第3話 弐拾参



【こんにちは】


「え?こ、こんにちは」


【こんな時間までお仕事ですか?大変ですね】


「あ、はい。ええと…あの、すみませんがどちら様でしょうか?」


【ふふ】


「はい?」


【失礼しました。時が経つと人は変わるものですから、10年前と同じやり取りをしてつい当時の事を思い出してしまいました】


「あの…誰かと間違えてませんか?10年前なら私まだ中学生ですよ」


【いいえ、人違いではありませんよ。私の事を覚えていないのは…まあ、そうゆうものなので】


「はあ…」


【さて、お仕事の邪魔をしてはいけませんしそろそろ失礼します】


「え?あの何かご用が有っていらしたんじゃ?」


【大丈夫もう用事は済みましたので。ああそうだ、少し疲労が溜まっている様ですからキチンと休息を取られた方が良いですよ】


「お気遣いどうも…」


【それではまた】


「………あれ?今誰と話してたんだっけ…あ~ダメだ今日はもう帰って寝よう」

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