パルム 7

「面白れぇ。お前、今、俺を殺そうとしたときによ。かなりためらったんじゃねぇか。剣に迷いが見える」

「ふん!友達をそんな簡単に殺す奴はいねぇよ」


搾りだした声。レッグは笑顔を消した。そして「おりゃ!」咆哮に合わせて左手を俺の腹にぶつけてきた。そして自然と浮く体に合わせて電撃にも似た痛みが全身を襲う。そのまま後ろの期まで押された俺は数枚の葉を落とし、木に衝突した。


「おい、この程度なのか?お前はこの程度かって聞いてんだ!」


俺の答えを待つ気はあるのかそれとももともと答えなんて言うアマぬるいものは必要としていなかったのか今度は俺の頭をつかむと崖の方向に投げ飛ばす。剣を振って何とか体制

を整え落下は防いだものの剣と魂法ではこちらがあっとうてきにふりである。そして飛んでくる無数の氷が俺の気持ちを焦らせた。このままでは俺は死ぬ。しかし、俺が死ねば男によってイブまでもが死ぬ・・・。それを避けるためには俺が全力でぶつかってパルムを死の淵に叩き落とさなければならない。

どうすればいい!


「ほぉ~、随分と迷っているようじゃねぇか

。迷う意味なんかない。今すぐ俺を殺せよ。じゃなきゃお前が死んじまうぞ!」


パルムの元は思えないその高い声は俺の心をさらに焦らせる。そして眼前に迫ったものは

無数の方向に飛び散る光線だった。まずい!このままでは本当に俺の命が・・・イブの命が・・・。一瞬何かがはちきれた。あいつはもう生きているべき存在ではないのだ!そうひり切った俺は飛んでくる光線の位置を計算した。足に二本、右手に3本、頭に1本。無数にあるうち俺にあたるのは合わせて6本のみ、ならば!俺は剣を体の前に持ってくると魂法剣技を発動させた。そして狙うのはあの光線。剣を膝の位置に持っていき初撃である足の一本を切った。反射する光線。さらに一本二本と切っていく俺をレッグは唖然とした様子で眺めている。相手はかつての仲間。しかし、もう今はその中にいるのは全く別人でこの世界に存在してはいけない死人なんだ。


とうとう光線を切り終わったとき俺は猛烈な速度地面をけった。今ここで奴を殺さなければパルムは一生苦しむことになるんだ。だったら・・・思い切っておろした一撃はさっきと同じように見えない壁に阻まれた。それでもなおを連撃を続ける。一撃一撃レッグの右手を揺らすその連撃は火花を散らしながらどんどん加速していく。俺の速度はついにレッグの反応速度を超え、ついに見えない壁を突破した。そして接触する。パルムの顔面にぬめりこんでいったその剣は膨大な血を吹き出して後方に追いやられていくレッグを完全にとらえていた。

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