ロミオとジュリエットの想区ージュリエットの反乱ー
水辺無音
プロローグ(ゲームユーザーは読み飛ばし可)
この世界は幾つもの想区とそれらを隔てる沈黙の霧でできている。
想区の住人は物語の語り部であるストーリーテラーから運命の書を渡され、その内容通りの人生を無限に繰り返し、想区全体で一つの物語を永遠に演じ続けていく。
だから教えてほしいんだ。
僕のように何の運命も記されていない空白の書を与えられた人間は、この世界でどんな運命を進んでいけばよいのか。
さて、僕は今、レイナ、タオ、シェインの三人の仲間と共に想区を混沌に導くカオステラーを退治する旅を続けている。三人とは故郷であるシンデレラの想区がカオステラーに襲われている時に出会ったんだ。
カオステラーはストーリーテラーが異常を来したもの。想区を破壊するもの。
だから、
「ストーリーテラーが支配する正常な想区を取り戻す」
三人の目的に賛同した僕は共にシンデレラの想区でカオステラーを退治し、その後は四人組となって様々な想区でカオステラーを退治してきた。
三人とも僕と同じ空白の書の持ち主だ。
特にレイナ、ヒラヒラした服を着た子供っぽいお嬢様、は『調律の巫女』という存在で、沈黙の霧の中からカオステラーがいる想区を見つけたり、カオステラーをストーリーテラーに調律する力を持っている。
「カオステラーを探し出して退治し、想区を正常な状態に戻す」
これが空白の書を抱えた僕達の出した答えで、今はその道標に向かって進んでいる。
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