No.104 YAMAHA SY85

92年発売のSYシリーズ最終機。SY55以外のSYシリーズ(SY77やSY22等含め)に搭載されていたFM音源は省かれ、SY55同様AWM2のPCM音源のみを搭載した機種。特徴はディスプレイの下に並んだ8本のスライダー。これらによってフィルターやエンベロープなどをリアルタイムにコントロールできる、当時としては珍しい機能を備えていた。

FMが搭載されていない分、SY99に搭載されたTX16Wのデータをフロッピーから取り込む機能が付いており、他のSYシリーズとは違う点もある。そしてAWM2音源だけの機種だと侮ることなかれ。PCM波形にはSY99と同等のものが採用されているので、同じくAWM2音源だけだったTG55(SY55)や、その同年発売のSY77、DASS(Dual Articuration Synthesise System)音源(FM+AWM2)のSY22/SY35とは出音が違う。

この機種の音源版としてTG500がある。しかし、その前機種となるTG100やTG300はDTM向けの音源としてGM規格が採用されて作られているが、このTG500に於いてはGM規格にさえ対応してはいない。TG300は後に発売されるMU80の前機種であるが、GM-Aを強化してXG規格へと昇華させた次世代機種を作る際、同じ『TG』の名を冠する事がなかった理由としては、TGシリーズがSYシリーズの音源版である事、上位機種にTG500があるために型式が使えなかった事が挙げられる。こうしてSY/TGのサウンドはMUへと受け継がれていく事になる。

ボルカミ氏から譲り受けし機材。

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