第七夜 納涼大肝試し大会

洞穴の入り口は狭かったが、中まで来るに連れて、段々と広がって、最深部には広間があり、その奥には小さな鳥居と社が建てられ祀られていた。


「悪魔のクセに神社は苦手じゃないのか?」

平気な顔のアリスが気になって尋ねてみる。


「教会ならまだしも、神社やお寺なら全然へっちゃらですよん。なんならあたし達の結婚式は神式でもよろしくてよん☆」


こいつめ、ありえない軽口を叩いてきた。


「何が悲しくて魔獣と結婚しなくてはならんのだ!?」


「だってご主人たまは、彼女無し歴年齢と同じじゃないDEATHか?」


失礼な悪魔だ!


「やかましいな!まだまだ素敵な彼女との出会いを好きなだけ夢見させてくれよ!」


「そりゃまぁあたしには6時間6分6秒先の未来までしか見えませんけど★」


「けど、なんだよ?」


「ご主人たまに引導を渡して差し上げるのもあたし達の大切なお務めですもん☆」


実に失礼な悪魔だ!


「大きなお世話だ!ほっといてくれ!」

悪魔にまで心配されるとは無性に哀しくなる。


社は両側からライトアップされているが、ボクらは電球を弛めて消してしまった。

代わりに持ってきた蝋燭に火を灯して傍に置いた。

どこからともなく吹いてくる風に炎がゆらゆら揺らめいて、幽玄的でいい感じだ。


「悪魔じゃなくて、幽霊が出てきそうだな。まあ似た様なもんかw」


「似てる訳ないじゃないですか!幽霊なんて亡者のなり損ないですよん!ヤツラは亡者以下ですよ亡者以下!」


ウーン。死んでからも現世に生きる者には解らないカースト制度が存在するらしい。出来ることなら知りたくなかった。てゆーか幽霊って本当にいたの?



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