おかえりなさい
最近の彼は目に見えるように疲れ果てていて
生気が感じられなかった
「おかえりなさい」
「…ただいま」
「どこに行っていたの「うるさい…」
「また会社に泊まり込み「やめろ!!!」
被せるように言い放って
ジャケットを私目掛けて放り投げる
倦怠期
それを最近強く感じている
「…………はぁ…」
「なにもそんなにあからさまに溜息つかなくてもいいじゃない」
「……鬱陶しいんだよ、お前…」
床に落ちたジャケットを屈んで取ろうとした
「は」
その手が思わず止まる
「…いい加減にしてくれ!もううんざりだ!!!」
頭を抱えて膝から崩れ落ちる彼を見て
ああ遂に終わりなのかなと思った
「いつまで俺に張り付いてくるんだ!!?」
いつまでって
そんな話はっきりしたことないから知らないし
「おかしいだろ?!!」
おかしいのはあなたでしょ
お別れの話をしてくれたらこの関係も終わるよ終わらせるよ
「アパート!実家!友達の家!会社!!部屋を変えても引っ越しても!
どこまでもずっと俺の前に出てきやがって!!!」
ちょっと待って何それそんなことするわけないじゃないっていうかできないって
「何のこ「ぁあああぁああぁぁああぁぁぁああ!!!!!ボソボソボソボソ今度は何だ!???喋るな!!嫌でも耳に入るんだよ!その呟きが!!!」
「おかしいだろ??!!!」
「有り得ねえんだよ!!!まず"お前"が!!!!」
「 俺 は ち ゃ ん と 埋 め た だ ろ ! ! ! ! ? 」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます