正義の少年

西山 市朗

序章

1

彼は、目を覚ました。彼は、至って普通のベッドの上で寝ていた。

 カーテンの向こう側には夜の真っ暗な空が広がっている。しかし、僅かに満月の光が差し込み、部屋は少し明るくなっていた。部屋は六畳より少し広く、少し散らかっていることが辛うじて分かる。

 彼は布団を剥いで身体を起こし、ベッドから出た。少し先のドアを開けた彼は、木でできた短い廊下を右に曲がって歩き、階段を下り始めた。階段はミシミシと音を立てた。しかし、崩れそうなほどではないが。

 階段を下り終わって、一階に足を踏み入れた彼は、そのまま台所に行き、冷蔵庫を開けた。冷蔵庫には大したものは入っていなかった。彼は冷蔵庫から何か食べ物を取り出し、フライパンで食べ物を焼き始めた…。

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