デッド・オア・デッド
さいとうカフェイン
第1話 白い死神
いつからこんな髪の色になったんだろう。この白い髪に……。
自分は不死身の化け物と言われたのは、いつだろう。
タラデル城の西部の町 ケス で一人の白髪の少年が歩いていた。
その少年は一人で大国ザレムスを滅ぼし、その国民を虐殺したと噂されていた。
一人の男が白髪の少年を殺そうと身の丈ほどある大剣で彼の体を切断した。
「悪いな、坊主。これも金のためだ。あの世でゆるしてくれや」と男は言う。
無理もない。白髪の少年は高額の賞金首だったのだ。それも天地がひっくり返るほどのね。金に目がくらんだ人間は人殺しをもやってしまうものだ。
それほど、タラデルは貧国となっていた。
誰もが彼が死んだと思っていた。
真っ二つに切断されれば生きてるわけがない。と…。
少年の遺体を運ぼうと男がした時、少年の体は、くっついて元通りになっていた。少年は何事もなかったかのように、歩き始めた。
それを見た男は何度も何度も彼を斬り続けた。
そして、少年は見るに堪えないほどにぐちゃぐちゃになった。少年はそれでも、生きていた。それを見ていた野次馬たちは恐れ、悲鳴を上げていた。
化け物という言葉が彼に一番似合うだろう。それほどに異常だった。
少年は、また体が元通りになり、初めて言葉を発した。
「俺は一度ぐらいなら、殺されても何も言わねえよ。でも、この凄まじい痛みは耐えられないものがあるんだ。お前は俺を何度も殺したよな?」と少年は男に問うた。
「なんでお前は死なないんだ!? 絶対、俺が殺して金を手に入れる。」と男はパニック状態になり、取り乱していた。
男がもう一度、大剣を少年に振りかざそうとした時、少年が持っていたナイフで男の心臓を刺した。
男は絶命した。
少年はその件以来、白い死神と呼ばれるようになった。
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