ロボット作品紹介。

カクヨム初期から続く作品、その人気の秘密とは?

FA:レムロイド ~異世界でロボットデザイナーとして名を馳せる~(第一部)


 ロボット作品紹介企画第一弾を飾るのは、この作品となりました。




 レムロイド ~異世界でロボットデザイナーとして名を馳せる~(第一部)

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054880245000

 作者 芳賀 概夢 さん(@Guym)




 カクヨムのロボ作品の中でも非常に人気が高く、現在も鋭意改稿中という熱意あふれる作品。ジャンルとしてはファンタジーに属し、突如ゲーム中での自機と共に異世界へと飛ばされてしまった、ロボットをこよなく愛する主人公の活躍と運命を描く。

 全体の傾向としては、作者さんの言葉通り序盤はライトに、中盤から終盤にかけてヘヴィに物語がどんどん加速していく。

 異世界転移もののポイントをきちんと抑えていながら、どこかコミカルにもとれる主人公たちの描写は、やがては終盤展開へのキーへとなる。






 ・Step1:作品概要

 主人公・東城トウジョウ世代セダイはある時から、矛盾した願望を自らの内に持っていた。

 いつしか彼は、毎日欠かさずロボットへ愛を注ぐまでになっていた。

 しかし、その夢をどうすることも出来ないと知りながらも、夢をやはり諦めることができないでいた矢先、思わぬ形でその思いは遂げられることとなる。


 BMRS――バトル・マッチ・ロボティック・シミュレーター。体感型のロボットゲームだ。

 このゲームの最狂難易度をクリアした世代は、何時の間にか深い闇へと包まれる。

 次に見た景色は、見覚えのない荒野。そして、すぐに彼は知る。

 ここが、BMRSの原設定に基づく異世界であることを。




 ・Step2:いいとこ発見

 この作品を読み続ける上で決め手となった要素といえば、やはり主人公である東城世代くんの変態ぶりだろう。彼は、女体より機体なのだ。

 それでいて、好きなものの第二位には食べ物がランクインしているあたりは、読者の理解を拒みがちな変人(?)キャラクターに留まらない『主人公らしさ』も備えている。

 ハーレムルートを歩むことになった後でも、彼の主張は一貫している。

 度々挟まれるサービスシーンにもほぼ無関心、ヒロインは機体の一部扱い。

 だが最終盤、彼は湧き上がったある感情に気付く。

 この辺りは、是非本編を最初から最後まで読んで欲しい。

 Step4のおすすめポイントに記載はしていないが、その『気付き』を吐露する場面は、必見だ。


 ○レムロイドの基本設定について――数値で大体のランクが推し量れ、パイロットが乗れる限界にも関連するわかりやすく感覚的な設定。


 この作品で登場するロボット、魔生機甲レムロイドは簡単に書くとこんな設定だ。

 その一、魔生機甲設計書ビルモアと呼ばれる本のような道具に、魔生機甲設計者レムロイドビルダーが情報を書き込む。その上で、イマジネーションを十分に記録させると、活性化イネーブル状態となる。

 活性化状態となった魔生機甲設計書へ、素材を取り込ませると、準備完了。

 機体を現出させる【構築ビルドの儀式】が可能となる。

 その二、魔生機甲にはレベルという概念があり、そのレベルは魔生機甲設計書のページ数によって決定される。ページ数を増やせば書き込める情報量も増加するが、その分設計の難易度が上がり、十分なイマジネーションも必要となる。

 レベルが高いと、その能力を発揮させる事が難しくなる上、パイロットへ必要とされる魔力も増大する。つまり、ただページ数を増やせばいいというものでもない。

 とまあ、こんな感じだろう。

 この設定は、妄想力――もとい、想像力に長けた東城世代くんが、気合を入れて作っている機体の強力さへの説明として、これ以上無いほど完成している。

 しかも、基本的に機体の強さが具体的な数値で把握可能なのは大きい。私の戦闘力は云々と通じるものがある。

 直感的にわかりやすく、なおかつ十全なシーケンスを設定にギュッと詰めていれば、この作品の魅力に繋がっている。その事は、疑いようがない。


 ○最終決戦の展開(ちょっとネタバレあり?)――主人公とヒロイン4人だけでなく、エピローグも含めると殆どのキャラに一応でも見せ場が有り、設定を余すこと無く使っている。


