KORG M1から2年後、Roland U-110の前年、1989年に発売されたYAMAHAプロフェッショナルPCM音源TGシリーズの初号機。SY55の音源版とされるが、TG55の方が発売が早い。音はいわゆるYAMAHAっぽい薄っぺらなサウンドだが、今となってはかえって面白いサウンドかも。生音は相変わらずだがシンセ系のサウンドは秀逸で隠れた名機と言える。SY77と同時期に発売され、TG55はコストパフォーマンスタイプの音源だったためか、FM音源の搭載はない。そして16トラックマルチティンバーになったのもSY77やTG55から。サウンドはTG300を経てMUシリーズにも受け継がれる。RolandのJD-800ピアノやKORG M1ピアノのように「YAMAHAといえばこの音」というのがないのは、TG/SYシリーズのサウンドがDTM音源MUシリーズにまで流用され続けていた事と、サウンドにこれといった特徴がないという理由によるものかと思えてならない。