デジラブ
ジロジロ
第1話 ドキドキのダウンロード
その日の朝。
僕の目覚めは普段と違い、人生で最高のものだった。
夏休み! 夏の始まり。 昨夜の興奮を思いだす。
あの時はよく眠ったと、自分を褒めてやりたい。
睡眠時間は十分に取れた。
故にコンディションは最高。 外に出る準備も万端。
リビングに顔を出し、朝食を開始した。
親が不思議そうな顔をしたが、構わない。
休みの日は、いつも起きるのが遅いから不思議に感じたのだろう。
パンを口に入れスマホを確認。
後はあのゲームの配信開始を待つのみであった。
これから始めるのは、巷で噂のあのゲーム。
炎天下の中、町を徘徊する事が前提のあのゲームである。
コンディションを整えていたのもその為。
そして昨日から始まった夏休みも・・・ 全てはゲームの為だった。
スマホを握る手にも熱がこもる。
配信開始数分前。
アプリストアを確認。 まだ、、 ない。
配信開始数秒前。
アプリストアを確認。 まだ・・・ ない。
グヌヌ。 少し残念な気分になった。
少しぐらいのフライングはあってもいいんじゃないだろうか?
そう思いながら画面を更新する。
―――!?
「キタ―――――――――――――――――――――ー!!」
リアルに叫んでしまった。
これには親も動揺。
心配そうにこちらを確認している。
「ゴホン!」
咳払いを一つして、意識をそらす。
親は不審そうな顔を浮かべたものの、気にしない事にした様だ。
苦笑いを親に向けながら、アプリのダウンロードを開始する。
全てはこの時から始まった。
僕はこの時、アプリの確認を怠るべきではなかった。
いや、今となっては感謝しているのだが・・・ 話を戻そう。
待ち受けに画面にアプリのアイコンがある事を確認し、
急ぎ外に出る準備を始める。
荷物は予めカバンに詰めてあった。
帽子を深くかぶり日差し対策もばっちり。
目指すは近くの公園。
歩くペースも快調。
全てが順調。
そして、アプリを起動した。
『d・えzぃLあヴ』
・・・。
タイトルが文字化けしてる?
異変の始まりはこんな感じだった。
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