 詳細に語ると長くなるので、簡単に。

 キャラクターを殆ど全員使いきれる作品は、商業を含めてもそう多くはない。

 何か書いたことのある方なら、ここぞという時にキャラクターの力を引き出しきるのがいかに困難か、恐らく理解できるかと思う。

 最後の方にやっと出てきたキャラクターでさえ重要な役割を担っていたり、ヒロイン勢の中ではそれまで若干影が薄かった(と私が勝手に思っています)一人は、それはもうカッコイイことを言ってくれる。別行動のヒロインも居るが、そちらはそちらで憎き敵を完膚なきまで蹂躙してくれて、少々鬱々しいエピソードの中に爽快感の風を通す役割としても機能する。被害は少なくなかったものの、色々な理由が噛み合った結果、読後感が非常にスッキリしている。

 そんな健やかな後味を感じつつ、エピローグを読み込んでみるって楽しみ方も、アリだと思う。




 ・Step3:ロボット

 ○剣蛟ズワールド・アダラ

 独特なデザインを機能美と両立し、戦法として落としこんでいる。

 機敏に、更に力強く煌めいた機体には、無駄な所など一つもない。

 作中に数多く出てくる魔生機甲の中でも、特に磨かれた機体だろう。

 尤も、女性陣の半分くらいにはウケが悪かったようだが……。


 ○メルヘイター

 好み。速くて殴るってよくない?

 この機体を上げたのは、完全に好みだから。それだけ。多くは語るまい。

 元から速くて、更に急加速しての近接戦闘……たまらないね。

 パイロットの力量と合わされば、大嵐の如き猛攻をも可能とするだろう。

 ナックルガードが付いているとしっかり書かれているのも、高得点。

 そのパイロットである某氏も含めて、最も気に入っている機体だ。

 



 ・Step4:平茸が選ぶおすすめ

 ○Act.0012.5 主人公が語るロボットへの愛

 主人公の個性を序盤で端的に示して、それでいて光る良いエピソード。

 天板ひっぺがして、密集したコードに振られた番号を一本一本確認したくはならない?

 なる人は、すぐこの話をチェックだ。ならない人は、まず一回読んでみよう。


 ○長門先生との語らい

 あそこへ私も入って行きたい。そう思わせる、熱い絡み合いだ。

 ボロボロでヨレヨレな体でも、この話中にひと度入ればピチピチでナウい、夜の肉体へと変貌することだろう。――猥談ではありませんよ? 念の為。

 私的な意見だが、こういった有識者との会談は作中での情報共有手段として有効な方法なので、参考にすると良いかもしれない。


 ○第44話 シチュー

 簡素ながらも素直に美味そうと感じられる描写。

 Act.0013に出てきた、豚肉と玉ねぎの料理も中々……。

 異世界転移モノを書く上では、食物を書くことは文化を書くことそのものに繋がると考えている。必要性については、そのうちに。


 ○フラム・ドラーク対メルヘイター

 過去との繋がりを感じつつ、機体ギミックを限界まで活かしたいい戦闘。

 ここで魔生機甲レムロイドの元となる、あるものが関わってくるとは予想もしていなかった。

 戦闘終了後からラストへと進むあたりも、読む上で抑えておきたい。

 

 

 

 ・Step5:最後に

 そもそも企画第一弾としてこの作品を選んだのには、作品そのものが一つの区切りまで到達していて、評価や分析がしやすいといった面があることは確かである。

 しかしそれ以上に、Step6で詳しく解説する『ネット小説としての読みやすさ』がこの作品では極めて優れていると感じ、最初の一手とした。

 分かりやすいエピソードやキャラの一面をところどころに配置し、一話一話にはしっかりとオチやヒキをつけるといった手堅い構成は、作者の筆力というものを感じさせる。

 だが、第一弾と決める決定打は、ロボットを見つめる目にあった。

 

 Step5を初めて書くこの場で宣言しておくと、本来私は巨大人型ロボットのダイナミズムを特に重視している人間だ。

 これは性癖ととってくれても構わないが、しかしそれ故に核となる。

 仮に、全高15m・重量50t強の搭乗式人型ロボットがあったとしよう。


(ここより先の『ロボット』は、搭乗式人型ロボットを指している)


 現実に考えれば〜と言いたい所だが、この大きさの動く人型ロボットという存在が、実質的にはフィクションの世界に入る。なので今回、駆動方式や材質については一旦目を瞑ってもらいたい。原点からの考証はそれはそれで大切なのだが、本題ではない。

