同業者組合と古びたオルゴール

プロローグ

そう、彼らは“魔法屋”。



獣人の魔導具職人、ロー。


大いなる魔法使い、シグマ。


錬金術師の小人、イプシロン。


古代魔法の研究者、ファイ。


枯れない魔力の泉、オメガ。


そして、新たな力の探求者、ゼータ。



彼らはいわゆる同業者組合として、互いに互いを支え合い、自らの魔法技術を売り物として生計を立てています。


とはいえ、この世界では、魔法というものに向けられる周囲の眼差しは、実はそう甘くないのです。

生活の基盤が科学に取って代わられた今、魔法は過去の遺物になりつつあります。


しかし、彼らはあえてそれ───魔法を、志した。


別段変わった理由はありません。

好きなことを仕事にしたい。

本当に、たったそれだけなのですよ。

魔法が好きで仕方のない彼らを、何者も阻むことはできなかったのです。


彼らについてまわる事象は、常識では解決できない代物ばかり。

異端の道を歩む者の宿命といえば、その通りですけれど。



さあ、ご覧なさい。

この日も何やら、彼らは集会を開いているようです。

ふふ、きっと面白いことが起きたに違いありませんね。



───行きましょう。

6つの、運命のもとへ。

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