第4話 運命の日

現実世界で一夜をすごした後僕とKanaは待ち合わせの時間に仮想世界でのカフェにログインした。

「ようやくこの日がきたねー!」

「うん!」

そんな会話をしながら僕はKanaと一緒にセルバニア洞窟へ向かった。楽しいダンジョンになった。いや...なるはずだった。


カネルーン王国領から1キロほど離れた場所に位置するセルバニア洞窟。僕達の運命を変えることのなったあの時は僕達がダンジョンに入ろうとしていたときだった。

「ドンッ!!」


突然揺れるはずのない仮想世界の地面が揺れた。地震である。

「何なの?!」

Kanaがこう叫んだ瞬間だった。


「ウーン!ウーン!」

突然聞いたことのないサイレンが鳴った。

「こちらはゼネシス・オンライン運営です!緊急事態です!よく聞いてください!」

「ただ今我々ゼネシス社のPCに何者かが侵入し、ゼネシス・オンラインからログアウトができなくなっています!」

「早急に対応していますのでしばらくの間お待ちください!」


僕達はようやく事態の重さを理解してきた。このPVは脳の信号をキャッチして僕達の仮想空間での行動を実現していることから脳の信号は完全にPV機に遮断されている。つまり僕達から内発的にここから脱出することはできない。そしてゼネシス・オンライン内で流通している運営がやっているNEWSの現実世界の情報によると外部からの切断(PV機の電源を切る)を試み、死者が多数出ていることが報じられている。

つまりしばらくの間僕達はこのゼネシス・オンラインに閉じ込められ現実世界では一種の"昏睡状態"になるということである。


後に語られる25世紀の大事件"ゼネシス・オンライン事件"の始まりである。

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