 そんなフィクショナルな存在同士が、例えばそう、市街地で戦闘した場合に、結果どうなるだろうか。勝利や敗北の次元に留まらず考えると分かりやすいはずだ。

 市街地というからには、建物があり、人そのものか、またはその痕跡が残っている。

 そういった『脆弱な存在』をどう扱うかで、ダイナミズムを超えたリアリティ的交感を生み出すのだと私は思う。木っ端微塵に破壊して回るのもよし、重要な何かをロボットの巨体で以って、身代わりとなり敵の攻撃から守り切るのもよい。

 現実の戦闘であるように、入り組んだ地形の中で、地の利を生かして戦力不利を覆す事だって考えられる。

 市街地でなくても、ダイナミズムを生み出す方向性は、半無限だ。

 荒野であれば倒木を丸ごと踏み潰して、崖は打ち崩す事が出来る。

 恐ろしいほどの力が、ロボットにはあるはずだ。

 変則的だが、見つけた湖に機体ごと飛び込んで、水柱を起こす等のエピソードがあっても良いかも。暴力的な重量や体積を余すこと無く表現できる。

 宇宙なら、破壊された機体の破片は無視できない脅威となろう。

 広大な宇宙にとってはロボットでさえちっぽけな存在かもしれないが、人間はより矮小な存在で、何かに縋るしか無いのかもしれない。

 書き方によって破壊の化身でもあり、一方で護りの女神ともなるのがロボットだ。

 その巨大な図体と大質量が、圧倒的な力を持って動くことで何を招くのか、存在することがどんな影響を環境へと与えるのか。

 ロボットものを書く上では、是非考えて欲しい。

 そしてこのレムロイドという作品は、そんな視点をよくよく落とし込めていたと感じる。特に最終決戦のあたりは、展開も含めて良い手本となるかもしれない。

 とはいえ、よく出来ているからこそのStepEXがあるのだが。

 

 結論として、カクヨムロボット作品の中で、最初に紹介すべきと判断するに至った。

 先述したダイナミズムの問題は、読みやすさとは逆方向に働く可能性がある。

 しかしこの作品、読みやすさとダイナミズムを両立できている。

 確かなペース配分が必要だが、作者はこれをやってのけた。

 加えて、最後はしっかり〆つつ、エピローグでは新たな展開への布石も打っているほどだ。

 仮にロボットものを書く気が無くとも、ネット小説を書こうとしている・書く予定の方は、この作品をしっかり読み通してみても損は無いと思う。

 何故これほどまでの人気があるかについては、Step6で私なりの分析を決行した。

 人気作品となれば、何か理由があるはず。紐解く一つのヒントとして活用して欲しい。

 

 ちなみにこのStep、『最後に』とは書いてあるものの、実の所あとがきに相当する部分となる。この後に続く2つのStepは、おまけの設定資料集のようなものだ。

 第一弾としての紹介はこれにて本編終了となるが、本当はまだ、今この紹介を読んでいる方々に向かって言い足りない事がある。それは追々他の作品紹介をやる内に書いていく予定でいるから、少々待っていてくれると嬉しい。

 最後の最後に、この作品の作者である芳賀 概夢氏(@Guym)に感謝を。

 それでは。

 




 

 ・Step6:あの行列の先には

 ○読みやすさ。それがとにかく強みだ。

 話の前提として、このレムロイドという作品は全編通して、一千字から四千字クラスに一話がまとめられている。後半にかけては文量が多めになるものの、長すぎないように調整されていると言えよう。

 『第一部を終えて(後書き)』と『用語説明:一般用語、地名』を除いた総文字数は約二十四万七千字。そして先述の二話を数えない場合、全九十六話。

 得られた情報を元に一話あたりの平均文字数を計算すると、約二千六百字となる。

 そしてここから考えるのは、文庫本や電子書籍と言った『読む事に特化した媒体』と、ネット小説との違いだ。


 私はスマホ版のカクヨムをアプリ含め利用したことが無いため、ブラウザでカクヨムを読む場合を考えさせてもらう。フォントや配色の違いはあるが、読み方としては『小説家になろう』も同じような読み方となるため、同様に考えてもらっても結構である。

