待ち合わせの果てに 0

「あれが・・・ディレクターズオブシステム・・・・」


えっ、なんて?今、俺の耳にとてつもなく中二くさい言葉が聞こえてきたんだが・・・。


「まさかとは思ってたけどブレッドって、ディレクターズオブシステムもしらないの?」


軽く払われた気がして腹が立った。


「あれは高さ1000メートル、この町ができる前から信教神教会の幹部の人間がすんでるらしいよ」


物知りなパルムの説明口調はどこか博士臭いところがあるが、そこは無視して。こいつら意味が分かっていっているのだろうか?という疑問が浮かんできた。


「お前ら、ディレクターズオブシステムって

システムの支配人っていうことだぞ」

「そんなことは気にしなくていいだァ。でかければそれでいい!」


はっきりと宣言したフィルの顔はどこかほこらしげだった。


「それにしてもこの町はにぎわってんなァ」

「それは、人口が多いだけ買う人もうる人も多いからじゃないの?」


するとパルムは何かを見つけたように正面めがけて走っていった。


「ねぇねぇ、これってあの高級食材じゃないの?めったに取れないってやつ」


店のおっさんに、にらまれながらもはなしを続けるパルム。そこにフィルは目を輝かせて突っ込んでいった。


「何だこれェ、カルックスじゃ絶対においてねぇぞォ」


そういいながらフィルは真っ赤な身をつかみ取る。なるほど、この町は本当ににぎわっているようで他国から高級な品が送られてくるのだろう。


「なぁ、それよりもよォ、早く宿見つけてくれよォ、セフが来ちまうだろォ」

「あっ、そうだったな。ていってもセフが来るのは今日の昼だろ」

「えっ、もう昼だよ」


俺の頬を汗が伝った。


「それじゃ、約束どおり迎えに行ってくる」


そう、今日は1週間前に約束していたセフとの再会の日。彼女は馬車で来るらしいが馬車が通れるのは剣士の護衛が行き届いたところまででそれ以上は俺が連れて行かなければいけないらしい。実のことを言うと一回だけ護衛の依頼をしたことがあるのだが信じられないほど楽ちんだ。ただ出現したモンスターを狩ればいいだけで俺たち敵にはぬるすぎる仕事で報酬も安くて一日を無駄にしたと思ったものだ。

ぶつぶつと独り言をつづけながら、草原を歩いていくこと30分。俺は待ち合わせ場所である遺跡に到着した。何やら超古代文明とかが作ったものらしいんだが・・・


「おいおい、これ超でけーじゃん」


無題に巨大な遺跡の前で俺は足を止めた。

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