この物語の舞台設定

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《登場人物》

さい瑛凛えいりん

……龍国の国主一族、齋王家の第二王女。

  諸事情により、普段は双子の弟の"瑛明えいめい"として男装することに。

  御年十三。

  凛とした美貌を誇る、美人。

  普段(瑛明の時)の性格は…………あまり良くない。


晏如あんじょ

……龍国に二十三家ある禁姓一族の一つ、茶家の傍系の家に生まれた。

  茶郡にある日和ひよりの里の里長りちょう(村長のこと)、晏壽あんじゅの次男坊。

  母は、白門珀家の傍系の生まれであった。

  中性的な美貌を持つことから、よく女の子と間違えられる。

  ある日、彼を迎えに来た珀胡蝶によって、瑛凛の住む離宮に宮仕えすることに。

  年の頃は、十三。

  前向きで明るい性格。


はく胡蝶こちょう

……白門珀家の直系一族の生まれ。

  瑛凛と瑛明の亡き母、美瑛みえいに彼女が未婚のときから仕えていた古参の女官。

  今は、瑛凛の住む宮で女官長を務める。

  きりりとした鼻筋が目を惹きつける、美女。


さい瑛明えいめい

……瑛凛の双子の弟である、齋王家の第二王子。

  普段は姉が男“瑛明”として活躍しているため、表向きは女“瑛凛”として白家本邸で暮らしている。

  姿形は姉とそっくりだが、緩んだ目元が若干柔らかい印象を与える。

  白龍神に仕える神官見習い。

  体が弱い。


さい佑俊ゆうしゅん

……齋王家の第一王子。

  瑛凛と瑛明の従兄あに

  王佐の一つ、王の秘書官を務めている。

  御年十八。

  細身だが意外と(?)逞しい身体を持つ美丈夫。


さい幸明こうめい

……龍国現齋王で、佑俊・瑛凛・瑛明の父。

  龍国の頂点に立つ君主。

  聡明な英君で、臣の信頼も大きい。

  ある事情から、瑛凛に男“瑛明”として生きるように命じる。


はく櫂喩かいゆ

……瑛凛・瑛明の外祖父である、白家当主の長老。

  宮廷三公の一人、白太傅。

  武官をまとめる最高官で、多くの者に慕われている。


はく百合ゆり

……白家直系一族の生まれで、瑛凛・瑛明の再従兄弟はとこ

  白家当主である白櫂喩は、大伯父にあたる。

  武門でもある白家の娘らしく、武術が得意。

  年の頃は、十三。

  笑顔のかわいい(瑛明曰えいめいいわく)女の子。




《この物語の基本情報》

・龍国

……阿蘭アーロン大陸と呼ばれる小さな大陸にある大国。

 北にそびえ立つ天龍テンリュウ山脈、南に広がる龍国最大規模の大豊タイホウ平野、東にある紅雨コーウン平野、そして西の白嶺ハクレイ高山で主に形成されている。

 建国者は王祖おうそさい黎明れいめい

 彼は二龍神の娘である桃葉姫ももはひめを娶ったことから、彼の直系子孫は神の血を引いているとされている。


・二龍神さま

……二龍大祖神さま、王祖神さまとも。

  龍国の国護大神くにまもりのおおかみで、国の鎮守さま。

  龍国の建国神話には、王祖齋黎明に力を与え、魑魅魍魎を地の下に封じたとされる。

  なお、白龍神はくりゅうしんさまは男神で、水と武と夜を司る。月は、その象徴である。

  また、紅龍神こうりゅうしんさまは女神で、火と文と昼を司る。日は、その象徴である。


禁姓二十三家きんせいにじゅうさんけ

……龍国に二十三ある禁姓の一族のこと。

  禁姓とは禁じられた姓名、つまりその一族以外、何人も名乗ることを許されない姓名のことをさす。

  齋王家と二十三家筆頭の『白・紅・藍』の三家、その三家にある門家と呼ばれる分家と、“外の一族”と呼ばれる少数民族の長の家である黒・茶・黄の三家で構成される。


宮廷三公きゅうていさんこう

……別名、宮廷三師。

  文官の最高官である太師たいし、武官の最高官である太傅たいふ、王の後継者の教育係と、新人官吏の最高指導官を兼ねる太保たいほの三人で構成される。

  この官職は世襲制で、紅家が太師位に、白家が太傅位に、藍家が太保位に代々ついている。

  王佐の一つ。


・宰相府

……宮廷三公の次に位の高い、宰相が長を務める。

  宰相は龍国の心臓部と言われる六部りくぶを統率する、最高官の一人。王佐の一つ。


・六部

……吏・工・戸・刑・兵・礼の六つの部をさす。

  基本的にほとんどの官吏が、このどれか一つに籍を置いている。

  龍国の心臓部。


照君しょうくん

……齊王の後継者(世継ぎ)の尊称。

  二代目の王の名が照明しょうめいであったことから、こう呼ばれるようになった。

  この座は、齋王に下される二龍神のお告げによって決まる。


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