 さて、こういったサイトで作品を読む場合、一部のオプション機能や外部リーダを通さない場合、横書きの文章が上から下までずらっと敷き詰められることになる。

 では逆に、私が『読む事に特化した媒体』と紹介した二種類はどうだろう。

 文庫本は一部を覗いてほぼ全編縦書きで、人間が通常読むスタイルは見開きとして二枚の紙(二ページ)、そこに文字が置かれる構造になるだろう。ページの最後まで読んだ後は、次のページに移るか、紙をめくり、まだ見ぬ光景へと目を通す。

 電子書籍はもう少し構成の幅があるものの、文庫本フォーマットで作成されたものならば、読み方はそれに準ずると思う。多分。


 長々と前置きをやった上で、やっと本題に入れる。

 ここで重要になってくるのは、ズバリ『区切り』だと私は考えている。

 『区切り』とは、目や思考領域のリセット、と捉えてもらっても構わない。

 『カクヨム』『小説家になろう』このあたりのネット小説サイトでは、通常それが行われない。

 なぜかといえば、ページ送りがそもそも存在せず、めくるといった動作の代わりになるものも無い。

 強いて言うなら、次の話へと移動するのがリセットになるか。

 しかし、それは話の分量に依存する。つまり、一話あたりの文字数が絡んでくる。

(『エブリスタ』『pixiv』などは少々仕様が違うため、説明を割愛。)

 対して、『読む事に特化した媒体』は、強制的なリセットが掛かる仕組みだ。

 ページ送りや、めくりの度に視界が切り替わり、読むという思考作業が一時中断される。地味なようで、実は重要だ。

 これ以上長く書くのもアレなので、簡潔に書く。

 人間、長くリセットをしないまま文字を読み続けると、疲れるのだ。

 『読む事に特化した媒体』は、読み進めれば自然にリセットが掛かるのだが、そうではないネット小説は、それなりの分量を読むしかない。

 そこで、一話あたりの文章量が多くなると、区切りの間隔が空き、結果的に疲労する。そして、その疲労から逃れる方法で最も簡単なものといえば、読むのをやめてしまう事である。

 ネット小説は、いつでも読むのを中止することができる。

 

 楽な方向に逃げてしまいがちな人間を引き止めるには、うまいことどうにかして作品に留めおくしか無い。勿論方法は様々だが、この作品については二方向のアプローチにて読者を掴んでいると判断した。

 一つは、一話あたりの文字数を抑えめにし、疲労を抑えている。

 もう一つはStep5でも紹介したが、オチとヒキをしっかりとつけることで、兎に角次へ次へと読ませるというもの。

 この二つが強力なシナジーを発揮し、読み応えがありながらもついつい次の話も読んでしまう作品へと仕上がっているのだ。

 無論、これだけが人気の理由と言い張る気は無い。

 しかし、ネット小説を考える上で、こういった視点で読む、それもまた面白いのではないだろうか。レビューをきっかけに、独自分析を試みるのも、また一興である。
















   WARNINGWARNINGWARNINGWARNING

 ここからは更に深刻なネタバレと毒成分、そして平茸自身の趣向や偏見が含まれている可能性があります。精神が不安定な方、自分に責任を取れない方、ネタバレされると死んでしまう方は、このStepEXを読むのは控えてください。

   WARNINGWARNINGWARNINGWARNING











 いいんですか? ネタバレがガッツリありますよ?

 確かな意思を持って、冷静に読むことが出来ますか?

 それでも読むという方は、この先へどうぞ。











 ・StepEX:趣向と偏見に満ちた何か

 StepEXは、今までのレビューと意味合いが違います。

 なので、近況ノートのような口調で毒もありますので、ご了承を。

 そして、強烈なネタバレもあります。何かマズければ、御一報ください。




 最初に書いておきます。本当に申し訳ない。

 本来、このStepEXは、作品の良い面をより盛り上げてもらう為の、おまけ段階でした。しかしながら、この作品に関しては、ちょっと言いたいことがあるのです。

 今回は、伸びしろ云々ではなく、性癖、フェチズム、そういう方面から論じさせていただきます。苦情では無く、悶々とした感情を私が抑えきれなかっただけの事です。

 ロボ的な、そしてプリミティブな性衝動にも似た何かが吹き上がってきたのです。

 このレムロイドという作品を読み、感心を受けたからこそ、有り体に言ってしまえば、『裏切られた』という気分にもなってしまった。

 StepEXとして初回であるはずの今、私の我だけで話を進め、垂れ流すのはうしろめたい気持ちでいっぱいなのですが、この際だから言っておくとします。




 まず何故こんな有り様になってしまったのかを、説明します。

 私は先述したダイナミズムを重視する流派に属している(と勝手に思っている)のです。無論、それでロボットの全てを言い表せるとは思っていないし、そもそもダイナミズムだけでロボット作品が出来上がるなんて、とてもじゃあないが言えません。

