ぽろぽろ小話

玻璃Si

目なし耳なし

私たちは目なし耳なし。


私が目なしで

僕が耳なし


食事もお風呂も遊ぶのも

いつも2人一緒なの。



僕たちは目なし耳なし。


僕は彼女の目

見えないものを教えてる

空もようも先生の顔色も黒板の文字も

彼女のために見る。



私たちは目なし耳なし。


私は彼の耳がわり

聴こえたものを教えてる

風の音、鳥の鳴き声、教室のうわさ話

ぜんぶぜんぶ教えてる。



僕たちは目なし耳なし。


どうして目なしが先なのか?

簡単さ!彼女が素晴らしい人間だからだ!

耳なしの僕よりも

ずっとずっと色んなことを知っている。



私たちは目なし耳なし。


どうして目なしが先なのか?

そんなの簡単よ

耳なし目なしより、語呂がいいでしょ?



僕たちは目なし耳なし。


彼女に好きな人ができたらどうするか?

僕はそっといなくなるよ

彼はきっと彼女の目になってくれるから



私たちは目なし耳なし。


彼に好きな人ができたら?

もちろん、ずっと一緒にいるわ

だって私は彼の耳だもの。

ずっとずっと一緒にいるわ



僕たちは目なし耳なし。


あの日父さんが運転していた車に父が運転していた車が

彼女を乗せていた車が突っ込んできた前の車に突っ込んだ


私は目を失って

僕は耳がなくなった


だからこれは運命なんだ

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