2015年、YAMAHAシンセ40周年を迎えた年に放たれた、YAMAHAが誇るかつての名機を復刻させることを目的としたシリーズ「reface」４種の一つ。YCとはYC10やYC45Dなどに見るトランジスタコンボオルガンの型番。レバー毎に音高の違う音を組み合わせて音を作るのはドローバーオルガンと変わりないが、トランジスタから発せられる音は言わば「電子音」であり、自ずと出来てくる音はドローバーオルガンとは似つかない、チープなサウンドとなる。しかしそれが個性であり、それが魅力である。reface YCはハモンドオルガンを始め、VOX、Farfisa、Ace Tone、YC10のオルガンマトリックスを再現させたコンパクトなコンボオルガン。用意されるハーモニックバーがハモンドオルガンを基準としているため、他の機種を選ぶとその機種にはない倍音構成ができるので、オリジナルでは出せないサウンドも作れてしまう。ミニ鍵盤ながらそのタッチは秀逸。

このrefaceシリーズ、コンセプトは「音を作る」事を掲げているのか、基本的にプリセットという物はなく、音を自由に作って思い思いの音色を作るという狙いがあるようだ。DXやCPにはあらかじめプリセットはあるが、DXはオペレーターの変調を容易にできるタッチパネルが用意され、CPには一つ一つに特化したエフェクトやリバーブ、フェイザー、ディレイなど6つのエフェクト(から3つ選べる)を駆使して音作りができるようになっている。