90年発売。TG55/SY77の翌年に出た、VHS型のハードウェアシーケンサーの第一号機。いつでもどこでも曲が作れるハードウェアシーケンサーとして人気を博した。一桁の小さなディスプレイに1オクターブのボタン型鍵盤、テンキー兼用でコードの種類を指定できるボタンなど一通りがまとめられ、実はQY初号機にしてシリーズ中一番コンパクトなサイズに仕上がっている。プリセットボイスは30音色、ドラムキットは1つでドラムに関してはGM規定の配列ではないがスネアやキック、パーカッションなど26個の音が用意されている。同時発音数は28音で音のクオリティーはTG100相当。ボタン鍵盤では1音以上の演奏ができず、二つ目を押すとモノフォニックス風に音程が切り替わり、三つ以上を押しても鍵盤が反応しない仕様になっている。ドラムキットに関しては同時に出せる音は二音まで。YAMAHA製品では珍しく……というより国内製品でも珍しくクラビネットの音色名に「Clavinet」と記されている(クラビネットはホーナー社の製品名であるため大概は「Clav.」などと略されることが多い)。