No.103 YAMAHA SY77

TG55と共に89年発売、AFM+AWM2=RCM音源搭載の初号機。AFMとは、Advanced Frequency Modulationの略で、従来のFMシンセシス(元祖DX7や、TX81Zにあるキャメルサインなど)に加えPCM波形もFMの基本波形として使えるという物。そしてアルゴリズムも6オペレーターながら、フィードバックは3つまで増やされ、今までにない組み合わせのアルゴリズムが作られている。

80年代の代表的なシンセサイザーといえるDX7に始まり一世を風靡したFM音源だったが、88年に発売したPCM音源搭載ワークステーションKORG M1の大ヒットにより、RolandもLA音源搭載のD-50を発売するなど、世の流れがPCM音源へと変遷していく事になり、当初V50に続く次世代FMシンセサイザー『V80FD』を開発していたYAMAHAは、この次世代機種の計画を取りやめ、急遽PCM波形を搭載した機種を投入する事になる。それがYAMAHA製PCM波形であるAWM2音源を搭載したTG55と、冒頭に示したRCM音源を搭載したSY77なのである。

このRCM(Realtime Convolution & Modulation)音源の特徴は、FM音源に対してデジタルフィルターがかけられる点にある。‪FM音源は‪アナログシンセでの音作りとは全く違う方法を取っていたため、シンセサイザーの基本的な音作りの機構であるフィルターは搭載されてはいなかった。そこでSY77は、FMサウンドに対しフィルターが付けられるという、今までにない音作りが可能となった。

V50から受け継がれたワークステーションシンセサイザーであり、価格は30万円。当時、音楽シーンを揺るがす程の衝撃を持って世に放たれた。

ボルカミ氏から譲り受けし機材。

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