モンスターハンター

奥田啓

第1話 モンスターハンター





空港から一人の男が降り立った

「ここが日本か。どんな新種のモンスターに会えるのか・・・いまからたのしみだな」

彼はひとりつぶやいた

せなかにおおきな荷物をしょっている

それをさわりながら

「おまえもウズウズしてるだろ?よし、いこうか」

そういうと出口走り出した。



「ありがとうございましたー!」

俺はできるだけ元気よく声を出す。

俺は大学が終わった後、近所のコンビニでバイトをしていた。

「今日もお客さんおおいな」

たけるがはなしかけてくる

彼はよくシフトが一緒になることが多く一番仲がいい

「そうだなあ。そういや今日いつ終わり?」

「8時」

「俺も一緒だからおわったらめしくいにいこうぜ」

「おーどこいく?」

「なんかテレビでとりあげられたっていうラーメン屋があんだよ、一駅向こうに」

「あーなんかやってたな!いいな、いこう」

「よっしゃじゃああとでな」

そうはなしてると一人の老人が入ってくる

なんだかきょろきょろしている。

少し怪しかったのでマークしながら業務を続ける

店員がみえない死角の場所にずっとはいりこんでいるので

きになり、たけるにまかせてちょっと商品整理をしながら様子をみようとしたら

手に取った商品を服の中にいれる寸前だった。

「ちょっとあの」

おれがこえかけると

老人がにらんでくる

「なんだ」

「えっと・・・いまとろうとしましたよね」

「なにいってんだしつれいなやつだな!侮辱罪で訴えるぞ!!」

「いやでも・・・」

「おれはな、知り合いに弁護士がおるからなおまえみたいなやつすぐつぶしてるわ」

おれがあっけにとられてるとたけるもでてくる

「えっとなにが・・・?」

「ちょっとこの人が万引きしようとして・・店長呼んできてくれない?」

「おいなにこそこそはなしてるんだ!ふざけるな!」

よばずともさわぎにきがついた店長がやってくる。

「どうしました?」

「おまえが店長か!こいつらにどんな教育してるんだ!」

耳が遠いのと興奮なのかわからないがずっと店内中に大きな声が響く

「とりあえずバックヤードまできてもらっていいですか?」

「行く気などない!わしはなにもしていない!」

「いやとりあえずここだと他の方に迷惑なので・・・」

「おれが迷惑だとこのやろう!」

「いやいいからバックヤードにね」

店長がむりやりついれていくと激しく抵抗する。

「すみませんがきてくださいね」

ひきづるようにつれていく。

たけるに

ちょっとレジたのむね、という。


やっとバックヤードに移動すると店長がいう

「どんな状況か説明してください」

おれのむかっていうので

商品をてにとって胸ポケットにしまおうとしたので

「ちがう!おれは時計をみようとしたんだ!」

「一応監視カメラをみましょうか。」

みてみるとなかなかきわどい

「ほらみろ!ちがうだろ!名誉棄損でうったえるから、店ごとつぶす!」


困っていると突然外国人がはいってきた

すらっとしたモデルみたいな人だった。

でも背中になにか大きなものをしょっている

「すいませーん」

店長はあわててきて

「すみませんどうしました。」

「ちょっといいですかおおきなこえがきこえたもので」とても日本語がうまかった。でもなぜかちょっとうれしそうにしている。なんでだろう?野次馬根性なのかな?

「お騒がせして申し訳ありません。もう大丈夫ですので」店長が謝ると

「おい!お前俺にも謝れよ!俺がさきだろうが!!!」

すると変な音がなった

ビービー!と甲高い音だ。

外国人の方から聞こえる

外国の人は嬉しそうにポケットをまさぐる

すると謎の機械のようなものをだした。

タブレットのようで、それがなっていたようだ

そのタブレットを起動させると

「これが万引き老人クレーマーか!やった!レアキャラだ!」

大きい声で嬉しそうにいう。

それをきいた老人が大激怒し

「おいがいじんなんだおまえ!」

ズカズカと外国人のほうに向かう

「おまえも訴えるぞ」

外国人はまたもや喜んで

「聞いた通りだ!すげぇ!本当に脅してくる!うわー感動!」

老人は顔を真っ赤にして

「おまえおちょくってるのか!!!」


外国人はまたもや感激している。

「日本産はいきがいいなぁ。よしそろそろ」

背中にしょっているものをおろしチャックをあける

すると大きな剣をとりだした。

まるでゲームの世界にでてくるみたいな大剣だった。

老人もさすがにあっけにとられた。

「お・・・おまえなんだそれ」

「日本人は初物をたいせつにするらしいですね。ぼくもこれが初物のモンスター。それではいただきます。」

わけのわからないことをいうと

その大剣で老人をおおきくきりつけた。

老人は倒れる。

これはなんだ、夢なのか?

店長も腰を抜かしている。

目の前で人が殺されるなんて・・・

本当に今日はついてない。

おれはかろうじてくちがうごきはじめ

「あ、ああああんたなにしてるんだおれらも殺すのか・・・・」

外国人が笑っている。

そして剣をかざす。

おれたちもころされる・・・いやだいやだ。

そうおもっていると

老人の体が光り始めた。

「え・・・?」

不気味などろっとしたものが体からでる。

「うわあ!!!」

するとその謎のものは大剣に吸い込まれ吸収していった。

そして一瞬剣がひかり、そしてきえた。


「な、なんなんだよ・・・なんなんだよ・・・」

俺は動けない。

外国人が口を開く

「大丈夫ですよこのおじいちゃんはは殺してませんよ。」

「え・・・?」

「このおじいさんに巣食うモンスターを倒したんです」

「は?なに?あんたなにもの?」

「わたしはこうやってクレーム、非常識人、人を困らす存在となっているモンスターを捕まえる、モンスターハンターです。」


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モンスターハンター 奥田啓 @iiniku70

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