 色々世の中には、ロボに使える素晴らしい要素が溢れています。

 その中で、今回の話に関わってくるのは、『過去』とか『系譜』です。

 物語序盤で完成していなかった量産型の機体が、最終決戦で苦戦する主人公の元に続々と援護に駆けつけるようなシチュエーションも好きですが、ひとまず置いておいて。

 正直に言うと、私はこの世界(レムロイド世界)での集大成となる機体が、最終決戦で使われると期待していました。魔法技術と想像力イマジネーションの極致とも言うべき、そういった機体に乗って、作品らしさを出した展開で敵をぶっ飛ばしてくれると。

 しかし、現れた機体は、むしろ原点でした。それ自体は非常に燃えるシチュエーションだし、ヒロイン三人が力を合わせ構築する機体に主人公が乗り込む、これも嫌いではなく、むしろ好きな部類です。

 じゃあ何が言いたいんだと。

 私はこの機体を『かつての愛機へと、魔法と呼ばれる技術を用いて機能を焼き直ししたもの』のように感じたのです。

 何故かといえば、この機体には、魔法でしか出来ない事はほぼ含まれていない。

 この世界の魔法が一体どこまで、何が出来るのか等は問題ではありません。

 想像力を活用する上で便利な道具、だけでは彼にとっても最早そうではなく、単なる代替技術として扱うにはもったいないと思うのです。魔法は、ファンタジー世界にとって、世界の一部であるはず。

 ユニークな魔法機能を持った機体をいくつも作ってきた彼だからこそ、愛機でもっと上にいけたのではないか、そう思ってなりません。


 そしてもうひとつ。最終決戦、ヒロイン三人が機体に同乗します。

 ひっくり返す事を言うようですが、とりあえず。

 先述した愛機云々の問題は、彼が一人で搭乗し、孤独に操縦するのなら、私は今何も言いませんでした。『原点対新星』としてのシチュエーションが新たに生まれるのですから。現実には、成り立ちませんでしたが。

 しかし、ヒロインが同乗している時点で、彼だけの機体とはとても言えないと考えます。全部自分のものとは言いますが、実際には乗っているだけでなく、実際の役割もあります。

 更に、決められた役割以外にも、ヒロインは主人公の精神面においても重要な位置を占めている。ならば、もう一緒に戦っているも同然ではないか。

 彼女達はこの世界において主人公と出会い、その彼に惹かれていきました。

 しかし同時に、彼も彼女達から色々なものを得たはずです。

 そこで私は、役割や位置だけでなく、機体そのものからも、主人公とヒロインとの繋がりをより感じたかったのです。

 主人公は、この世界やそこに住む人々に愛着を示し、もう新たな住民と言っても過言ではないほど、愛しているのでしょう。

 ならば、もう『原点』ではない、彼が見つけた『新たな原点』として、周りの人たちと心身共に、戦いに望む。こんな感じのを、勝手に期待していたわけですね。

 念の為言っておくとこれは要望ではありません。私の単なる戯言です。


 しかし、ロボットというのは、愛機とやってもいくらでも択があります。

 その方法論については私が語ることの出来る限界を超えていますが、一つ確実に言える事があります。――勿論、同様の意味があれば、『愛機』そのままでなくてもあてはまるでしょう。

 過去との繋がりは、愛そのものです。

 作者が機体へ過去を設定することは、すなわち愛を注ぐことと同じだと考えています。技術系譜を考えるのもそう。その歴史がくんずほぐれつしても、問題はありません。

 

 色々考えた時点でもう、その機体は作者の『愛機』でも、いいでしょう。

 

 


 雑多に書いてしまったので、もう一回。

 芳賀 概夢氏(@Guym)には、感謝してもしきれません。

 色々言いましたが、ガッツリ楽しませていただきました。

 ここまでお読みくださった方も、本当に、ありがとうございました。

 次回の予定も立てておりますので、また、よろしければ。

                       2016年8月21日――月夜平茸

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