第七夜 納涼大肝試し大会
♪ピチョーーーン
「冷てッ!」
首越しから背中に掛けて、冷たい水滴が落ちてきた。
「暗くて冷んやりしっとりとした感じがとっても気持ちよくて、住んでみたくなっちゃうほど落ち着きますね☆」
前をズンズン歩くアリスがにんまり振り返る。
「どこが?早く終わらしてとっとと帰りたいよ」
ボクとアリスのふたりは、納涼大肝試しオリエンテーリングの大ラス・ポイントの守護を任されていた。
まぁ任されたといったって、きっとアリスが手を回したに違いないんだけど。
そして、此処がそのポイント地点となる現場の大鍾乳洞の中って訳だ。
鍾乳洞の天井には、幾十幾百もの長く尖った鐘乳石が列なっている。
先ほどの水滴は、その長い年月を掛けて出来た鐘乳石から垂れてきた水滴だった。
洞窟の温度は、夏でも10度以下に保たれているらしく、上着を借りてきたにも関わらず、とても肌寒く感じた。
そんな冷蔵庫並みに冷え冷えとした中での、さっきのアリスの台詞だった訳だ。
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