エデン計画
@HiroOka1220
第1話(1)
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今夜も、そんな生温い風が辺りを舞っていた。11月も半ばを過ぎたというのに、今年は平年よりも気温が高いままだ。それに加えてこの不快な風。夜にもなれば多少の肌寒さを感じるものの、長袖が腕にじっとりと纏わりつくような気がするくらいの多湿であった。
その嫌な感触を避けるように、東都警察通常捜査一課、
まだ夜も明けきらない、午前4時。風見は白い手袋を身につけながら、既に作業に入っている警官らが作った規制線へと足を運ぶ。何台ものパトカーを横目に、黄色と黒のストライプ模様が施されたテープを潜り抜けると、そこは繁華街を一歩奥に入った、いわゆる裏路地のような場所だった。
港南区、
遺体が見つかったのは、そんな裏路地が行き止まりになる、ゴミの集積所。いわゆる袋小路となっている場所だった。通報してきたのは近くの飲食店に勤務する男性従業員。その日の営業で出たゴミを捨てにきたところ、ゴミ袋の上に仰向けで横たわる女性を発見したのだった。
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