき、誠司に変化が訪れる。なんと、女性の顔がミカンに見えるようになったのだ。


 ②女性がミカンに見えるようになった誠司は、女性恐怖症を克服できたかに見えた。しかし全てミカンに見えるために、女性の顔を識別することができなくなったのだ。声や服装など、顔以外の情報で誰なのかを判断しなければならない。そんな滑稽な状況の中、誠司は男女共学の高校に進学した。誠司、忍、葵の三人が再び同じ学校に通うことになったのだ。忍や葵の助けを借りながら、なんとか高校生活を送っていく誠司。中学では疎遠になっていた葵だったが、高校では昔のように仲良くなった。葵の顔だけはミカンに見えないのであった。


 ③そんなある日、家の庭の小さな蜜柑の木が少女に変身して現れた。誠司が大事に育ててきた蜜柑が恩返しに、誠司の女性恐怖症を治したいと言うのだ。「茜」と名づけられた蜜柑の少女は誠司たちの学校に通い、いろいろな問題を起こしていく。それに振り回される誠司。葵は誠司のことを思い、茜と敵対をしいていく。その中で、誠司は中学生のときに近所でよく見かけたセーラー服の少女(顔は蜜柑)のことを思い出す。セーラー服の少女はときどき誠司を助けてくれていたのだった。


 ④ドタバタな日々を送りながらも、少しずつ茜に惹かれていく誠司。それをおもしろくなさそうに見つめる葵。葵は子供の頃からずっと誠司が好きだった。実はセーラー服の少女の正体は葵だったのだ。中学生のとき、それまで認識できていた葵が認識できなくなった。それは、葵のことを“女性”として認識したことに他ならない。思春期の“異性”への意識が、二人を隔ててしまったのだ。葵にしてみれば、近所に住んでいるのに顔を合わせても声もかけてもらえない。それは絶交と同じではないか。なんとなく事情を知っていた忍、日名子に尻を叩かれ、ずっと誠司を見守っていた茜に背中を押され、誠司は葵に告白する。しかしそれは、今までの感謝の気持ちであって、愛を伝えるようなものではなかった。誠司が今好きなのは、茜なのだ。涙を流しながらもそれを受け止める葵。今度は葵に背中を押され、茜に告白する誠司。しかし、茜は蜜柑の木に戻ってしまう。いくつかの失恋を経て、少年は成長した。「蜜柑」に執着していた「誠司」は「未完成児」に過ぎない。女性不信が直ったかに見えたが、今度は女性がミカン以外の果物に見えるようになってしまった。別の意味で女性に苦手意識を持ってしまった誠司の元に、今度はバナナとリンゴとメロンの妖精が現れた。暴れる葵。ため息を漏らす誠司。忍は言う「ていうか、メロンは果物じゃねえ!」。受難の日々はまだまだ続きそうだ。


『蜜柑と誠司』


【広告あおり】

 女性恐怖症の少年、誠司は女性の顔が「ミカン」に見えるようになってしまった。男女共学の高校に通う誠司は、クラスメイトの女子の顔を見分けることができない。だって、女子の顔はみんなミカンに見えてしまうのだから!そんな中、大事に育てていた蜜柑の木が「女の子」に擬人化して──!? 誠司は女性恐怖症を克服できるのか? “みかん”との恋の行方は? ていうか、蜜柑が擬人化ってなんじゃそりゃーっ!!!



【登場人物】

誠司・・・男。へたれ。果物好き(特に蜜柑)。女の顔がミカンに見える。

茜・・・・女。天然。蜜柑の妖精?

葵・・・・女。おとこまさり。快活。拳で語る。

忍・・・・男。飄々。女好き。根性曲がってる。

日名子・・女。妹。普段は優しいが、ときどき辛辣。


クラスメイト・・・/バナナ

          リンゴ

          メロン  他






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